2014年9月9日火曜日

エンジニア科乗鞍岳登山:あまりにもリアルに感じる自然の厳しさ~その1~



9月4日、5日は、エンジニア科1年生の夏季登山でした。今年は乗鞍岳の登山とその周辺の植生観察とせせらぎ街道沿いの西ウレ峠の植生観察を計画していました。8月の異様な天気は過ぎたものの残念ながら雨に見舞われることになってしまった今回の登山。そこで見たのは厳しい自然の中で耐え生きる植物たちでした。

初日は乗鞍岳登山ということで 朝6時にアカデミーを出発し、飛騨へ向かいます。雨が降ったりやんだりのいや~な天気の中バスは走り、高山を抜け、平湯方面へ走ります。もちろんその間学生らはその後の登山のための体力を温存するため目をつぶり、静かにしています。。乗鞍スカイラインへ入り、少しずつ植生が変わってくる頃、玉木先生による解説が始まりました。冷温帯から亜寒帯へ移る森林分布。赤褐色の樹皮がびろびろに剥がれるダケカンバの林、そして標高2700m近くになるとハイマツが広がるようになります。



畳平のバスターミナルに到着し、登山の準備をします。教員らはルートや目的地の確認。この時すでに雨と風が強くなってきていました。これ以上悪くならないことを祈りながら出発。途中までは車も通行できる整備された道を進みます(こんな標高2800mほどのところも車で来れることに驚きです)。途中の肩の小屋で休憩します。 ここで次第に雨が強くなってきたので、しっかりとレインウェアを着込みます。



最初は元気だった学生らも次第に声が少なくなり、とにかく一歩一歩足を進めます。標高2975mの朝日岳につくころには猛烈な雨風が体を打ち付けるようになりました。このまま本当に進むのか、という疑問もありましたが、行ってダメそうならすぐ引き返そう、ということで乗鞍最高峰の剣ヶ峰を目指します。



標高3026mの剣ヶ峰に無事到着したアカデミー一行ですが、頂上では立っていることも大変なぐらい雨と風が体をたたきつけてきます。とりあえず身を守るために小屋の軒下に避難です。5m先も見えないほどの視界。



当初の計画であれば、360度見渡す限りの絶景を楽しみながら、頂上でお昼をいただく予定でしたが、登頂の感動なんてまったく味わうこともなく、すぐ下山開始です。残念すぎます。下山時は濡れる岩場と時折吹きつける突風で足元をすくわれないように注意しながら下りていきます。


最初に休憩した肩の小屋でお昼休憩。びしょびしょになったレインウェアなどは暖房機の前にかけておきます。自然の厳しさを体験した乗鞍登山でしたが、途中弱音を吐いていた学生らは意外とまだまだ元気。若さというのはこういう時に発揮されますね。

そこから畳平までさらに降りていき、けが人脱落者を出すことなく、無事乗鞍登山は終了しました。そして、バスで宿泊先となる国立乗鞍青少年交流の家まで移動したのでした。