クリエーター科1年の共通授業「山里に聞く」では、地元学の手法にのっとり、よそ者・若者目線で地域を見ると何が見えるのか?という切り口で「あるもの探し」と「マップ作り」を行いました。
活動を受け入れていただいたのは、高山市丹生川の旗鉾という集落の方々です。中心になってくださったのは地域の将来を心配されているお寺のご住職、Kさんです。
山間地域のかたから「ここには何もないから」、という言葉をよく聞きます。
もちろん、本当に何もないのではなく、「お金になるものは」とか「若者が喜ぶようなものは」無いよ、と言う意味です。
逆によそから来た人には全てが珍しく、面白く、誰かに教えて見せてやりたいものがたくさんある、というケースが多くあります。
そういう見方の違いや、楽しみ方を地域のみなさんに知ってもらい、あらためて地域の魅力や潜在的な価値を再認識していただきたいというのが、「あるもの探し」「マップ作り」のコンセプトです。
3チームに分かれ、それぞれに地域の方が同行してくださいます。 「地域の説明」というより、一緒に歩いていただきながら、学生からの質問に答えていただきたいという主旨で、「道案内」をお願いしました。
屋根に乗っかっている不思議な物を発見、質問すると蚕の餌の桑の葉を切る機具とのこと。
え?蚕?桑の葉?屋根の上??? 学生たちの興味は増すばかり。
猪の罠(檻)です。猪が根を食べるために掘った大きな穴を見てびっくり。 この下には集落の広い畑があります。
柳沢先生はいなかったけれど 「こんなんいてました!」
やたらとリアルな狛犬にドキリ! 普通では絶対にたどり着けない山中の社。 太いミズナラがありました。
たった2軒の集落跡地です。 こんな山の中でどうやって暮らしていたのかな・・・?
それぞれの発見をメモやデジカメにおさめ、集合地点に戻りました。
昼食と午後のマップ作り作業は、お寺の本堂を開放して下さいました。
とても広くて綺麗で快適な環境をご用意いただき、ありがとうございます。
お漬物や、檀家さんが差し入れてくださったヤマウドまでご馳走になりました。
思わず合掌です。
誰かが叫びます、「これって○○仏じゃない?」
たしかに二体の木仏様が棚に置かれていました。住職さんの許可を頂き、なんと直接持たせていただきました。 少し煩悩が消えたでしょうか?
さあ午後の実習は、見て歩きの記憶が新鮮なうちに、地図をつくり、情報を貼り付けてゆきます。
同時に、デジカメで写したなかから、印象深い写真を15枚ほど選んでもらいスライドショースタイルで紹介します。
時間を延長して未完成ながらもまとまりましたので、地域の皆さんの前で、本日の成果発表会です。
他のグループがどんな場所にゆき、何を見つけてきたのか、結構気になるものです。その情報も共有出来るわけです。
最後に地域の公民館長さんから講評をいただきました。
次回も旗鉾にお邪魔し、お年寄りからお話を聞き、録音し、言葉通りに文章化する、いわゆる「聞き書き」の体験をするための「聞き取り活動」をする予定です。
旗鉾のみなさん、またお世話になりますが、よろしくお願いします!
山村づくり講座教員 原島