そういう意味では、地域で手に入る材料といえば、今は幅の広い贅沢な広葉樹を入手することは非常に難しくなっています。代わりに供給過多になっているのが杉、ヒノキなどの針葉樹です。柔らかいため強度面など問題があり、家具には不向きといわれ続けてきた針葉樹を積極的に家具作りでも活用していこうという取り組みがあちこちで見られるようになってきましたが、森林文化アカデミーでも針葉樹の家具作りは一つの柱となっています。
そこで、1年生のテーブル制作の授業では、学校のゼミ室で使う1800mm x 900mmの大テーブルをヒノキを使って制作します。ここで使うヒノキは、学校の演習林で伐倒されたものです。テーブル用に製材されたヒノキは乾燥期間を経て、ものづくり学生による加工によって学生たちが使う大きなテーブルになります。地産地消を超えた、自産自消です。
ものづくり1年生にとっては初めての大きな家具製作となるテーブル。構造自体は脚4本と幕板のほぞ組、天板は駒留めというオーソドックスなものですが、2台制作したテーブルは、片方はオイル塗装、もう片方は水性ウレタン塗装を施しました。
右が水性ウレタン塗装、左がオイル塗装。右のテーブルには広範囲に腐れが入っていましたが、あえてテーブルトップとして使いエポキシ樹脂を流し込んで固め、アクセントとしました。
制作日、制作者の名前とともに、材料や塗装方法も記しておきます。
普段使わないヒノキでできたテーブルを普段使い、その使い勝手を検証し、また塗装によって色の変化や汚れのつきやすさなど、どのように違うのか実際に学ぶことができます。
まずは、自分たちで試す。そして改良していく。この姿勢を大事にしていきたいです。
作り終えた学生たちの嬉しそうな姿。いいですね!