した」シリーズ第一回に紹介した植物が「ミツマタ」でした。今から9年前
のことです。あれから毎年ミツマタはアカデミーの中庭で花を咲かせ続けて
いるのですが、今年花を咲かせているいつもの株を何気なく覗き込んだとき
に、面白いものをみつけました。
その前に、ミツマタの名前の由来をご存知でしょうか。それは枝が三叉状に
分岐するからです。観察した中庭の個体ではほとんどが三つ叉になって
います。昨年伸びた枝(水色の矢印)も、その前に伸びた枝(黄色の矢印)
も、三叉分岐ですね。これは非常にわかりやすいネーミングです。
当然ですが、植物の名前は(学名も含めて)植物の特徴を捉えてつけられた、
わかりやすい名前ばかりではありません。ですから名が体を表すミツマタ
のようなケースは植物を覚える方にとってはありがたいですね。
話を戻しますが、よくみると、中には枝が五つに分かれているものや、七つ
に分かれているものがありました。これでは「イツマタ」か、「ナナマタ」
と呼ばねばなりません。これは「石化」もしくは「帯化」と呼ばれ、何らか
の理由で枝の頂端に成長点が並んでしまい、芽吹いた枝が癒着したまま伸び
てしまったため、帯のように見える現象です。このような現象は他の植物で
も知られていますが、ケイトウの例が有名です。樹木では珍しいように思い
ますが、私は以前マルバアオダモで帯化したものをみたことがあります。
この帯化したミツマタの枝はなんだか骸骨の手のように見えますね。
ちなみに調べてみると頂端の芽の数は一つ、二つ、三つの場合がありました。
一つの芽が芽吹くとそのまま前年の枝に続いてまっすぐ伸びますし、
三つの場合は三つ叉の枝になります。しかし、二つの芽が頂端についている
枝は少なく、ほとんどありませんでした。なぜ三つ叉にするとよいのか、何
の得があるのか理由はわかりません。少なくとも二股はダメ・・ってことで
はないでしょうが・・・。
こんな細かいことが気になる方は、ぜひ森林文化アカデミーへ!