この研修の企画、ちょっと工夫を凝らしました! それは・・・
3つのニーズを組み合わせたこと。
まず、木のおもちゃや食器を使う人のニーズ。「木の食器やおもちゃには、どんな塗装をすればいいんですか」という質問を、とても多く受けます。木製品は無塗装で使うこともできますが、幼稚園や保育園などでは、見た目を楽しくカラフルにしたり、汚れを防いだりしたいもの。その際、子供が触ったり舐めたりしても大丈夫かは気になるところです。
2つ目は、木のおもちゃを作る人のニーズ。木は自然素材なので、中にはシミが入るなど色の悪い部分があります。そのような部分は商品にできないのですが、着色塗装をすれば欠点を隠すことができます。それだけでなく、防水性を高めるなど性能をアップさせることもできるのです。
3つ目は、塗料を作る人のニーズ。塗料の世界は日進月歩で、より使いやすく、人にも環境にも優しいものへと、どんどん進化しています。しかしそのような最新情報を、メーカーから直接ユーザーへ届ける機会がないのです。
そこでおもちゃを作る人から節やシミがある商品を安く提供していただき、塗料メーカーの方に最新の塗料を持ってきていただき、みんなで塗ってみよう!という企画にしました。
おもちゃは、アカデミーが事務局を務める「ぎふの木のおもちゃ研究会」から生まれた、高山市・白百合工房の「つみぼぼ」です。
講師は愛知県の玄々化学工業の平手さんと加藤さん。自然素材のオイル塗料、水性ウレタン塗料、ガラス塗料の3種類をお持ちいただきました。
塗料の最新情報の講義のあと、実際に塗ってみます。ただの板ではなく、人の形をした「つみぼぼ」に塗るのは楽しいですね。参加者からも笑みがこぼれます。
プロの木工作家さんや、おもちゃコンサルタントの方、材木屋さんなど、たくさんの方に参加していただきましたが、講座のあとの振り返りでは「ふだん得られない情報で、とても勉強になった」と非常に好評でした。
講師からは、最新の塗料のほとんどは食品衛生試験やSTマークの試験をクリアするとのお話がありましたが、「安心・安全」には絶対的な基準はないと考えています。ユーザーが正しい情報を得て、納得できるものを選び、上手に使うことが大切ですね。
1日の講座終了後には、たくさんのカラフル「つみぼぼ」ができあがりました!
最後の写真は、森林文化アカデミーの教員2人(久津輪と和田)による自信作「きりんぼぼ」「すもうぼぼ」「うしぼぼ」です。新しいブームの誕生か?
森林文化アカデミーでは、これからもこのような楽しい研修をいろいろ企画しようと思っています。ご期待ください!