表題 林野庁企画課年次報告班の福田淳 課長補佐による「森林・林業白書」説明会
今回、林野庁企画課 年次報告班の福田淳 課長補佐さんが東京からわざわざきてくださいました。
私たちが参考としたものは、「平成23年度 森林及び林業の動向、平成24年度 森林及び林業施策概要」を読み解くものです。
これは現在出版されている「平成24年度版 森林・林業白書」の内容です。
さて、福田さんは森林文化アカデミーの萩原裕作先生、つまりナバさんの中学校時代の塾仲間だそうで、ひょんなことから
二人が再会し、今回のような企画が実現しました。
なお、この森林・林業白書には森林文化アカデミーの女子学生が中心となって立ち上げた岐阜の「林業女子会」
が写真とともに紹介されています。
さて、冒頭に福田さんから白書には何が書かれているのか、つまり23年度の動向と24年度に講ずる施策が記されていること。
またこの年次報告は法律に基づく法定白書であることなども話されました。
また、平成21年度~23年度にかけて相当な白書内容見直し、表記方法の見直し、参考文献の脚注表示などを変えられています。
特に今回の白書は「記録性」と「知識の拡張性」を重視したそうで、ほかにも
「その他事例の目次」の追加、「本文中での図表引用箇所の青色表示」なども盛り込まれています。
白書のトピックスは4つ。
(1)「森林・林業再生プラン」の実現に向け手取り組みを開始
これは計画的に森林を管理する森林経営計画や10年後の木材自給率50%達成の内容
(2)東日本大震災や台風・集中豪雨等により災害が多発
これは東北の合板工場の被災や各地での山地災害、それに「林野庁がどうバックアップしたかの内容です。
(3)「2011国際森林年」の盛り上がり
フォレストヒーローズ、メッセージ「森のチカラで、日本を元気に」
(4)小笠原諸島が世界遺産に決定
屋久島、白神山地、知床について国有林4件目の世界遺産登録。小笠和の世界自然遺産陸域の80%が国有林。
今回中心的にお話し頂いたのは白書の 第1章 「東日本大震災からの復旧・復興に向けて」という項目です。
復興に向けての森林・林業行政上の政府復興方針は、災害時の被害を最小化する「減災」の考えを重視。
地域材利用を積極的に推進し、木質バイオマスを中心にエネルギー供給体制を構築する。
ほかにも福田さん自身が、岩手などの現地に出かけて現実の状況などを写真として掲載されています。
私が目を引いたのは、仮設住宅の建設、復興住宅の建設です。
岩手、宮城、福島の3県で建てられた応急仮設住宅の約25%が木造住宅であったこと。
地域材を利用しており、木造仮設住宅は結露や滴り水が発生せず、断熱性に優れていたことです。
岩手県の住田町では震災発生3日後には、町独自の施策として木造の仮設住宅を建設することを決め、2011年5月までに
110戸の木造仮設住宅を建てたそうです。・・・スゴイ!
一連の説明が終わったところで、私たち説明を受けた側が、この白書について「どう思ったか?」、
「何か聞きたいことはあるか?」、「この「内容を追加してほしい」などを相談し合いました。
学生が質問すると、福田さんは何でも答えてくれます。本当にパーフェクトな林野庁の職員さん。
学生が林業生産、つまり林業やきのこ生産で稼いでいる金額について訪ねると、即答。
平成22年度の実績では林業産出額(4,217億円)のうち、木材生産額は46%で、
栽培きのこ類の生産額が52%もあるのです。・・・きのこ恐るべし!
福田さんは最後まで、丁寧にお答えくださり、本当にわかりやすい森林・林業白書の説明会となったのです。
福田さん東京からわざわざ来てくださり、誠に有り難うございました。
来年以降も是非、こうした説明会をお願い致します。
以上、ジリこと川尻秀樹でした。