2012年8月6日月曜日

施業プランナー 技術維持研修 第2回 開催

平成24年度から新たに開始された「施業プランナー 技術維持研修」の第2回を
開催しました。

この研修は過去に施業プランナーの基礎的な研修を受講された方を対象に、その
技術を維持することと、新しい情報を施業プランナー研修受講者に勉強してもらうこ
とで、名前だけのプランナーではなく、実質的なプランナーとしての技術を磨いても
らうことを目的に開催されています。

今回は、岐阜県森林研究所の古川部長を中心に、臼田専門研究員にも補佐して
いただきながら「ITを活用した路網解説にかかる評価」を講義と演習を通して指導
していただきました。


今回の研修では、
・路網評価には、平均傾斜複雑さなどの地形の数値化が必要なこと。
・地形図から作業路網に関する情報を入手すること→アナログツール
(イットIt)の活用。
・作業道解説支援ツールによる管理計画→デジタルツール
(アイティーIT)の活用。を学びます。




地形の数値化と路網評価では 1.平均傾斜  2.起伏量  3.谷密度
が重要になります。
平均傾斜見る方法は 寺田法、方眼法、ホートン法など様々あります。

上記の平均傾斜、起伏、谷密度を総合的に評価して、地形を
Ⅰ緩、Ⅱ中、Ⅲ急、Ⅳ急峻 に分けて、そこに適した作業を考えるのです。



最初に、アナログで50000分の1の地図に対象とする区域を赤鉛筆で囲み、
そこに点格子シートを使って区域内の平均傾斜や起伏量を調べてみます。
このアナログ調査、やってみると相当大変な作業で、昔の人はこんなに苦労
して図面判断していたのかと感心したのです。




演習では「地形指数」も求めました。
5mmの格子数を数え、その数に0.0625を乗じて面積(A)を求める。
次ぎに谷の数を数え、対象地の谷密度(V)を求める。
というように、地形指数を計算していきます。

点格子シートでいろいろな情報を得ようとしても、時間がかかり過ぎて非現実的。
そこでパソコンのエクセルを使った「路網計画支援ツール」を利用しました。


これは便利。地形図の情報を取り込んでおけば、簡単な数値データを入れれば、
簡単に計算されます。


全員が、「さっきまでのアナログの苦労は何だったのか?」と思いたくなるほど
快適にデータが処理されます。
画像データはメッシュ毎に傾斜が色分けされ、しかも作業路や林道からの距離
によって集材の適否などが分かるのです。


これによって、対象領域内の面積計算と路網の延長計算、平均集材距離の計測、
格子毎の計測データのセルへ出力とp塗り分けが容易にできます。

今回の研修、まったく新しい手法を駆使するのに多少四苦八苦しましたが、事前に
アナログで手計算した経験から、どのような理屈でコンピュータ処理されているのか
よく理解することができ、「路網計画支援ツール」の利用価値を再認識したのです。

研修を指導して下さった古川さんサポートして下さった臼田さん、有り難う御座い
ました。

以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。次回の技術維持研修は8月27日です。