2013年2月28日木曜日

「農山村へ向かう若者たち」とこの国の未来図を考える

2008年のリーマンショックから続く日本経済の不況や大学生の就職難、
2011年の東日本大震災で露わになった都市の利便性や巨大技術の危うさ。
こうした社会情況を受けて、今、農山村へ向かう若者たちが増えています。
都市社会からのドロップアウトではなく、未来志向の価値観や自分らしい
ライフスタイルの実現を目ざす新しい動きが加速しているように感じます。

森林文化アカデミーでは、「農山村サポーター交流会in岐阜」と題して、
「農山村へ向かう若者たち」をテーマに掲げて、こうした社会の潮流、
実践者の声、受入れ側の意見、そして地域や若者の未来図を語り合う
フォーラムを開催します。















参加予定者は、総務省の「地域おこし協力隊」「集落支援員」や自治体の類似
制度でⅠターンした若者たち、自らの判断で岐阜県にUターンした若者たち、
そして受け入れ窓口となっている行政職員や地域団体/NPOの関係者など。
こうした動きに共感し応援してくださる"大人たち"の参加も歓迎します。

さらに今回は、岐阜県内で「協力隊」などの人材受入れを既に行っている
郡上市明宝のNPO法人ななしんぼ、高山市のNPO法人ソムニードなどの
地元団体、総務省の派遣事業のモデルとなった「緑のふるさと協力隊」の
実施団体であるNPO法人地球緑化センター、「地域サポート人」の全国組織
である地域サポート人ネットワーク全国協議会からも講演者・助言者をお招き
しています。どんなワークショップになるか、今から楽しみです。

申込み数はすでに30人を越えましたが、宿泊収容数には若干の余裕があり、
交流会場は広い部屋をとってありますので、今からでも参加申込みができます。

【開催概要】
日程:平成25年3月19日(火)~20日(祝) 1泊2日
会場:森林文化アカデミー テクニカルA
人数:30~50名
      (派遣隊員、受入れ市町村・NPO等の担当者、地元の若者グループなど)
費用:参加費 2,000円(保険料を含む/部分参加割引きはありません)
     懇親会費は(飲み物持ち寄りで)別に1,000円程度かかります。
     コテージ(宿泊研修棟)に宿泊希望者はシーツ代1,000円かかります。
     2日目の朝食は各自で持参または近所のモーニングをご案内します。
主催:岐阜県立森林文化アカデミー
共催:中間支援組織・NPO法人ななしんぼ
後援 NPO法人地球緑化センター
       地域サポート人ネットワーク全国協議会
協力:ハーフ山村地域ネットワーク


☆プログラムやゲストなど詳細情報は下記から↓
http://www.forest.ac.jp/shougai_pdf/H250319nousansonsapo.pdf

問合せ・申込みは、山村づくり講座(嵯峨または原島)までどうぞ。
E-mail saga@forest.ac.jp 、TEL/FAX 0575-35-3880

2013年2月25日月曜日

自分の力で木の引き出し作ったよ! 小学校の木の引き出し作り


木の国山の国の岐阜県ならば、子どもたちが毎日触れる小学校の引き出しは、プラスチックではなく、「木」であって欲しい。。

そんな願いからはじまった「木の引き出しプロジェクト」

アカデミーのものづくり講座の学生と、環境教育の講師ナバとの
異色コラボで実現しました。

木育総合演習という授業の中で進めていたこの授業、
ものづくりの学生にとっては、今までの学びを覆すような
相当ショッキングな 授業だったことでしょう。

何しろ、予定調和された講座ではなく、
子ども達の「やりたい」「つくりたい」をいかに実現させてやれるか出たとこ勝負のワークショップでした。





「楽しい木工」
「家庭で気軽に再現できる木工」
「またやりたいと思える木工」
「自分の力で作り上げたという満足感を得られる木工」

をテーマに実施しました。

ワークショップ当日、まずは道具と慣れ親しむことから始まります。受付終了後、ノコギリを使って木の名札を作るところからはじまり、 音楽に合わせてトンカチをたたく体験や、異なる樹種(固い~柔らかい)のたたき具合の比較、ノコギリのリズム体験などからスタート。






その後、自分で机の引き出しの空間のサイズを測る体験をし、
そして材料の木(引き出しのためにサイズを合わせた木材ではなく、ホームセンターによくある規格材のサイズ)に合わせて設計していくという日曜大工の現場でリアルに遭遇する現場を参加者に体験してもらいました。

何よりも、当日の棟梁は、子どもたち。

手ぬぐいのをかぶり、鉛筆を耳に挟んで、主役として活躍してくれました。

最後は、森の一部を引き出しにつけるというデコレーションを施し、材料をくれた森の神様に感謝してワークショップは終了。

自力で引き出しを作り上げたという子どもたちの満足な顔を見ることができました。




今後もこうした活動続いていくことを祈っています。

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
講師 ナバこと萩原裕作 










24年度 第16回 施業プランナー育成研修 事業予定発表 最終

 平成24年度の第16回「施業プランナー育成研修」

  施業プランナーになるべく、5月から合計16回(宿泊研修を含めると17日)の研修を実施してきた
成果を発表する「事業予定発表」をもって、約10ヶ月に及ぶ研修が終了となります。


 

 発表は岐阜中央森林組合、㈱遠藤造林、(有)美山木材、いび森林資源活用センター
協同組合、揖斐郡森林組合、(社)岐阜県森林公社、中濃森林組合、郡上森林組合、
八百津町森林組合、恵那市森林組合、付知町森林組合、恵南森林組合、付知土建
株式会社、小坂町森林組合、飛騨高山森林組合、飛騨市森林組合、㈱長瀬土建、
㈱林工務店の方々18名。

 各自が集約化した現場の事業計画や進捗状況を報告しました。評価のポイントは集約化や施業
提案、目標林型、収支計算、進捗管理など様々なポイントがありますが、そもそも「経営計画」に
結びつくようなものになっていなくては意味がありません。


 県庁森林整備課の長沼課長も多忙な中、発表会のためお越し下さり、研修受講者にエールを送
って下さいました。

 
 今回は女性のプランナー受講者もあり、なんと森林文化アカデミーの卒業生の方です。女性進出
の少ないこの分野、大変貴重な紅一点なのです。
 彼女の勤務する森林組合では、板材として製材できる木材生産を主目的に、目標林型を定め
て、伐採業者に不良木を中心とした間伐を依頼する事業内容となっていました。
 一部の利用間伐では収入が見込めないことや、立地条件が黒ボク土壌であることなど、様々な
難問をかかえる現場で苦慮していました。
 
 
 
 ある建設業の方は、建設業としてではなく、林業の会社としての新しい第一歩を踏み出す覚悟を
もって取り組んでおられる内容を示して下さり、素材生産費は13,500円/m3とまだまだ高いものの
、「シルブの森」ソフトによる検討やホイール式グラップルの利用など、将来性のある取り組みを紹
介してくれました。
 
 
 各自、集約化した森林での路網計画や間伐計画を図などで説明していきます。多くの発表者が
路網の線形に苦慮し、発表者によっては架線系(スイングヤーダ、タワーヤーダ、ラジキャリ)や
従来からの集材架線を組み入れて発表しました。
 
 
 
 
 
 
 発表者によっては、2枚上の写真のように、急傾斜地に無理矢理作業路を開設して、路網延長を
稼いだ事業地もあり、未立木地のつづくような「つづら折り作業路」に対して、横井先生から厳しい
指摘というか、当然のような指摘を受ける人もいました。
 現場を管理監督しながらの仕事、本人も相当悩んで実施した現場であったことを考えると、今回
の反省をふまええて、次回はより良い作業道の検討をしてくれるものと期待しています。
 
 
  今回は建設業界が設立した協同組合の他に、林建協働による発表も3件ありました。
林建協働とは例えば森林組合と建設業が協働で実施するもので、建設業の方々は作業を開設や
工程管理などの面で、林業分野よりもしっかりした面が多々見られました
 
 しかし建設業の方達によると、「これまで建設関係の座談会では多くの方が参加するのが常識
あったが、林業のための座談会を開催しても参加者は本当に少ない。19人に対するご案内で
6しかお越しにならず、愕然とした。森林や林業に対する関心の低さを改めて感じた。」
 
 との意見も出ました。
 
 
 建設業の人たちは、林業に対してある意味無用な先入観が無く、施業プランナーで習得された考
え方や技術を駆使して、提案型集約化施業に取り組んで下さっています。
 
 
 
 多くの林業事業体の人たちと違って、目標林型自体の理解度も高く、現実可能かどうかはさてお
き、写真のようなシミュレーションもある程度描いて、所有者説明できるレベルにまで来ています。
 

 



 最後の発表者は飛騨の岩佐さんでした。岩佐さんの現場は10~12齢級のスギ林が多く、この林
で胸高直径50cm、樹高24m、立木密度455本/haの林分を目指しています。

 
 
 岩佐さんはシミュレーションの中で、最終的にどれくらいの収入が得られるのかをA材・B材・
C材に分けて計算したものの、対象地は搬出できないような林分が多く、切り捨て間伐になってし
まうことや、所有者の理解が得られにくいこと、があることも発表されました。
 
 あわせて今後は広葉樹の活用も組合として取り組み、同時に森林環境税などの事業支援も視野
にいれて活動していきたいと発表されました。
 
 
 
 こうした発表の中でも、普及員を代表として高井AGさんが、森林環境税導入の可能性について
良いアドバイスをされ、発表を通して多くの研修者が森林環境税の利用に光を見い出す一面もあ
りました。
 
 
 最後に県庁森林整備課の高井森林経営対策監、上級森林施業プランナー候補生の恵南森林組
合の戸根さん、そして講師陣の横井教授、杉本助教からも講評を頂きました。
 写真は恵南森林組合の戸根さんで、先輩として大変有り難いお言葉を頂いたのです。
 
 
 最後は研修受講者が森林文化アカデミー篠田学長から修了証を授与され、記念撮影です。
研修者と篠田学長、横井教授、杉本助教、そして川尻が一緒に写真に収まったのです。
 
 プランナー受講生の皆さん、これからが本番です。多くの後輩の見本となるべく、頑張って下さ
い。
 
 最後に、研修を受講されました皆様、研修に送り出して下さった会社の皆様、講師陣を努めて下
さった業界の皆様、そして研修をバックアップして下さった県庁、森林研究所、森林文化アカデミー
の皆様、本当に有り難う御座いました。
 また川尻個人的には、最後まで良く動いて下さった下野技術主査やTAの佐藤さん、渕上さんに
も感謝致します。
 
 以上、報告JIRIこと川尻秀樹でした。また、5月にお会いしましょう。

2013年2月23日土曜日

みのプレーパーク通信 「竹バームクーヘン喰わへん?」



月曜日のプレーパークでたき火を囲んでいた時のこと。
まさなおのお母さん、かっちゃんから素敵な提案が!
「うちにホットケーキの粉がいっぱいあるんだけど
バームクーヘンとかできないかな??」

子どももリーダーも他のお母さんもみんなで即答!
「やりたいっ!!」

そして今日のプレーパークでついに実現♪

子どもたちでどうやって焼くか相談して、準備。
もちろん、オトナが教えたりなんかしません。
自分達で考えてやるからいいんです。





火をおこして、
ホットケーキの粉に卵と牛乳を入れてまぜまぜ、
竹をセットして回しながら生地をたらして焼きます。

リズムを合わせて
ぐるぐるぐるぐる~  ぐるぐるぐるっぐる~~

なかなか焼けない・・・

でも子どもたちの目から「早く食べたい」の気持ちがあふれ出しています。
「もう焼けてるよ!食べちゃおう!」とひとりの子が言いだして
みんなで指ですくってペロペロなめちゃいました。甘くておいしいけど、「バームクーヘンというかクリームみたいだね」なんて笑っちゃいました。


2回目に挑戦!
今度は根気強い女の子たちがじっくりじっくり焼いていきます。
(1回目に焼いていた男の子たちはすっかり疲れてもうほかの遊びに夢中・・・それもまたプレーパークのいいところ。)

火が弱いのかな?回すのが早すぎるのかな?
生地がやわらかいのかな?
相談しながらいろいろ試してみます。

途中で味見したい気持ちをぐっとこらえて
ぐるぐるぐるぐる~
ぐるぐるぐるぐる~~

プレーパークの終わりの時間まで丹念に焼きあげて
ようやく完成!今度はちゃんと層ができた!




最後に子どもも大人もみんなで一緒に、
ほっかほかの竹バームクーヘンをおいしくいただきました。
大人が思うように上手に焼くのではなく、
自分達で考えて、失敗を重ねて自分の力でつくる。
そんなことを大切にしたいと思っています。

子どもも大人も「やりたい!」と思ったことに
挑戦している姿は本当にキラキラしていました。


見ているこっちも楽しくなっちゃいます。
こんな空間と時間を、もっともっとみんなで一緒に創っていきたいな~。

クリエーター科 1年生
齊藤 なつき 談

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
講師 ナバこと萩原裕作 編

2013年2月20日水曜日

卒業生が教えてくれる 

エンジニア科環境のコースで森のようちえんを研究して卒業し
その後保育士の資格をとりに短大に入っていた卒業生のひーちゃんが
本日、課題研究発表会の見学と、4月からの保育園就職の報告に来てくれました。


そこでせっかくなので、現役学生を連れてお昼ご飯を一緒に食べにいきました。

現役学生のひとりがちょうど将来保育士の資格をとろうかどうか迷って
いたので、先輩のひーちゃんは、 アカデミーで自分が学んだこと、
保育士の勉強について、実習で行った保育現場のことなど、丁寧に
説明してくれてました。

2年とはいえ、しっかりと成長していた彼を見てうれしくも思い、
そしてまた、卒業生も一緒になって学生の教育をしてくれている
アカデミーってやっぱりいいですね。

自然体験活動・インタープリター養成コース
講師 ナバこと 萩原裕作


2013年2月19日火曜日

つながる森サロン(”つな森”)通信  「新プロジェクト続々誕生」

「受け手から伝え手に」そして「創造と実践」をモットーに活動中の
生涯学習講座ステップ3 「つながる森サロン(つな森)」の定例会議(毎月)が本日ありました。

いつものように「それぞれの活動報告」「お知らせ」「やりたいこと」「話し合いたいこと」
がメンバーから次々と出され、ワイワイ意見を交換したり、互いの専門からのコメントを出したり、
といつものように積極的な話し合いが夜22時までみっちりと行われました。

本日の目玉は、来年度の生涯学習講座で配るサロンのチラシ案の作成、来年度から始まる
 ヒートベンチづくりの計画、そして 伐られてしまったクスノキやサクラ、あまり使われてない
アベマキの活用を考えるプロジェクトでした。


チラシ案作成では、メンバーが先日大学生からのダメだしをしっかりと改善し用意したチラシ
原稿をプロジェクターで写しながらコメントを皆でチェックし即原稿完成!見事なできばえでした。
このチラシをつくりながら、サロンに対しての皆の思いも共有できたような気がします。

また、美濃加茂で道路拡張のために伐られてしまったクスノキや畑のとなりのサクラが伐られる
予定で、それらの木を活用するためのプロジェクトについても話し合い、さっそく来月に
ワークショップの開催が決定。何をするにも行動が早いのが「つな森」の特徴でもあります。

他にも「竹林の問題」「炭焼き」「木のおもちゃ」についても熱い意見が交換されました。

ちなみに昨年度、このサロンから数々の「地域のための」活動が誕生しています。
いろんな考え、バックグラウンドを持った人が、「森と木」というキーワードに対して意見を
交換しながら行動するので新たな視点と挑戦、そしてワクワクがあふれかえってます。

同席したアカデミー生も、つな森メンバーの行動力と社会を見る視点にさぞかし刺激を受けたことでしょう。

ということで、つな森今後もどんどん活動を広げていく予定です。
来年度のチラシもそろそろ完成?
興味のある方、サロンに是非お越し下さい。

「つな森サロン」世話人(お世話しきれてませんが…。)

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
講師 ナバこと 萩原裕作


一般公開 森林文化アカデミー課題研究発表会

森林文化アカデミー課題研究発表会
                                                (場所:アカデミー情報センター)



 一般公開されてます。

 森林文化アカデミー課題研究発表会、 今日はエンジニア科の発表会、明日と明後日はクリエーター科の発表会で、一般の方も随時傍聴、質門何でもあり。

  明日以降は

●木造建築(20日)
  1.木造建築における予防法学の実践
  2.住宅に於ける太陽熱の直接利用時の効果と注意点

●山村づくり(20日)
  田舎の長男流里山遊び

●林業再生(20日)
  1.未利用間伐材をお金に換える方法
  2.MTBを利用した林業活性化を考える
  3.集約化とレンタル機械
  4.組織活性化のための見える化システムの構築
  5.工務店への国産剤利用の提案
  6.国産材の魅力を活かすための木材販売

●ものづくり(21日)
  1.女性が身近に木工を楽しむための提案
  2.地産地消の木のおもちゃを作る取り組みと可能性
  3.ものづくり講座にできること
  4.木のサプリメントオブジェの提案       です。

 誰でも聞くことができますので、是非、お越し下さい。  
何か分からないことがあれば、川尻秀樹までお問い合わせ下さい。

願書受付始まりました。


今年春の入学に間に合う最後の入試の願書受付が始まりました。
3月5日(火)必着です。
入学をご検討の方はお急ぎください。


 学生募集要項はこちらからダウンロードできます。

 入学試験料の支払いには岐阜県収入証紙(困難な場合はゆうちょ銀行の普通為替)が必要となります。早めの準備をお願いします。

平成24年度課題研究公表会が始まりました

本日より3日間、森林文化アカデミーの課題研究公表会が行われます。 課題研究とは、大学でいうところの卒業研究にあたるものです。 1日目の今日は「森と木のエンジニア科」の学生による発表が行われています。
 


午前中の前半は、 子どもが活動する空間の安全管理についての研究や竹林の整備と竹資源に関する研究、先祖から受け継がれてきた実家の山林の施業に関する研究、環境教育の視点からの施設への提案、アカデミー内に植栽されている植物の水ストレスによる衰退度の研究などの研究公表が行われました。




学生の発表後にはアカデミー教員からの鋭い質問や外部の方からの感想をいただく場面もありました。
この後も、チェンソーや高性能林業機械、間伐や伐倒、獣害などの林業に関する研究や木材に関する研究や、植物の多様性に関するもの、里山など生活に近い場所に関連した研究や木育についてなど、多様な分野の発表が行われます。
 
また、明日2月20日(水)、 明後日2月21日(木)は「森と木のクリエーター科」学生による公表が行われます。
 
2月20日(水)9:00~16:00頃まで 「木造建築講座」→「山村づくり講座」→「林業再生講座」の順で行います。
2月21日(木)9:00~12:00頃まで 「ものづくり講座」が行います。
 
一般の方にもご覧いただけますので、「森の情報センター」まで、どうぞお越しください。
(会場の都合上、席に限りがあります。)
お待ちしております。

森のようちえん通信 「雨ハトモダチ」


「寒いね~」とか「雨やだね~」なんて言ってるの誰ですか?

手が凍っちゃうくらい冷たい雨が降り続いていた昨日の演習林で、森のようちえん「森のだんごむし」の子どもたちはいつものように

というより…

いつもよりハイテンションで森の中を一日中走り回ってました。

だって、大好きな水が、水たまりが、そして朝積もったみぞれが
た~くさん、使い放題な上に、空からまだまだ降ってくるんですもの。。

子どもと水は大の仲良し。





水溜りでジャブジャブ
バケツで水あつめ、
空に向かって口をあけて雨水飲み、
水のかけあいっこ
さいごははだしで駆けずり回ってる子も。。

でもこれ、みなさんも小さい頃に経験あるんじゃないでしょうか。





私たちオトナもあの頃のように、雨や水と分け隔てなく遊べるようになると、なんだかもっと楽しくなりそうですね。

大人になると、ついつい、そういうことから遠ざかってしまっているような気がします。

身体全体で、雨や水と遊びつくす子ども達がうらやましく、最後は、一緒になって水のかけあいっこしてはしゃぎまわっていたナバでした。。。



自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
講師 ナバこと萩原裕作

2013年2月16日土曜日

こんなん咲いてました91


朝には自動車の窓ガラスが凍っているような日でも、日中にちょっと日が差すと暖かく感じるようになってきました。ぽかぽか陽気に誘われて咲いている花もあるのでしょうか?

とはいえ、2月はまだ冬です。この時期に咲いている花は流石に限られています。
特に樹木で2月に花を咲かせているのは、ヤブツバキとサザンカくらい。これはせっかく花をつけても、花粉を運んでくれる昆虫がまだ活動していないため、とされています。ヤブツバキとサザンカは鳥が花粉を媒介してくれるので、寒くても咲いているのですね。哺乳類は恒温動物だけど、虫は変温動物だから寒さに弱いのだなー、人間哺乳類のくせに寒い朝は布団から出られないもんなー。怠けもんだな虫も−。

などと考えながらアカデミーの近所を歩いていると(暇なヤツと思われるかもしれませんが野外で学生相手に追試なので仕事中です)、満開のシナマンサク(中国原産:植栽)に出会いました。一面に咲き誇る黄色い花の下に立っていると、あたりはブンブンというニホンミツバチの羽音でいっぱいです。寒い日が続く中、わずかな陽気をみつけて巣穴から出てきたのでしょう、寸暇を惜しんで蜜や花粉を集めています。怠け者呼ばわりしてごめんなさい。



後ろ脚には花粉だんごもついていますね。花粉を蜜で練ってだんごにしたものです。巣に持ち帰って幼虫の餌にするので、花粉を媒介して欲しい植物にとっては若干迷惑な行為かもしれませんが、すべての花粉が餌になるわけではないのでちゃんと受粉はされるようです。



そういえば今は二十四節気のうち、立春です。寒さも底をつき、これからは少しずつ暖かい日が増える、つまり、今は寒い中まさに春の種が芽生えている時季なんですね。蜜蜂が教えてくれたのどかな光景は、立春にふさわしい小さな春でした。

2013年2月14日木曜日

山村づくり講座コロキウム  「里山の生活と生物多様性」(後編)


授業「コロキウム」の紹介、後編です。
コロキウムの時間に行った食事メニューアンケートによって、現代に生きる我々は非常に多くの種類の生き物を食べて暮らしていることが明らかになりました。しかし、それは外国や日本の遠く離れた生産地から、様々な食材を居ながらにして手にすることができるようになったことを反映しているだけかもしれません。それは真に豊かな暮らしと言えるのでしょうか? 現代に暮らす我々は実際に目の前の自然から恵みを受けた経験がどれだけあるのでしょう?

と、いうことで、二つ目のお題は、今まで食べたことのあるもので、「買ってきた物でない食材」かつ「誰がどうやってとってきたものかわかるもの」を挙げなさい、です。要するに「手の届く範囲の自然から食べ物を得る経験」の有無ですね。

班ごとに分かれて用紙に記入していきます


結果は、野生の動植物に限ると、20歳以下の年代で平均25種、21歳以上の学生は平均58種でした。やはり成人の方が、若い人よりも多くの生き物を喰らった経験をお持ちのようです。これは育った環境や、人と自然のつながりが変化していることを表しているのかもしれません。

20歳以下の若者を出身地別にみると、山村34種、ハーフ山村37種、ニュータウン11種、都会19種と、居住地が自然に囲まれているほど、身近な自然から多くの食材を得ている傾向がわかりました。ちなみにグループごとに挙げてもらった食材の生物数を足し合わせたとき、最も多かった分類群は、魚類で140種、次いで植物の80種、菌類(キノコ等)が19種の順でした。釣りが趣味の学生がいた班で特に魚類の種数が増えるという傾向が・・・。

岐阜県ならではの特徴として、すべての班で昆虫を食べていることが挙げられます。これは年代や地域を問わない傾向でした。班によっては、イナゴ・オオスズメバチ・アシナガバチ・クロスズメバチ(ヘボ)の4種類を挙げていたところも・・・。まさに地域の食文化ですね。海のない岐阜県では、昆虫は貴重な蛋白源だったと言われています。


最後に岐阜県の田舎で戦前にどのような食物を食べていたのか、食材はどこから調達していたのか、聞き書きを元にした文献を使ってお話しました。昔は食材は地元の自然や畑からとれるものが中心で、交易によって手に入れていたものは昆布や煮干しなど、海産物が中心でした。山か平野部か、立地に応じて食べているものが違い、食材も地域の自然や食文化を反映していたのですね。

食材を追うことで、里山の暮らしは、まさに地域の自然と地域の文化が融合して成り立っていたことがわかりました。山村づくり講座では、自然科学系と社会科学系の学びを融合させ、総合的に地域を活性化する視点を探るべくこれからも活動を続けていきます。

みのプレーパーク通信 「バレンタインデー前夜の告白!?」


昨日のプレーパークでの出来事です。

ひびきちゃんが、チクチク縫いものをしているのを見ていた私のところに、まさる君がモジモジと恥ずかしそうに寄ってきて、でも真剣な顔して一言…

「ナバさん、10年後、森林文化アカデミーで勉強したいです。」

そのあと、風がふわ~っと吹いて、
ひびきちゃんは、チクチクチクチク…。

バレンタインデー前夜、
ちょっぴり早めの、でもそれはそれはウレシイ告白でした。


10年後、楽しみにしていますよ。
それまで、いっぱい森の中で遊んでおいてね。


自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
講師 ナバこと 萩原裕作 




グルメで礼儀正しいシロアリ(木造建築病理学詳細調査)

2月12日と13日に続けて詳細調査です。今回は、いつもと違って解体作業まで行います。

まずは初日。
いつものように、建物を詳細に見て回り、表面からわかる範囲で、シミやへこみ、腐れなどの異常個所がないか念入りに調査します。小屋裏ももちろん侵入して、探針調査を行います。学生の山崎君も頑張っています。


そして二日目。 
ここからが、いつもの詳細調査と違います。調査した建物は解体が決まっているため、初日に異常が見つかった箇所が具体的にどんな様子なのかを解体して確認できました。
また表面異常が見つからなかった箇所でも不具合があるかも確認します。

朝から、外壁や床をはがして、構造を見れるようにしたうえで建物全体を調査します。
前日に軋みがあった箇所をはがしてみると、

・・・・

ありました

蟻道です。

何ごともなかった場所にもいくつか出てきます。


 中には、くっきりとトンネル状の蟻道も確認できました。
シロアリは乾燥に弱いので、風があたると死んでしまいます。そのため、エサ(おいしい木材)に近づくまでトンネルをつくって接近します。それが蟻道です。
床下の地面から、おいしいフローリングまで続いています。シロアリはグルメなので、まずそうな外材には見向きもしません。


また、外壁をはがしてみると、例にもれず玄関横の柱の足元が完全にやられていました。
シロアリは礼儀正しいので、だいたいは玄関から入ってくることが多いです。


拡大してみると

・・・

まだ、なんか活動しています。

あれっ、シロアリでなくて小さな黒蟻です。
グルメなシロアリが食べきったところに巣をつくっているようです。


表面から調査した後で、解体して実際どうだったか見れる機会はなかなかないので貴重な体験でした。
山崎君も、今回初めて見るものが多かったのではないかと思います。
腐朽菌やシロアリの生態がわかってくると、新築、改修問わず、どこに気を付けていけばいいのか考えられるようになります。

2013年2月13日水曜日

山村づくり講座コロキウム 「里山の生活と生物多様性」(前編)

 ずいぶん時間が経ってしまいましたが、先月行われた「コロキウム」という授業の紹介をしたいと思います。「コロキウム」は、全学生参加で行われている授業で、各講座持ち回りでそれぞれの講座の特徴を反映し、多彩な内容が提供されています。アカデミーらしい授業のひとつと言えます。

 山村づくり講座の特徴は、社会科学系と自然科学系の学びを融合させ、総合的に地域を活性化する視点を持つ人材を育成することです。今回のコロキウムのテーマは「里山の生活と生物多様性」。とかく敬遠されがちな(?)「生物多様性」に関する概念も、身近な話題から考えて行くと実感できるかもしれません。

 まず会場の学生を出身地でグループ分け。都市都会←→山村という軸だけでなく、「ハーフ山村」という新しい概念も出てきて、みんな混乱気味? でも学生にとっては自分の育ってきた環境について考えるきっかけになっていたようです。



 そのほか、「お正月のお雑煮について」や「餅の形」などでグループ分けをして、それぞれの地域の食文化について考えました。


 さて、ここから先が本番です。一つ目のお題は、「我々はどれだけ多くの生き物を食べているか?」です。学生を年代と出身地で班分けし、それぞれの班で食べた今朝の朝食と昨晩の夕食のメニューを出し合ってもらいました。そのうえで、メニューを食材に分解、さらに食材を元になっている生物に分解してもらいます。

 たとえば、味噌汁(メニュー)→味噌(食材)+豆腐(食材)+小松菜(食材)+煮干し(食材)→ダイズ(植物)+コウジカビ(菌類)+コマツナ(植物)+カタクチイワシ(魚類)、といった感じです。つまりお味噌汁というメニューは4種の生物からできているということになります。

 結果ですが、最高記録を叩きだした人は、朝食37種+夕食15種でした! 我々は思ったよりもかなり多くの種類の生物を食べているようです。ちなみに愛知県の給食の献立から調べた年間の食材生物種の数は、1951年30種、1973年34種、1984年で57種です。給食は年間を通じての種数なので、個人の一日の夕食と朝食では直接の比較はできませんが、それにしても多いですね。つまり現代の我々は昔に比べて非常に多くの生物のお世話になっていることがわかりました。

 この食材のケースのように、人間が生態系から得ている利益のことを「生態系サービス」といい、生物多様性が重要であるひとつの根拠とされています。なぜなら生物の種数の少ない(生物多様性の低い)生態系からは、限られた食材しか得られないからです。

ちなみに一人暮らしの学生で朝食を抜いている人が多いことも判明! みんな朝食は食べて来ようね。


 ここで終わってしまっては、テーマのうちの半分を消化したに過ぎません。
非常に多くの生き物のお世話になっている我々ですが、実際に直接自然から恵みを受けているんでしょうか? 記事が長くなったので、そのあたりは次回後編にて紹介しようと思います。

2013年2月12日火曜日

県内初!「プレーリーダー研修会」オトナもコドモもおおはしゃぎ!



2月10日(日)~11日(祝)、アカデミーの短期技術研修×「みのプレーパークの会」×美濃市との3者による共催イベント「プレーリーダー養成研修会」が行われました。

実は、県内でプレーリーダーの養成が行われるのは、これが初めてです。

当日は、定員を大幅に超える29名もの方が参加しての大盛り上がり。

これからプレーパークを始めたいと思っている方々やすでに始めているという熱い志をもった方々が関市、美濃加茂市、多治見市、そして他県からも(新潟、富山、愛知)参加してくれました。

ゲスト講師は、日本で初めてのプレーパーク、羽根木プレーパークの初代プレーリーダーであり、現在は日本冒険遊び場づくり協会(IPA)の理事をされている、天野秀昭さんです。
 

 




















1日目午前中は、天野さんによる「なぜ今プレーパークが必要か」をテーマにした講演会。午後は、研修会参加者同士、ひとりずつ自己紹介をしながら「今回の目的」「知りたいこと」「課題」を挙げてもらいながら、それに対して、天野さんが答えていくというスタイルで進みました。時間のことなどすっかり忘れ、たっぷり1時間以上はオーバーしながらも天野さんのコメントに真剣に耳を傾けていました。

2日目は、プレーリーダー実習。といってもリーダーの心構え等は昨日お話済みなので、それを体感するということで、なぜかグループで「ベンチづくり」です。

なぜ「ベンチづくり」かというと、「皆のイメージを共有しながら形にしていく」という作業が「プレーパークを皆でつくる」という作業と似ているからです。なので、作るものが目的ではなく、そのプロセスに意味があるのです。なので、べつにベンチでなくてもいいのですが、子どもたちの居場所ということで「ベンチ」にしてみました。


 



















課題を出された参加者は、プレーパークの子どもたちのように、皆で真剣に思い思いのものを創り上げました。なにしろ楽しそうで、真剣で、とても素敵な時間でした。

午後はいよいよホンモノの子ども達がやってきました。来るわ来るわで46名の子ども達がぞろぞろやって来て、おおはしゃぎ!真剣に何かヘンなものをつくる大人たちを横目に、子ども達も自由に遊びます。大人も、子どもも真剣なのがいいですね。

近頃「大人が何かを作る姿を子ども達が見る機会がなくなっている」とは、講師の天野さんのコメント。確かに料理以外、家庭で子ども達が見るのは「消費する大人」の姿だけのようです。















屋根から飛び降りれるベンチも登場。
さっそく子ども達は次々と飛び降ります。


ぽかぽかの陽気の中、真剣に遊び、学んだ29名は、研修会終了後いい顔して家に帰っていきました。「すぐにでもプレーパーク始めます」そんな素敵なコメントもありがたかったです。

また来年もやりましょう。

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
講師 ナバこと萩原 裕作