歌い始めています。すっかり春ですね。少し寒いですが・・・。森林文化
アカデミーは本日入学式の日を迎えました。新入生のみなさん、おめでと
うございます!
さて、それとはまったく関係ないのですが、以前から気になっていた植物
が判明したのでご紹介します(今回は「咲いて」ません)。
その植物は、スギの人工林や、少し薄暗い林の林床に生えています。落ち
葉の間を縫ってまるで電線ケーブルのような緑色のツルがどこまでも走っ
ています。たどれる範囲では葉はつけておらず、いったい何の植物だか皆
目見当がつきません。
また別の機会に、同じツルが木をよじ登っているのを見つけました。冬な
ので残念ながら葉っぱがありません。笑ったピエロの口みたいに見える葉
痕が特徴的なので、冬芽の図鑑を調べ
ればわかるかなと思いましたが、やはり見つかりません。どうやら載って
ないようです。
と、いうわけで、調べるのを半ば放棄していたので、この緑のケーブルは
長いこと私にとって謎の植物でした。
が、このままでは気持ち悪いので、玉木先生にお願いして山から採ってき
たツルを挿し木にしてもらいました。葉が出れば何だかわかるかもしれま
せん。すると、今年の3月に茎からかわいい芽が出ました。いくらなんで
も葉が出ればわかるだろうと思って高を括っていましたが、甘かった・・。
見当がつきません。
それから待つこと25日あまり。もう少しだけ開いた葉を見てみたら、葉の
裏の脈や、芽の形からどうやらツヅラフジ(別名オオツヅラフジ)だった
ことが判明しました。ツヅラフジは、葉の形の変異が著しく、縁に切れ込
みの入らない全縁のものから浅裂・中裂するものまで、様々なものがみら
れます。
林内を這っていたツヅラフジのツルは、所々で発根(写真中の黄色い矢印)
して栄養を吸い上げながら、よじ登った先のはるか上方の陽の当たるとこ
ろで葉をつけて光合成をしているようです。
それにしても、芽生えてからケーブルのように林床を這っている間は、暗
い林内で葉もつけずにどうやって光合成してるんでしょうか。ひょっとす
ると、緑色の茎(ツル)は、わずかでも光合成の役にたっているのかもし
れませんね。
こんなことが気になる方は、ぜひ森林文化アカデミーへ!