加藤大吾さんに学ぶ自給を目指す暮らし
JIRIです。
クリエーター科1年・2年生が受講する『森林文化論』、本日はNPO法人都留環境フォーラムの
代表 加藤大吾さんをお迎えして、自給を目指す暮らしについて、森林文化と絡めてお話し頂き
ました。
加藤さんは、山梨県都留市に山林を購入し友人たちと開拓、セルフビルドの国産丸太小屋に
移住。環境教育者、企業研修講師、農家、大学非常勤講師など多彩な分野を持ちながら妻と
4人の子どもと40羽のニワトリと3頭の綿羊と2頭の犬に囲まれ、田んぼや畑を耕作し、生態系
の中で暮らしています。 著書「地球に暮らそう」「やりたいことやってみた」も有名。
すべての話が実体験した生きた話、だからこそ聞いても聞いても飽きない。めっちゃくちゃ面白い。
稲作は1年目から成功しなければ意味がない。アイガモ農法もドジョウ農法もやったが、現在は
やってない。今は自家製の鶏糞、羊の糞、馬糞を入れる。
米作りに成功すると、近所のおじやんやおばちゃんが、「家の田んぼも使ってくれ」という、農業
ができると分かると、老人達の方が話しかけてくる。・・・なるほどと感心するような話が続く。
麦も作るがすべてを長期間にわたって家族やゲストで食べるために、製麺所に持ち込んで
「うどん」をつくり、最後まで食べ尽くす。
「生態系の中に自分を位置づける」 ニワトリ小屋で次の世代が産まれれば、卵と肉の生産は
一応のめどがつく。 ニワトリは午前中に卵を産むため午前中は餌を与えるが、午後2時には
小屋の入り口を開けて、ニワトリたちは山で虫や草を食べて、夕方には小屋に帰ってくる。
ニワトリの飼い方や、食べるべきニワトリの見方、何もかもが実践に基づく興味深い話。
こうした生活を通して、「豊かさとは何か」を考える。
海外から来る研修生達にも「違う豊かさに気づく」こと、「どのような国づくりをしたいのか」を
尋ねる。おじいちゃん達が経験したような生活、それは貧しいものだったのか?いや違う。
価値観の尺度をどこに置くのか?
肉は獣害を及ぼすイノシシからも得られる。ならば猟師をやれば良い。
初めての地域に入る(住む)ためには、多くのものを与えてもらえるが、それに相当するものを
地域に与えなければ意味がない。
「もらうのは簡単」でも重要なのは、「どれだけあがられるか?」なのだ。
これは人の関係だけではない。生きるものすべてに通ずることではないか?
加藤さんは「3.11」の時、東京で震災を経験し、翌日山梨の自宅に帰ると、自分の家は何も
変わらない生活だった。当然、食べ物はある。燃料の薪もある。水もある。
豊かな生活とは何か?・・・・・学生達はことある毎に、加藤さんが投げかける問いかけに応じ
議論し始める。
あなたは「どう生きて行きたいのか?」
多様性は必要だが、その多様性を受け入れることが重要。言葉では簡単だがこれが難しい。
もしもどこかの地域にはいるなら、「土地は購入すべき」。自分自身への覚悟と周囲の反応に
大きな変化が生まれる。
そして、加藤さんから何度目かの投げかけ、
①「自分のやりたいことは何か」 わくわくすること。
②「最も気にしている時事問題は何か」
③「あなたに最も心寄せている人は誰か」 自分の人生に寄り添ってくれる期待は何か?
上記の①~③の回答から見えてくるもの何か?
一歩踏み出したいけど、踏み出せない。その「一歩」を止めているのは何か?
→ なかなか意識化できない。
それにしても加藤大吾さん、話がとにかく飽きない。ぐいぐいのめり込む。 生きた話の凄さ!
わが森林文化アカデミーの卒業生もお世話になっていますが、今回は在校生も大変良いお話
しが聞けましたこと、深く感謝致します。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。