林業を進める上で重要なことは数多くあります。山を維持している「山村づくり」、持続可能な山の経営計画、それを実現するための人材や機械、それを取引する流通部門、そして木材を生かす場である「木造建築」や「ものづくり」など、書き切れません。
今回の授業は「山にどれだけの材木があるのか。また一本の材木の材積をどう表現しているのか」を学ぶ、森を測る技術という授業です。
最初に、山で周囲測量と、山の尾根、中腹、下部の3カ所で100m2プロットをとって林分調査をしました。
4つのグループに分かれ測量と林分調査をしました。対象森林の面積はコンパス測量の結果1.35haで、精度は各班1/104~1/450程度でした。
その林分で測樹するのですが、樹高はレーザーコンパスを利用して、胸高直径は輪尺と直径巻き尺を使いました。
一般的に、輪尺と直径巻き尺を同様に扱う人が多いですが、山の木を測定すると直径巻き尺の方がやや大きめにでます。もしも2cm括約で表示すると3cmくらい違うこともあります。
それを実感するために両方で測定し、なおかつ尾根と中腹、下部での直径や樹高の差を測定しながら肌で感じる必要があるのです。
実際の仕事では「山」全体を全木調査することはほとんどありません。だからこそ、どのあたりで「標準地」をとる必要があるのかの感覚が重要なのです。
みな、自分たちのデータが標準的なのかどうか、一生懸命に考えました。
次に、演習林内に伐採されているスギの大きな丸太を材積測定しました。
日本では「末口自乗法」という丸太の細い側(先の方)の直径を自乗して長さを掛ける。つまり、直方体の体積を求めます。
しかしドイツなどでは、丸太中央部の円面積に長さを掛ける方式で丸太の材積を出しますので、そうした計算方法による違いを実際の丸太で計算しました。
演習林があまりに寒いので、全員が教室に戻って丸太座席の計算です。
ドイツ式で材積を見ると
1番玉が長さ440cmで材積1.08m3
2番玉が長さ210cmで材積0.46m3
3番玉が長さ410cmで材積0.62m3
4番玉が長さ418cmで材積0.42m3 でした。
寒い中での測定でしたが結構、面白く実習できました。みんなご苦労様!!!
ジリこと川尻の報告でした。