2012年3月10日土曜日

ものづくり~森づくり~人づくり の人「山口博史」先生 最終講義

ものづくり~森づくり~人づくり  の人
山口博史 先生 最終講義

森林文化アカデミーで10年間、「ものづくり」分野の教員をされてこられました山口博史先生の最終講義が、森林文化アカデミー森の情報センターで開催され、多くの卒業生や在校生が山口先生の講義に聴き入りました。

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全国各地から駆けつけた卒業生たち、予想以上の参加者で会場は立ち見席までと、「山口先生の人となり」が伺える人数に驚かされるばかり。

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山口先生はこの10年間にどのような活動・指導をされ、どのような実績を残されたのか、歴代の卒業生たちと歩んできた歴史を振り返られました。 
最終講義とあって、まじめに広葉樹伐採量の歴史なども紹介されました。このスライドを見ても日本の広葉樹はブナ、ナラ、シナノキ、センノキを代表に急激に資源枯渇たことがわかります。
多くの木工職人は「山」の気を使うが、それがどのような状態で、どこに生えていたのかも知らない。

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山には様々な木があり、それを育てなければ木工の材料が枯渇する。しかし、日本には先人たちが植林してきてくれた多くのスギ・ヒノキ人工林がある。これを利用しなければ、・・・・!
こうした考えから、針葉樹のものづくりにも貢献され、最近ではカシノナガキクイムシにおかされたて枯れて行くナラの有効利用にも取り組まれました。

最近取り組まれているカシノナガキクイムシ被害木、いわゆるナラ枯れ被害木利用による家づくりのヒントとなったオーストラリアでの広葉樹の家づくりについてもふれられました。

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面白く、かつ勉強になる講義、山口先生は淡々と自分の歩んできた足跡を振りかえられますが、どれもが非常に意味深く感動する内容ばかりでした。

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「ものづくり」に始まり、「森づくり」そして「人づくり」に尽力された山口先生、90分の講義を終えて、花束を受け取り、「熱い思い」を語って下さいました。
新たな一歩を踏み出される山口先生。湿った雰囲気は良くないものの、お話をお聞きすればするほど、会場に居合わせた者みな、胸が「キュ~ン」とする思い出一杯でした。

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講義後は、山口先生が「ものづくり」をされるに至った師匠で元森林たくみ塾の庄司師範から、塾生時代のお話しなど、暖かいお言葉を頂きました。

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そして、在校生からの贈り物に引き続いて、同僚である久津輪先生からの贈り物を受け取られた山口先生。
「この二人には私たちには計り知れない思いがあるのだろう」と、感じさせる瞬間でした。

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また同僚でもある松井先生からは、山口さんの奥様に贈り物が贈呈されました。今後は奥様の母国、オーストラリアで木工職人として活動されるとのこと。
奥様からは、本当は大変であったろう日本での生活をみじんも感じさせない、明るさで感謝の言葉を頂きました。

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最後に、相当湿っぽくなって、松井先生も感情が込み上げてきたところで、久津輪先生がその場を仕切って、なんとか皆、笑顔で終えることができたのです。

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この山口先生の最終講義はアカデミーの常勤教員としてものであって、決して最終ではありません。今後は森林文化アカデミー非常勤講師として、末永くご指導頂けるものと、みな期待しているところです。

とにかく、山口先生、この10年間本当に有り難うございました。思いをつづればきりがありませんが、とにかく非常勤講師として再び来校されますこと。皆期待してまっせ!ひぃぅ~!ひぅ~!

オーストラリアでも精力的に活動されますこと、祈念して最終講義の報告とさせて頂きます。