クリエーター科2年生が学ぶ『野生動物管理実習』、今回は岐阜大学応用生物科学部附属
野生動物間理学研究センターの森部絢嗣先生による「くくり罠捕獲」の実習です。
罠を仕掛ける現場は、「狩猟採集文化研究所」のある揖斐川町谷汲高科の山林。ちなみに
ここは、岐阜大学地域科学部助教の山口未花子先生が、 狩猟文化の発信や伝承、そして
若い狩猟者の交流拠点になるよう開設したところでもあります。
森部先生は「捕獲は簡単」 重要なのは「やる気」と「時間」と切り出し、その「やる気」を出す
には早く捕獲経験することが重要ともお話しされました。
昨年、狩猟デビューした方でも、狩猟期にニホンジカ44頭、イノシシ9頭を捕獲した事例を
もとに説明して下さいました。
効率的に捕獲するのには、トレイルカメラの利用が秘訣。 赤外線LEDにはノーグローかBLACK
LEDを利用している方が良い。 先生のお薦めはハイクカムSP108-J(29916円)とのこと。
このカメラで野生動物の動向を探り、どこに脚を着地するのか? どちらから来るのか?
単独で来るのか、集団で来るのか? など、さまざまな情報を収集するのに役立てます。
従来の経験豊かな猟師さんのくくり罠では餌を使いませんでした。
しかし経験の浅い狩猟免許取得者が早期に的確に捕獲を実現するためには餌を利用した
「誘引誘導型捕獲法によるくくり罠設置」が有効。
効率の良い場所の捕獲プランについて見ると
場所の選定としては 1.車で見廻りができる。
2.平坦地に罠設置する
3.各捕獲場所を100m以上離す
多くの山間の山村は疲弊し、そこに住む人たちの個人負担も増加する。 だからこそ、山村の
過疎地域に新米狩猟者の拠点をつくり、外部からの人が来やすい、集まりやすい場所をつくる
ことと山村文化伝承などが重要と考えて「狩猟採集文化研究所」を開設。
岐阜ハンターネットワークの人たちと、空き家利用して、多くの仲間たちと獣害対策に取り組んで
おられます。
研究所の前で、くくり罠の種類別の設置方法、利点と欠点を指導して頂きました。
今回は私たちが通称「弁当箱」と言っているくくり罠を設置体験。
と言っても、全員が狩猟免許を取得しているわけではないので手法は学びますが、実際の設置
は免許取得者に限ります。
動物は、凸地地形よりも、平らか凹んでいるところに足を置く。
また、石や枝の上には足を置かない。 だからどこを通か、どこに餌を置くか、障害物との
関係はどうするのか。 ポイントを詳しく学びます。
くくり罠を設置する時は、ワイヤーが縮みやすいよう。また、掛けはずれがないように注意する
こと。
学生は自分で仕掛けてみたくくり罠に、手を出して、仕掛け方が良かったかどうかの確認もしま
した。 赤い手袋の先にワイヤーが巻き付いているのが見えますか?
さて、明日に向けて森部先生がくくり罠の設置場所を選定し、ワイヤーの先を倒木に巻きつけ
ています。
これからワイヤーを隠し、罠部分を土で覆い、周囲に寄せ餌を配置します。
罠免許を取得した学生も、今日は初めてのくくり罠設置、どこに罠を仕掛けるか。 どこに餌を
置けばよいか、迷いに迷って設置しました。
さて、あとは明日、捕獲されたニホンジカを夢見て、本日の実習を終えたのです。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。