2016年1月11日月曜日

「今日は、人生で一番木のことについて考えた1日でした。」byセミナー参加者

年末も押しせまった12月20日。
新企画、 木育指導者セミナー「五感からのアプローチ:聴く」
「日本の森のカラカラづくり」木育WS岐阜県木育推進協議会と共催で開催しました。
師走の忙しい時期にも関わらず、募集開始から10日で満員御礼!
関東圏はもとより、四国高知からの参加者も駆けつけてくれました。


 
 

この研修の最大の特色は、五感の前にカラダを整えること
岐阜県木育推進協議会会員であり、ヨガインストラクターの加藤理香さんが担当。
五感は、入出力のセンサーであり、そのクオリティが重要であることは盛んに言われます。
ここでは、それ以前・・・カラダに注目したいと考えました。
例えば、茶道のように「型」から習う立ち振る舞いの中に日本文化の伝え方があると常々思っていました。
今回は動く禅、動く瞑想とも呼ばれるヨガの力を借り、先ずはカラダを整えるところから入りました。

出来あがった作品はコレ!
皆さん、愛おしくて記念撮影です。


 
 

会場は、千葉県千葉市子育て支援ステーションニッセ。とても素晴らしい施設でした。代表の中村さんは、木育指導者セミナー「園でつかう箱イスづくり」2期生であり、そのご縁で会場をお願いしました。セミナーの学びを活かし、施設の什器の一部を手作りしており感心しました。
撮影台になっているのが手作り什器です。


先ずは、企画をした 松井勅尚から木育概論Ⅱ(ステップアップ概論+日本の木の音・日本人の美意識と音色)のレクチャー。今回は、指導者が自信を持ち教えるための背景をつくることを目的としています。伝えるためには、マニュアルを覚えるだけでは伝わらず、借りてきた言葉ではない・・・指導者は、その厚みを必要とします。
そのような確信から、最も基本である「五感からのアプローチ」シリーズを新たに企画し、先ずは「聴く」から始めようと考えました。




今回は日本の木50樹種を持参。めったに触れることが出来ない多くの樹種をこの機会に体験してもらいました。
その内、制作する樹種は、日本人が聴覚で触れてきた「音の風景」に特化し用意しました。
例えば・・・
拍子木に使うカシ・ヤマザクラ
俎板に使われるホオ・イチョウ・ヒノキ等
8樹種を用意しました。

白の木は世界で一番軽い木、黒い木は日本で一番重い木

ヨガによるカラダを感じるワークの後、筒状の本体の中に入れる種(たね)を、コメ・小豆等5種類の中から選び、フタの樹種と厚みを選ぶことが出来ます。
夫々が目指す「音」に拘り音をつくるワークの時間です。

「材によってこんなにも音が違うとは、改めて木の性質が製品(ラトル)に密接につながっていることを感じました。孫にと思って作ると、とてもワクワクしました。」


「小豆の量やフタの厚みで、随分音の感じが違ったので驚きました。」


種を選び・・・

筒に被せるフタの樹種と厚さを検討中
接着前に振って「音」を確認中



最後は、ひたすらカタチに拘り、紙やすりで成形加工です。

唯、直向きに磨く・・・


松井の度重なる駄目だしにも怯むことなく
達磨太子のように
一人自分に向き合い
直向きに磨く・・・

当に瞑想の世界!



最後の皆さんの笑顔が大きな達成感を物語っています。


「今日は、人生で一番木のことについて考えた1日でした。」

それ以外の参加者のコメント(原文のまま)から・・・

「日本の樹(自然)に対する畏敬の念について良くわかりました。木に囲まれいる子ども達とコンクリートジャングルの中で育つ東京の子ども達では、自然に対する親近感が全く違うのだろうと思います。次世代を育てる親に対して自然に目を向けてもらえるように努力したいと思います。」

「木の深さ、人と木の温かな繋がり、自然を感じ木の与える人への感じ、情動、大切さへの切っ掛けになりました。適材適所、木を知る事の深さに驚きました。温かみと柔らかさ、道具や材料、エネルギー、玩具など、木の大切さを改めて知る事が出来ました。」


ものづくり講座・研修主任

松井勅尚