2011年9月30日金曜日

メンテナンス講習二日目【長野林大交流授業】

今日は高性能林業機械メンテナンス講習の二日目です。

午前中は,フォワーダのメンテナンスを行いました。
昨日の座学での話を思い出しながら,作動油,エンジンオイル,足回りのチェックなどを行いました。

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メンテが早く終了したので,運転操作の実習です。
グラップル部分を見ると,小さいな木片を挟んでいるのが分かるでしょうか?
細かい動作ができないと,小さいものは掴めません。
前回の講習でも運転したので,ある程度操作に慣れた様子です。

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午後からは,プロセッサのメンテナンスを行いました。
足回りをよく見ると,なにか漏れた跡を発見しました。
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��.匂いから作動油か,燃料か,水かを調べます。
��.漏れた位置,漏れの広がり具合などから,原因箇所を特定していきます。
注意深く観察したところ,左後ろの走行モーター近くから作動油が漏れていることが判明しました。おそらくホースの損傷ではないかと思われます。
ちょうど実習用の機械が壊れていたのですが,メンテナンス講習のよい教材になりました。

これは,機械の上に上って,エンジンオイル等のチェックをしています。
燃料フィルターの構造や,ベルトの張りの修正方法について教えてもらいました。

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明日は最終日で,午前中にメンテナンス講習を行った後,修了式を行う予定です。


2011年9月29日木曜日

高性能林業機械メンテナンス講習【長野林大交流授業】

昨日から長野林大との交流授業が始まりました。
前回は高性能林業機械の操作実習でしたが,今回は機械メンテナンス講習です。
期間は,金曜日までの3日間です。

場所は,3日間とも塩尻市の林業総合センターです。

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今日は午前,午後ともに会議室でメンテナンスについての座学です。
講師は,日本の林業機械メーカーであるイワフジ工業の方に来て頂きました。

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フォワーダ,タワーヤーダ,プロセッサについてのメンテナンス講習を行いました。
始業前点検,終了点検,定例点検の重要性について説明して頂きました。

始業前点検では,特に
��.エンジンオイル
��.作動油
��.冷却水
を点検することが重要です。

もし作動油が無くなったまま運転すると,
ポンプが破損し,その破片が油圧系統に回ってしまいます。
修理に出すと,油圧系統をすべて洗浄するのですが,全部の破片をとりきれないそうです。
したがって,一度ポンプが破損してしまうと,再び故障するリスクが高くなります。

作動油に限らず,
基本的なメンテナンスを適切な時期に行うことが機械を長持ちさせる秘訣だと,
講師の方が強調されていました。

この点は自家用車も同じです。
林業機械は,一歩間違えれば重大事故につながる可能性があります。
事故を減らすためにも,メンテナンスをきっちり行うことの重要性を再認識しました

これは,運転席からプロセッサ本体へ電気信号を送るための,
送信機と受信機の説明をして頂いている写真です。

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運転席の操作が,どのように本体へ伝わるのか教えて頂きました。
今日は,実際に機械を前にしてメンテナンスの仕方を教えて頂く予定です。


毎年恒例の餅つき(自力建設)

自力建設の上棟式前の恒例行事:餅つきを今年もしました。

��年生が工事(建て方)に専念できるようにサポートするのは、先輩の二年生。
朝昼晩の食事準備から、こまごまとしたサポートまで、表に出ませんが、彼らあっての建て方です。

その裏方の仕事の中でも一大イベントが餅つきです。
早朝、一年生が工事に向かった後、昨夜から準備したもち米を蒸し、いよいよ開始です。
指導いただくのは、昨年までアカデミーの面倒を見ていただいていた近藤さん。毎年、お願いしています。
餅つきもプロ級の腕前。
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蒸し方から、こね方までいろいろ教えて頂きます。
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だいぶ餅らしくなってきました。
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大事なのは、最初のコネ。通りがかりのナバさんにも手伝って頂きました。
他にも、通りがかった教職員、学生を捕まえては、手伝っていただきました。
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最後の餅つきは学長にお願いしました。
いろいろな方の思いが詰まった餅がつきあがりました。
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まるめるのも結構難しい。個性豊かな餅達です。

明日29日は13時から、上棟式です。
この餅たちを建物から四周にまくイベントもあります。中にはお宝も入っているかも・・・。
ぜひ、時間のある方はご参加ください。


2011年9月28日水曜日

建て方2日目(自力建設2011:森のインターチェンジ)

二日目の今日。


いつもより時間は早く8時に作業開始。

少し肌寒いなか始まりました。

まだ頭は起きているか怪しい状態。

昨日で、床と柱までは出来上がりこんな状態に。
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すでにいかつい・・・


そして今日は斜材と梁、母屋をかけ屋根の部分をやっていきました。

これは非常に厄介でした。

何よりも梁の位置は頭より上。

手が届かん!!


てことでT字の専用棒を作成
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でもこれがまた非常に重い。
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でもどうしようもないので男が4人ほどで必死で持ち上げました。

これがそのむさくるしい映像です。
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いやでも冗談抜きで、必死でした。




でも・・・なぜか隙間ができる斜め材。


ミスです。


立てたままの状態で調整。
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穴を開けたり、少し埋めたりしながらなんとかOK!!


これで一加工分。

どことなく前のめりになる架構。

ひっぱれー
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(6M以上の高さです)

こんな感じで本当に一架構分が終了ー!!


で、残りも同じように必死に建てました。

今度は順に間をつないでいきます。

もちろん高さがないのでこのゆれる梁の上での作業・・・

こんな設計してごめんなさいと言いたくなるほどの危険な作業。
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でもこれがずーっと続きます。
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ひっぱりすぎて、建物全体が浮きました。
いやほんまに!!
恐怖です。(足元を固めてないので・・・)

柱も抜けるので込み栓を打つかという事に・・・でも高いよね。


棟梁身軽!!
するすると木の上に。
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最後は足場板を上にまで持っていって、はみ出しながら作業。

ゆらゆらしながらの作業でみんないやな汗をいっぱいかきました。

今日はここまで。

後は1通りだけ。そして垂木をかければ上棟式です!!
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記:堤(木造建築講座1年)

吉野林業地を視察しました

 9月19日~21日の3日間、横井先生と林業再生講座の1年生4人は授業の一環で
「森林施業研究会現地検討会(奈良合宿)」に参加してきました。奈良県吉野という
全国有数の林業地を見学してきましたので、その様子をご紹介します。
 
 その前に少し「吉野林業」についてご紹介します。吉野林業といわれている地域は
奈良県の中部を流れている吉野川上流域にある川上村、東吉野村、黒滝村の3村で
構成されている地域を指します。吉野地方では古くから人工造林が行われ、1500年頃
��室町時代!!)に川上村で造林が行われた記録が残っているそうです。さすがに
その時代から残っている林はありませんが、200年生や250年生の人工林を見学して
きたので写真と合わせてご覧下さい。


1日目[9月19日(月)]

 台風15号の直撃が心配される中、奈良県へ出発。
 到着して、まずは奈良県黒滝村で山守※をされている大西さんに90年生や120年生の
人工林を紹介していただきました。

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 吉野では密植して年輪幅の狭い木材をつくることを目的に人工林をつくってきました。
もちろんそのままでは樹が成長できないので間伐を行い、最初1ha当たり6500本植えた
林を120年生では1ha当たり約300本にまで本数を減らします。40年生、50年生の人工林
しか見たことがなかったので、100年生を越える人工林は人工林ではないような不思議な
林でした。

 そして、驚いたことに間伐した材はヘリコプターで集めるとのことです。木材の単価が
高い吉野ならではの集材方法です。

※吉野では「山守制度」といって、山の所有者と管理者が別という方法がとられています。
山守さんは山林の保護管理、経営を山林所有者(山持ちさん)の代わりに行っています。

2日目[9月20日(火)]

 2日目は昨日も案内してくださった大西さんに、250年生のスギの伐採跡地を見せていた
だきました。

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 吉野では伐採後丸太をすぐに市場に運ぶのではなく、6~12ヵ月は林内に放置し「渋抜き
��葉枯らし)」を行います。葉が付いている穂先が斜面の上になるように倒し自然乾燥すると
木材の色が良くなるそうです。

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 250年生のスギ。同級生の野村君がこんなに小さく見えます(黄色い服の人が見えますか?)。

 午後は清光林業さん(アカデミーの卒業生が2名働いていらっしゃいます)の人工林を見学
しました。

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 清光林業さんでは従来のヘリコプター集材に加え、材価の安い若齢の間伐材は林道を
つくって搬出しています。伝統的な吉野林業をやりながら、低コストで仕事をすることにも力を
入れている企業さんです。時代に合わせて林業の経営方法を変える。しかし伝統は守る
という姿を拝見し、とても勉強になりました。

3日目[9月21日(水)]

 最終日です。当初の予定では大台ケ原(奈良県南部上北山村)でシカの食害などを
見学する予定でしたが、台風15号の影響で断念。本日は予定変更で市場と樽丸工場を
見学しました。

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 こちらは「競(せり)」の様子です。吉野では競で木材の値段を決めています(岐阜県の
木材市場の多くは入札という形で木材の価格を決めています)。競人が「さ~いこうか、
2万円、2万5千いこうか、2万5千円。ちゃりん♪(値段が決定したら鐘を鳴らす)」というように、
魚市場のような掛け声で、リズム良く次から次へと木材価格を決定していきます。入札だと
紙に希望の値段を書いて木材を購入するという方法なので、競人が必要なく、いつでも
どこでもできるというメリットがありますが、売れない木材も出てきてしまうそうです。競をする
ことで、売れ残りがないというメリットはありますが、競ができる人が必要ということで最近では
競をしない市場が全国的には多いそうです。どちらがいいというのははっきり言えないそうですが、
あの競のリズムが聞けなくなるのは何だか寂しい気もするので、木材の競が残っている吉野は
貴重な存在だと思いました。

 最後に樽丸作りの工場を訪れました。樽丸とは酒樽の材料である吉野杉を樽の測板の
形に割った材料のことです。

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 完成品の「樽丸」。樽作りを行っている大阪の伊丹などに送るそうです。
 
 「樽丸」作りの工程をご紹介します。

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 まず丸太を割ります。今は機械で丸太を割るそうですが、昔は写真のように丸太に”大割包丁”や
“ヨキ(斧)”を刺して、その上から木ヅチで叩いて割っていたそうです。吉野杉は繊維がキレイに
通っているので、意外と力を入れずに割れるとのこと。

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 次に職人さんが先程割った木片をさらに5分割して“クレ”という板をつくっていきます。
 そのクレの厚さをそろえて出来上がりです。

 この削り方、どこかで見たことがある!と思ったら、アカデミーの木工の先生、久津輪先生が
行っている「グリーンウッドワーク」と同じような方法です。久津輪先生はグリーンウッドワークを
イギリスから学んだそうですが、日本でも昔からこのようなスタイルで木を削っていたのですね。
 
 これで奈良合宿全行程が終了しました。
 200年を越えるスギを見たり、木材市場を見学したり、樽丸づくりの職人技を見たり、吉野林業
大満喫の3日間でした。

☆おまけ☆

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 1日目、2日目の夜(夕飯を食べた後)にセミナーが行われた際の横井先生です。こんなラフな
姿で講義をする横井先生を初めて見ました!しかもこの写真、夜21:30に撮影・・・。参加者は
森林総合研究所の研究者や大学教授が多く、皆さん夜まで熱く議論されていました。

 今回の合宿では有名林業地の見学ができただけではなく、専門家の方から仕事の話や林業の
話を聞くことのできた大変貴重な体験でした。

��林業再生講座1年 吉川)




実技試験の様子

エンジニア科1年生の森づくり実習の実技試験を行いました。
試験科目は、刃物研ぎ(磨ぎ上がりのチェック)と、基本的なロープワーク4種の実演です。

だいぶ前からなんども研いで事前の指導を受けていた学生はすんなりと合格したようです。 研ぎにかける時間を惜しむと、容赦なく研ぎ直しの指示が飛びます!また、切れる刃の仕上がりイメージを持てなかった人には、細かい手直しが求められます。

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期限は本日中なので、昼休みを惜しんで再挑戦している学生もいます。

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何度も手直しをし、ようやく合格をもらいました。

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ロープワークの実技は、校舎の裏山で行いました。

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もやい結び、ネジ結び、引き解き結び、巻き結びの4種をスムースに出来れば合格です。IMG_4634.JPG

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実習に出席するだけではなく、基本の技術を身に付けてもらうために行なった試験でしたが、復習や確認が出来たようです。

                                   by 原島


平成23年度 第6回 施業プランナー ステップアップ研修

平成23年度 施業プランナー ステップアップ研修 の第6回目の研修を森林文化アカデミーと美濃市神洞の現場で開催しました。

今回のテーマは「路網開設と濁水発生メカニズム、濁水防止手法」で、メイン講師は森林研究所の専門研究員である臼田さんです。

施業集約化し、効率よく伐採、集運材するには路網が不可欠です。しかし、ややもすると森林整備や利用間伐のために作設した路網自体が災害の原因になることもしばしばです。

今後30年以上のスパンで森林の計画を見て行く上で、環境に負荷の少ない路網は重要なポイントとなります。

��.路網整備による主な環境負荷としては
(1)水質(水生生物、養魚場、漁場、取水施設など)
(2)生態系(野生生物の行動圏の分断、動植物の消滅、種子吹きつけなど外来種の進入)

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講義の中では、岐阜県の清流を代表するアマゴの産卵事例や、アユ(鮎)の主食となる藻類への影響など、詳しく説明されました。

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コンピュータソフトのカシミールをつかえば、対象林分の施業図(1/5000)に路網開設危険区域や小流域の集水面積も簡単に表示することができます。
写真では傾斜が急で、地質的にも危険な場所を黄色に色分けした事例が紹介されています。

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��.環境への影響の緩和(ミティゲーション)
(1)回避、(2)最小化、(3)修正、(4)低減、(5)代償 があるが、実際には回避と低減を優先して検討し、どうしても残る環境影響に対する代償措置が必要かどうかの検討を実施する。

��.濁水の調査方法は、
(1)濃度測定、(2)濁度測定、(3)透視度測定 がある。

一般的なのは精製水1リットル中に標準物質(カリオンまたはホルマジン)1mgを含む場合と同程度の濁りを「濁度1度」とします。
ちなみに水道水でも0.4くらいです。河川が濁っていれば20くらいの数値を示します。

午後からは屋外実習です。
実際に屋外で濁度計測定を実施ます。簡易な判定方法から、常設の濁度測定器まで様々を見せてもらい、自分たち自身で実際に濁った水をつくって測定しました。
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写真の機械は濁度計(タービディメーター)です。

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次に、美濃市神洞の作業道開設現場に移動。
平成21年度末に完成した作業路の路面に間伐木の枝条を敷いた場合、開設のままの場合など、路面が何かに覆われているか否かで、路面の土砂の流出量が違うことを試験している現場を見学し、臼田さんからさまざまな説明を受けました。路面からの流出土砂量は想像以上に多いことに気づかされました。

路面勾配10度(18%)の路面全体をヒノキの枝条で被覆すると、流出土砂量は1/50に減少し、また路面の土砂を緩衝するための緩衝林帯としては50m程度必要なことも分かってきました。

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次に、一般的な工事では「切取法面」や「盛り土法面」は種子吹きつけによる緑化が実施されることが多いのですが、
(1)法面吹きつけしても植生がうまくできなかったり
(2)吹きつけが冬になってしまい、発芽に時間がかかるうちに法面から崩落が発生したり
(3)吹き付けて成長した草がニホンジカの格好の餌になっていたり
様々な問題があります。

そこで、「多機能フィルター」という養生マットを法面に被覆して、単に「土羽打ち」しただけの場合と比較していました。多機能フィルター設置場所はまったく浸食されていませんが、種子吹きつけの法面は開設以来4cmも浸食され、その土石が路面に堆積しています。

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最後に濁度計の設定された谷(沢)に施された「洗い越し」を見学です。谷部は規定面より2m近く低くなっていたので、コルゲート管やコンクリートボックスを入れて路面を作るのも一案ですが、単価的に洗い越しが安かったようです。

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次回のステップアップ研修は来年1月です。それまでみなさん、各職場で抱えた問題を再精査し、さらなるステップアップを目指す予定です。

報告 ジリさんこと川尻秀樹でした。

自力建設、順調?に建て方中

昨日からはじまった、自力建設:森のインターチェンジですが、順調に進んでいます。
設計者兼素人棟梁11代目の伊東さんも、自ら玄能をもって込み栓を叩き込んでいます。
写真ではわかりませんが、結構高いところです。
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順調と思いきや、ところどころミス発覚。
木匠塾の寺洞先生も屋根に登り、修正する姿も・・・。同じ箇所を下から学生も修正中。こういったミスの対応が、本当に良い勉強になります。
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一番難解な端部のフレームもなんとか掛け終わり、主なフレームの形が見えてきました。
全体の姿は、ぜひ29日13時からの上棟式で見てください。
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