2013年12月3日火曜日

『東濃桧』の里で学ぶ優良材生産

『東濃桧』の里で、加子母優良材生産クラブの方々から学ぶ


 優良材生産でも有名な加子母で、山からの伐採、木材搬出、製材に至る一連の作業を、優良材
生産クラブの方々にご指導頂きました。

 エンジニア科1年生を迎え入れて下さったのは、長年、ヒノキ枝打ち材の生産に取り組んでこられ
た旧加子母村優良材生産クラブの方々。今回も事務局をされている安江正秀さんを通して、現場
指導をお願い致しました。



 本日の現場は、田口林産さんが所有する山林。
 その現場に堕ちていた丸太円盤を手に、天然木の年輪について説明する安江さん。

 
 
 この山は今から25年前に、0.5haの皆伐で売り上げ5,000万円であった。
 
 
 
 現在110年~120年生主体の天然生林を、今回は間伐して欲しいと田口林産さんから請け負わ
れ、予測ではその時の木材は6mの五寸角無節材も採れるそうです。
 
 120mほどのラジキャリで集材していますが、加子母は路網密度が高いためユニックやクレーン
集材が主流です。
 
 
 
今回の現場は架線集材による補助金の関係もあり、ラジキャリで搬出しており、見本で運搬をして
頂きました。ここは利用間伐中心で、12cm~16cmの立木を残し、それよりも大きそうなものを伐採
していました。
 
 学生に安江さんが、ラジキャリで全幹集材した原木の年輪や色合いを説明され、一本の原木か
ら「3m材2玉採ると材積はどれほどになるか」質問されました。森を測るで再三、材積計算してきた
はずなのに、現場で聞くと2倍以上の材積を回答してしまう学生も多い! 
 

 集材したものはすべて、樹高5~6m高まで枝打ちされているので、玉切った輪切り円盤に枝打ち
跡を出して、学生に説明して下さいました。

 樹皮による枝打ち跡の推測についても説明してもらいました。


 昼食には、加子母のケイチャンと野菜たっぷりの汁物をご馳走になり、学生も大満足。
優良材生産クラブの方々との話にも花が咲きます。
 


 午後からは、田口林産の製材工場に移動し、枝打ちされた丸太について説明を受けました。



 この工場では東濃桧」の特徴である、製材二度挽きを実施されている現場も見られました。
右側の角材は一度製材して乾燥させたもの左側の角材は二度挽きした製品です。



 外に並べられて説明を受けた丸太を、実際に製材機の送材車に載せて製材開始!

 ヒノキの柱を何十年も挽き続けてきた熟練の職人さんが経験をもとに製材してくれます。


 ヒノキの香りが漂う製材されたばかりの角材について、優良材生産クラブの方から説明を受け
針で刺したような小さな穴であるハリムシ跡、樹脂(ヤニ)が固まった跡、節跡などについて学び
ました。


 今回は7本の丸太を製材してみましたが、丸太の状態で優良材に見えても、製材してみると意外
な欠点のみつかる材があることも学びました。

 学生も熱心に耳を傾け、質問をし、メモをとっていました。


 最後に、角材に空いた小さな穴、これがハリムシで跡です。

 枝打ちを急激に実施すると、樹勢が衰えて、キクイムシが進入して穴を開ける。
枝打ちで注意すべきはボタン材だけでなく、急激な枝打ちによるキクイムシもあるのです。

 
 さて、今回は加子母みなさん、山のことも、木材のことも、昼食のことも大変勉強になりました。
有り難うございました。
 
 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。