2013年6月19日水曜日

「森林調査法」でとった常緑広葉樹林のデータを解析しました


本日、先週の「森林調査法」の授業で調査した常緑広葉樹林のデータ解析を行いました。
最初に調査した項目について簡単におさらいして、そのデータから何を知ることができるのかを確認しました。


その後、情報処理室に移動し、手分けしてデータを整理していきます。毎木調査のデータは2人でペアになり、1人が読み上げて入力していきます。


樹冠投影図もデジタル化するために、スキャンした後に描画ソフトを使ってトレースしていきます。ソフトの使い方に慣れないうちは苦労していたようですが、慣れてくると作業に没頭してしまう学生も出てきました。


植生断面図は、下から光源で照らしてペンでトレースし、清書します。現場では十分な時間をかけて描けなかった部分もあるので、それらを修正しながら清書していきます。

今日の授業は半日でしたので、データの入力にほとんどの時間を使ってしまい、解析には十分な時間がとれませんでしたが、データを改めて見直してみると、高木層はコジイが、低木層はサカキが優占していることが定量的に把握できました。このことは植生断面図によっても視覚的に捉えることができます。


またこの図を見て気づくことは、高木層と低木層の間の亜高木層がすっぽりと抜けていることです。人の手が入っていない原生状態に近い森林であれば、全ての階層に様々な樹種が見られるはずです。

そのことを考え合わせると、調査地の林は極相林ではあるのですが、過去に人の手が入り、本来そこの極相林を構成していた樹種のいくつかが失われてしまったことが想像されます。

次回からは人の手が入って、遷移の途中段階にある落葉広葉樹林、いわゆる里山林の植生調査に入ります。今回の調査地よりも調査対象の樹木が格段に多くなることが予想されます。皆さん、がんばって取り組みましょう。