長良杉をどう売るか 「木材の流通と販売戦略」 最終回
林業再生講座2年生の「木材の流通と販売戦略」の最終回
今回は県庁、県産材流通課の中通技術主査さんと、岐阜県森林組合連合会の林産システム
推進センター所長の樋口さんのお二人にお世話になりました。
午前中は美濃市にある中濃森林組合の林産現場で、樋口所長さんから、山の見方、立木の
見方、木材の売り方の一端をご指導頂きました。、
樋口さんからは最初に岐阜県森林組合連合会として林産を実施する意義や重要性などについて
概要をお聞きしました。
平成22年から実施してきた林産業では、作業員3人での木材生産量は初年度は2.6m3/人、
2年目は3.1m3/人、3年目は4.1m3/人、そして今年は5m3/人以上を目指して、OJTの中で
生産性をあげる努力をしながら、素材生産に取り組んでいるとお話しされました。
年輪の構成パターンによる材価の違い、造材方法の違いによる材価の違い、樹齢80年生以上
の立木や天然林の造材方法の違いなど、即収入と直結するポイントについて、詳しく判りやすく
説明して下さいました。
また、曲がり材が一概にB材、C材扱いとして価値が無くなるのではなく、曲がり材でも
隅木(すみぎ)や破風(はふ)として6万円/m3以上で取引した事例なども紹介して下さい
ました。
さて、本日の現場は中濃森林組合さんに見学をお願いした現場で、林産対象面積は5ha
搬出予定材積210m3の現場です。
ここはスギとヒノキが混在した林分で、枝や樹皮での樹齢の判定方法や、幹の曲がり具合の
見定め方や欠点材の見分け方など、様々なポイントを教えて頂きました。
現時点で3haの間伐に40人工投入し、120m3の林産が完了していますが、差し引き収支の
見込みは、ほんの少しマイナスです。
午後からは、森林文化アカデミーに戻って、
「長良杉」の販売戦略を考えます。
長良杉は岐阜県が行政主導で提唱したもの。しかし、「長良川」に代表されるこの言葉は
知名度はあるが認知度が低い。
またスギは販売が低迷しているが、長良杉をなんとかブランドとして売るには何をすべきかを
議論し、付箋に書き出してから、ジャンル毎に分類し、更に深く掘り下げます。
様々な観点での意見が出てきましたが、中通さんに県庁に持ち帰って、今後の施策に反映で
きないか検討して頂く項目は、簡単に記すと以下のようなこと。
(今後の行政施策に影響があるといけないので、詳しくは記しません)
1.長良杉の巨木モデル林設定
2.長良杉の浴槽大作戦
3.長良杉の器とクッション剤による高級志向大作戦
4.長良杉の浮造り大作戦
さて、今回で最終回となった木材の流通と販売戦略、中通さんをはじめ、視察などにご協力
頂きました岐阜県森林組連合会木材ネットワークセンター、林産システム推進センター、東海
木材相互市場サテライト美並、本庄工業株式会社、また親和木材キットハウス展示場、中濃
森林組合などの皆様、大変有り難う御座いました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。