朝から雨が降り、先行きが思いやられましたが、全員が定刻に集合し、やる気満々でした。
美濃市からバスで約2時間かけ、目的地に到着。
慈雲寺の住職を努めておられる小林様が、地域側の受け入れ調整や活動場所を快く提供してくださいました。この活動は、協力してくださる地域の方無くしては成り立ちません。 改めて感謝もうしあげます。
休憩と簡単な地域紹介の後、早々に午前中のプログラムを始めます。
地域内を散歩しながら目についたものや風景、出会った人との会話等、旅人目線で「あるもの探し」をしました。
運よく雨もやみ、気持ちよく1時間30分くらい地域を見て歩くことができました。
設定コースの中間点にある旗鉾伊田木曽神社です。
今回、特に地域の役員さんにお願いして、拝殿の中に入れていただきました。
600年前から途切れることなく行われている「くだがい神事」について、詳しい説明をしてくださいました。
拝殿の裏手には本殿に続く苔むした小道があり、別世界の空気が漂っていました。地域の方でも普段は入れない、特別の場所なのだそうです。
お寺に戻り、昼食です。
少しでもお返しできることとして、地域のお店に弁当をお願いしました。
住職さん手造りのなめこ味噌汁が大好評、御代わり続出でした。
午後のプログラムの準備です。
あるもの探しで撮影したデジカメデータをパソコンに取り込みます。
同時に、あるもの探しで印象に残ったことをメモにしてをマップに貼りこみます。
忙しい作業を終え、発表します。
2グループでした。
地域の方からお話を聞くことができました。
今回ご協力いただいたのは、 椿倉春雄さんです。
椿倉さんは、昨年度、アカデミーの聞き書き授業でも、たいへんお世話になった方です。
最後に、アカデミーの授業で、聞き書きをした学生M君が、その後、旗鉾に伝わる謡(ウタイ)の文化について自主的に聞き取り活動を続け、その記録資料の一部を披露しました。
旗鉾の謡(ウタイ)についてお話しをうかがって半年後、まるでその思いを遂げられたかのように、その方は天に旅立って行かれました。
資料は住職さんを通じてご家族に渡され、一周忌の際にご親族にご披露される予定になっています。
観光で山村に立ち寄ることは簡単にできますが、そこからはうかがい知ることができない奥の方に、住む人の数だけ、地域の生活文化がひっそりと残されています。 大半のものは個人の命と共に消えてしまう運命にありますが、時にこのようなご縁や、熱い思いがつながると、思わぬ形で他者に伝えることがかなう、という、ひとつのうれしい成果事例としてご紹介しました。
以上、山村づくり講座の原島が報告しました。