2013年11月29日金曜日

選木して伐採すると森はこうなりました

今日はヒノキの人工林で、エンジニア科の学生が
選木したところを自分たちで伐採します。

外部講師の江崎先生がフォローしながら伐採です。

伐採するときに重要なのは安全確認です。
声を出して指さし呼称で行います。

安全確認は6原則で、

①伐倒方向よし

②上方よし

③つるがらみよし

③周囲よし

④足元よし

⑤退避場所よし

となります。

実際に指をさして安全確認することが重要で、
単に目で見て確認するよりも、しっかりと意識づけすることができます。


伐倒方向を確認して斜め切りを始めるところです。



これまでは平地での伐採でしたが、斜面での伐採になると、
安定した姿勢を確保するのが難しくなります。安定した姿勢がとれないと
水平切りが出来なかったり、チェンソーの持ち方が不安定になったりと、
うまく伐採することが出来ません。

斜面での伐採が多いですので、斜面で安定した姿勢を保つ足腰の強さ、
バランス感覚を身につけてほしいですね。


さあ、ヒノキの人工林の様子ですが、どう変わったでしょうか。

これが伐採前です。




これが伐採後です。




下層のサカキなどを伐採したことも影響していますが、
かなり林内が明るくなりました。

伐採後の樹冠の様子です。全体的に光が入り、雰囲気がかなり
変わりました。



自分たちでどの木を伐るかを考え、実際に間伐して結果を見る。

これが出来るのも、演習林というフィールドが学校の裏にあるからですね。


ちなみに間伐したヒノキは搬出して、来年の建築の材料にしてもらいます。
次回は、玉切りした材の搬出です。


新しい動きがここで起きている 〜エゴノキ・プロジェクト2013+全国和傘サミット

和傘づくりに欠かせないエゴノキを、森林文化アカデミー・林業関係者・和傘業界が協力して採取する「エゴノキ・プロジェクト2013」を、11/23(土)に実施しました。2回めとなる今年も、目標の500本を上回るエゴノキを集めることができました。

このプロジェクトのことは今まで何度か書いてきました(過去の記事はこちら)。竹骨をつなぐ「傘ロクロ」という部品を作るのにエゴノキが必要なのですが、傘ロクロを作る木工所は日本中で岐南町に一軒しかなく、そこへエゴノキを納入する人も下呂市に一人いるだけでした。その人が去年亡くなり材料の供給がストップする事態になったことから、歌舞伎、日本舞踊、祭礼など、あらゆる日本の伝統文化に欠かせない和傘づくりが存続の危機に立たされたのです。

この危機を乗り越えるために急きょ立ち上げられたのがエゴノキ・プロジェクトですが、ここから新しい動きがいくつも起き始めています。

(1)川上から川下までの連携
今年は約50人が、エゴノキのある美濃市の森に集まりました。森林文化アカデミーからは、林業再生・山村づくり・ものづくりの教員6人と学生18人。専門分野の枠を超えての取り組みです。
地元林業グループの「山の駅ふくべ」からも約10人。軽トラックでの運搬やチェンソーや手鋸での伐採に力を発揮してくれました。

和傘業界からは、東京、神奈川、岐阜、鳥取、広島、徳島、福岡と、日本全国の職人が集まりました。加えて京都から、創業323年と151年の和傘の老舗2軒が参加してくれました。
さらに中濃森林組合、岐阜県林政部、森林文化アカデミーの生涯学習講座の参加者など、有志の人たちの参加もありました。
「川上から川下までのつながり」という表現を私たちはよく使いますが、材料を伐る山側の人たちと、その材料を使う職人さんたち、さらに製品をお客さんに届けるお店の人たちに至るまで、これほど川上から川下までが一緒に一つの課題に取り組む例は珍しいのではないでしょうか。京都の老舗和傘屋さんがこんなことを言っておられました。
「材料を伐る人、傘を作る人、どちらが無くても私たちの商売は成り立ちません。だからお手伝いをしにきました」
「材料があって初めて和傘が作れるということを教えるために息子を連れてきました」
印象に残った言葉です。

(2)持続可能性への取り組み
美濃市の森には非常に良質のエゴノキが密生していることが分かりましたが、日本中の和傘づくりに必要な量を伐り続けられるのか、調査が必要でした。そこで、森林文化アカデミー2年の水島寛人さんが1年間かけて資源量調査を行い、持続的に伐採できる本数を試算してくれました。調査結果は当日発表され、ほぼ毎年500本ずつのエゴノキを伐採できることが明らかになりました。

さらに、今年は4種類の伐採方法を試して、伐採後の更新を観察することにしました。
エゴノキだけを伐採する区画、競争を促すためエゴノキ以外もすべて皆伐する区画、日当たりをよくするため皆伐に加えてササ刈りもする区画、シカに新芽を食われないよう胸の高さで伐る区画、の4つです。
この調査研究は、水島さんの後輩に引き継がれる予定です。このような科学的な知見を取り入れながら森林を利用し、ものづくりに生かしていく活動ができるのは、森林文化アカデミーならではです。

(3)業界のネットワークづくり
全国の和傘職人さん達が美濃に集まるのを機に、エゴノキ・プロジェクトの翌日に「全国和傘サミット」が開かれました。実は和傘業界には横のつながりがほとんどなく、こうして全国の作り手が一同に会するのは初めてのことです。
この会を呼びかけたのは東京の和傘愛好家、関盛孝友さんです。関盛さんは和傘を愛するだけにとどまらず、全国の和傘産地を訪ね歩いて職人さんたちとも交流しています。去年エゴノキの危機を呼びかけた際も、いち早く東京から駆けつけてくれました。関盛さんはこの危機を業界全体で乗り越え、プラスに転じようと和傘サミットを企画し、森林文化アカデミーもお手伝いさせていただきました。

サミットではさまざまな課題が話し合われたほか、それぞれが持ち寄った自作の傘を披露しての交流も行われました。みなさん熱心に細部を見て、写真を撮り、言葉を交わします。まだ1回めですが、ここから何かが始まると予感させてくれるものでした。


サミット後にはみんなでエゴノキを木工所へ運び、傘ロクロづくりを見学。日本中の和傘職人さんがここの部品を使っているのですが、作っている現場を見るのは初めての方も多く、これもよい機会となりました。景気が良く需要がある時は、材料も部品もそれぞれ分業先にまかせておけば成り立っていたのですが、これからはみんながつながり全体で支える、そういう時代になったことを参加者全員が感じたのではないでしょうか。

(4)人材の育成
今回エゴノキ・プロジェクトに参加した中に、来年から和傘職人見習いとして働き始める学生と、傘ロクロづくりの後継者を目指して木工を学んでいる学生がいます。森林文化アカデミーがエゴノキ・プロジェクトを機に和傘業界とつながりができたことから、この分野を志す学生が現れました。こうして伝統工芸の業界と連携して、これからも材料供給の支援や人材育成の支援を行なっていければと思っています。

エゴノキ・プロジェクトは来年以降も続きます。
エゴノキの切り株から新芽が出てくるように、ここから次々と新しい動きが生まれるよう、活動を大切に育てていきたいと思います。

「タンタカタンきゃんぷ」始まるよ!



毎年恒例となった森林文化アカデミーの夏と冬の自然教室。今年も12月20日(金)の夜から22日(日)の夕方までの2泊3日で小学生1年生から6年生を対象に実施します。

毎年、この自然教室はアカデミーで環境教育を専攻している学生が中心となって企画運営されています。テーマもすべて学生が決めるから多種多様でオモシロイんです。
森が共通のキーワードではありますが、
「自由」がテーマだったり
「タンザニア」がテーマだったり
「暮らし」がテーマだったり。。。







そして今年の冬は

「音とリズム」がテーマだそうです。

自然の中にある音やリズム
自分の中にある音やリズム
耳を傾け、表現してみよう!

というのがねらい。




すでにお申し込みが来始めてますが、〆切は12月5日。詳しくは、以下ご覧ください。(メール、ファックス、郵送でお申し込みできます。)
ただし、申し込み多数の場合は抽選となりますのでご了承ください。

<タンタカタンきゃんぷ 概要>

♪キャンプの目標♪
みんなで自然体験をしながら、普段あまり感じない森の音を意識したり、自分の音、好きな音を鳴らして自由な音楽を作ってみる。言葉以外の表現でお互いを意識しながら一つの音楽を作り上げることで協調性や自己表現の楽しさを学ぶ。

♪キャンプ予定♪
1日目:キャンプの仲間と出会う。夜の森の音に耳を澄ます。自分でも音をならしてみる!
2日目:森に入って楽器の材料探し♪自分の好きな音をつくっちゃおう!
3日目:みんなが作った音を森の中で合奏しよう!

♪申し込み方法♪
以下の①~⑩の内容をご記入の上、郵送FAXまたはEメールでお申込みください。(12月5日()必着)
兄弟姉妹でお申し込みの場合は、参加者全員分をご記入ください。
①参加者住所 ②参加者氏名(ふりがな) ③生年月日(西暦) ④性別 ⑤保護者氏名(ふりがな) 
⑥参加者との続柄 ⑦学校名 ⑧学年 ⑨電話番号とFAX番号 ⑩PCまたは携帯メールアドレス

♪申し込み先♪
郵送先:〒501-3714 岐阜県美濃市曽代88番地
                岐阜県立森林文化アカデミー内「タンタカタンきゃんぷ」係
                FAX:0575-35-3891  Email:mic88@hotmail.co.jp

♪結果連絡♪
お申込みいただいた方全員に129日(月)頃までに抽選結果を郵送いたします。
参加決定者にはキャンプ参加用資料も合わせてお送りいたします。9日を過ぎても連絡がない場合はお手数ですが下記問い合わせ先までお問い合わせください。


♪お問い合わせ先♪
みのインタープリタークラブ「タンタカタンきゃんぷ」係
  TEL/FAX:0575-35-3891  Email: mic88@hotmail.co.jp
※授業で電話に出られないことが多いため、なるべくFAXまたはメールでお問い合わせ下さい。




自然体験活動指導者
インタープリター養成コース
なんちゃってせんせい
萩原ナバ裕作






消防訓練を実施しました。


平成25年11月28日 午後

森林文化アカデミーでは、中濃消防組合美濃消防署のご協力を得て消防訓練を実施しました。 

初期消火にあたる教員
美濃消防署から消防車到着
消火器の取扱いについて美濃消防署からご指導をいただきました。

これから益々寒くなり、暖房器具を使う機会が増えますが、みなさん火の元には十分注意しましょう。

2013年11月28日木曜日

カホンが木の上に!? いやいや実は…


カホンが木の上に?と思いきや

実はコレ、
ずいぶんと前に豊田エコの森で開催されたワークショップで作ってきたムササビの巣箱なんです。

普通、生きものの巣箱を設置するには目的がいろいろあります。よかれと思いながらも、実は生き物たちに対するマイナス面もいくつかあるので要注意!

今回は、アカデミーを訪れる人たちが気軽にムササビと遭遇できる場所づくりをしたい、森には、リスやムササビなど動物たちが一緒に暮らしていることを学生や一般の人たちに意識してもらいたい、学生の調査・観察や学びの現場のひとつになってほしい、といった教育的な理由で作ったものです。




が。。。。

連日、秋のイベントのドタバタに追われ(言い訳ですね)
設置するタイミングがなかなか作れずに昨日となってしまいました。

ずいぶんと遅れたこともあり、悔しいのでついでにもう一つ作成。今度は、製材の際に出る端材を使って、隙間だらけのでも愛嬌のある巣箱を30分程度で作り上げ、学生と一緒に持って上がりました。

ズッシリと重い荷物や道具を持って
演習林を歩き回りながら、

「どこにつけたら入ってくれそうかなぁ」
「この木からなら滑空しやすそうだなぁ」
「どうやってつけたらいいかなぁ」


真剣にムササビの気持ちになりながら学生と場所を選びます。下に落ちてるフンや、痕跡、爪痕なども頼りに良さそうな場所を探します。


子どもたちが観察(待ち伏せ)しやすいということも条件のひとつでもあります。

最終的に演習林内の3カ所に設置。
あとはムササビが入ってくれるのを待つのみです。

ちなみに、この巣箱からは温度計がついてます。
巣箱の中と外の温度が計れる仕組みになっていて、
中にムササビが入っているかどうかその温度差で
分かる(あくまで目安ですが)そうです。

このシステムもまたエコの森のインタープリターの
ヒゲさんのアイデア。ヒゲさんは動物や自然をじっくりと観察し、仮説を立て、検証しと、トライ&エラーを何度も繰り返しながらこうしたアイデアを次々と(今なお)考案され続けています。素晴らしいインタープリターですね。






さてさていったいムササビたちは入ってくれるのでしょうか。どの巣箱に入ってくれるのでしょうか。

ボロボロ、隙間だらけの巣箱が好まれる、とか
巣箱の出来よりも場所が大事、とか
いろいろな説があります。

この巣箱の穴からムササビが顔を出すのを見られるようになる日が楽しみですね。

皆さんも、アカデミーの演習林でこの巣箱を見つけたら
下にある温度計の温度差をチェックしてみてください。
条件にもよりますが、3度以上温度差あるとムササビが中に
いるかもしれないそうです。

そしてもしいたらナバかIPコースの学生に報告してくださいね。




自然体験活動指導者
インタープリター養成コース
なんちゃってせんせい
萩原ナバ裕作







2013年11月26日火曜日

森林組合が駆使する森林GIS

森林GISの使い方


 昨日に引き続き、林業再生講座1年生は森林GISを学びました。

 最初は森林文化アカデミーの情報処理室で岐阜県建設研究センターの県域統合型GISの操作
を体験し、その後にJIRIの教員部屋でGIS概論と、GPSと組み合わせるためのレーザーコンパス
測量について学びました。


 講義終了後は駐車場で、レーザーコンパスによる測量を実施。
学生3人がそれぞれ、レーザーコンパス担当・反射板担当・野帳記入担当に分かれて、3回測量
しました。


 測量が終了したら、データを情報処理室に持ち込み、測量結果を検証します。
手持ちの不安定な状態ながら、全員が1/150以上の精度でした。

 このレーザーコンパスの測量データと起点のGPSデータを合致させれば、GISデータ として図面
上に表示できます。



 午後からは、郡上森林組合に出向き原雅人さんから「森林組合におけるGIS、GPSの活用に
ついて」と題して指導を受けました。

 郡上森林組合のある郡上市総面積の約90%(92,599ha)が森林であり、人工林は
約49,900ha(人工林率53.8%)、郡上森林組合の組合員数は約7,300人、職員総人員110名ほどの
組合です。


 郡上森林組合は平成23年度は2,853ha(間伐2,432ha、下刈り141ha、枝打ち59ha、新植18haなど)
に及ぶ森林整備を実施していましたが、経営計画導入と同時に約800haほどに低下したそうです。

 それまで切り捨て間伐でも良かった森林整備が、利用間伐中心になったためです。

 この時、郡上森林組合ではGISデータが充実していたことで、計画変更が比較的楽にできたそう
です。



 デファレンシャルGPSを利用したり、GISソフトにファルコンやArcGIS、ジッタなどを利用している
現状や、地形によるGPS感度の問題など、森林組合ならではの問題点を教えてもらいました。

 

 郡上市には1,900の林班、約180,000の小班があり、郡上森林組合ではそのほとんどについて
データを入力してあります。
 上の写真は郡上市全体の地図(林小班)が映し出されていますが、黄色い部分は森林所有者の
30~40%しか同意が得られていない。赤い部分は50%以上同意が得られている。

 経営計画では林班の50%以上の同意が必要なので、GIS処理されていれば一目瞭然。


 集約化の段階で、路線沿い片側30m幅で利用間伐した場合の予想収穫量もGISデータがあれ
ば、簡単に示すことができます。

 郡上森林組合では森林所有者立ち会いの下、境界確定する際にGPS測定もするそうですが、
葉のよく茂った時期よりも落葉期の方が精度が高くなるそうです。

 さて、今回も郡上森林組合と原雅人さんには大変お世話になりました。有り難う御座いました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
 

 

 
 

丸太カットによる造材練習。真っ直ぐ切れるかな!?

エンジニア科1年、木材の伐採と搬出です。

チェンソー作業に、初めのころに比べるとかなり慣れてきましたが、
まだ正確にガイドバーやアクセルをコントロール出来ていません。
午前中は、ひたすら丸太カットを通した練習です。



外部講師として江崎先生に来て頂いています。
江崎先生には、先月の架線集材でもお世話になりました。


ちなみに江崎先生は、「林業新知識」という雑誌で「プロが教える 山の技入門」
ということで、ナタやノコの使い方、道の作り方までいろいろ紹介しています(9月号〜)




だいたい1cm以内で丸太カットを行い、真っ直ぐ切れているか
そうでないかを確認します。真っ直ぐきれないと、うまく造材できないので、
とても大事な作業です。



午後からは、チルホール設置の実技テストと、
伐採のデモストレーションです。


現場は前回の川尻先生、横井先生の授業で、
プロットを測り、測量した現場です。



ピンクのテープが間伐木で、自分たちが選木した木です。


今日はデモストレーションで非常勤講師の江崎先生が伐採します。



チェンソーの動かし方、つるの残し方、受け口、追い口の位置など、
実際のプロの作業を見て勉強していきます。


さあ、明日は自分たちで伐採していきます。

里山プロジェクト実習

クリエータ科の山村づくり講座の「里山プロジェクト実習」では,里山の資源の利用やそこに生息する生物と人との関わりについて学びます。昨日の里山プロジェクト実習では,多治見市のハナノキの自生地へ行き,自生地の整備を行いました。

ハナノキは岐阜県から愛知県,長野県に分布するカエデの仲間で絶滅が危惧されています。その原因の一つには,里山に手が加わらなくなったことによる植生遷移が挙げられます。ハナノキは明るい湿地で更新するため,そのような環境が保たれないと更新できないのです。今回は自生地の下刈りを行うことで,明るい環境を作ることにしました。

昨日は雨の予報でしたが,なんとか午前中は天気がもち,作業を行うことができました。下刈りをしている間に,これまで気付いていなかったハナノキの実生由来の個体を複数見つけることができました。

次回の里山プロジェクト実習は竹林整備です。お楽しみに!

2013年11月25日月曜日

岐阜県庁で森林GIS(治山防災GISと森林情報システム)を学ぶ

治山防災GISと森林情報システムを学ぶ



  クリエーター科林業再生講座1年生の「森林情報」、この科目では林業で利用される森林GIS
中心に岐阜県庁で行政が利用するGISや森林組合のGISなど、様々な森林情報システムについて
学びます。

 今回は県庁の農山村GISルームで、治山課の梶浦さんに「治山防災GIS」について、林政課の
川村さんに「岐阜県における森林GIS」について、講義と演習をして頂ました。



 梶浦さんからは、治山事業の概要から開設して頂き、治山の役割や治山事業について、また
治山GISの活用としての災害報告、計画策定・管理、治山ダム工設計支援、治山ダム工の放水
計算・安定計算、治山施設・治山台帳管理、産地災害危険地区管理機能、解析機能について
詳しく説明を受けました。


 上の写真で、小流域の渓流を選択するとその集水面積を自動的に測定表示(青線で囲まれた部
分)、そこに一定の降雨があって土砂が流出するのを予測解析します。


 シミュレーションすると、上の写真の青色網掛けしたような場所に土砂が発生する可能性が予測
されました。これには(1)斜面傾斜、(2)降水量、(3)土層深から氾濫域を推測しており、実際の
災害との的中率は8割ほどとのこと。

 こうしたGISはCADと違って、属性データによって見落としなく予測でき、こうした予測をすることで
地域住民が理解しやすく、かつ事業も円滑にすすめることができるそうです。
 岐阜県では県下の治山施設約70,000施設をこの治山防災GISで管理しています。


 次ぎに、林政課の川村さんから、森林GISについて講義と演習を実施して頂きました。
GISとは何か。その周辺技術は、岐阜県における森林GISの歩みから、森林文化アカデミー周辺を
サンプルに演習も実施手もらいました。


 
 森林GISと森林計画との関係から始まり、岐阜県の森林・林業施策の基礎資料としての活用事
例や現場での活用事例、森林施業計画での活用事例、造林補助金申請などでの活用事例、林道
などでの活用事例を学びました。


 最後に森林GISの利点  『何度もシミュレーションでき、視覚的に判りやすい』 ことだと、
川村さんからお話しがありました。

 今回は川村さん、梶浦さん、岐阜県林政部のみなさま、お世話になりました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。


馬瀬川のアジメ漁、山の神、土室や風穴を訪ねて「里山ふれあいマップ」基礎調査


今年の地域計画法演習は、下呂市の馬瀬地域を対象に展開しています。「馬瀬里山ミュージアム」づくりへの第一歩として「里山ふれあいマップ」を作成するために、住民集会でお聞きした馬瀬の良い所をGPS端末で位置情報を記録しながらデジカメで撮影する調査を行っています。

第2回調査の11月19日。最初は、馬瀬川上流漁業協同組合長Oさんのご案内により、伝統的な漁法である「登りえ漁」を実地で見せていただきました。伏流水が湧き出ている河原に「アジメ穴」と言われる直径1mほどの穴を掘り、写真中央にある「登りえ」という漁具を沈めて、越冬のために川から上がってきたアジメドジョウが「登りえ」に入っていたころを見計らって引き上げ、アジメドジョウを捕まえる漁法です。馬瀬では今でも12~13人の方が漁を行っています。


 
続いて、アスナロの大木の根元に置かれた「山の神」に案内していただきました。「山の神」周辺は以前は森林でうっそうとし、サルがよく出没していましたが、里山の整備をした後はサルが来なくなったとのこと。獣害対策には人の手を入れることが重要であると改めて感じました。
 


午後も、モデル地区となるN集落を歩いて、あるもの探しを行いました。これは蚕の土室(ドムロ)。蚕の幼虫を土室で一括して温度管理して、孵化させたら周辺の地区の養蚕農家へ配る所。現在は物置になっていましたが、歴史を感じさせる建物でした。



ここは、とあるグループの憩いの場「彦ちゃんハウス」。薪ストーブや炭焼き釜が置かれており、「男の隠れ家」みたいな場所になっていました。外部には年に1回だけイベントで開放しているとのこと。炭焼き体験などでもっと多く利用できるのではないかと思いました。
 
 
 
最後は馬瀬北部にある風穴を見学しました。岩の間からいかにも冷気が出ている雰囲気で、周辺の岩は苔むしており、神秘的な感じ(パワースポット)でした。
 


今後は今回見学したスポットを参考にして「里山ふれあいマップ」づくりを行っていく予定です。地域計画法演習では、今回の授業だけでなく、これからも馬瀬と関わり続けていく予定です。今後も授業の内容を随時お知らせいていきたいと思います。

 
報告  山村づくり講座1年 最賀 哲司


「我が家の建物性能チェック」&「グリーンウッドワークの積み木づくり」参加者を追加募集します

森林文化アカデミー生涯学習講座では以下2講座への参加者を追加募集しています。

【ひとりでできる『我が家』の建物性能チェック(2回の連続講座)】
(開催日:12月7日(土)・1月11日(土))

住まい手自身が自宅などの建物性能(耐震・温熱など)を自らチェックできるようになることを目的に、手法編・チェック編の2回に分けて開催します。

内容について詳しくは → こちら





【グリーンウッドワークの木育講座 人力の道具で丸太から積み木をつくる】
(開催日:12月8日(日))

グリーンウッドワークとは、「足踏みろくろ」や「削り馬」など人力の道具を用いて、生の木を削って、小物や家具をつくる木工です。電気を使わないので、環境にやさしく安全で、健康にもよい楽しい木工として注目を集めています。
今回は、積み木をつくります。自由な発想であなただけの形の積み木をつくります。(写真は一例です)
内容について詳しくは → こちら


どちらも先着順で定員になり次第締め切ります。


お申し込みは → 「建物性能チェック」は  申込フォーム  から
            「積み木づくり」は グリーンウッドワーク協会 へどうぞ
                       (グリーンウッドワーク協会HP)