自然体験活動指導者やインタープリターの道を目指すとき、自然の知識、 プログラムの技術や指導技術、人前で話す技術やエンターテイメントの精神も大切ですが、
それらの技術を土台で支える原体験であったり、自然を見る視点が幅広かったりすることも大切な要素のひとつです。
環境教育を専攻する新入生は昨日も(ほぼ毎日ですが。。)野外で実習でした。
インタープリテーションについての話をちょっとだけした後、
外に出て身近なクモの意外な姿や生態を体験したり
誰もが知ってるタンポポを今まで見たことのない視点で観察したりするインタープリテーションのプログラム体験をしました。
すべてのプログラムに共通しているメッセージは、
「身近な自然も視点を変えると面白いよ」というものです。
が、しかし。。
ひととおりプログラムを体験したあと、思いもよらぬ方向に授業が進みました。
というのも、プログラム体験をしながらアカデミー学内を流れる用水路脇を歩いていたときのことです。
今まで、教室の数メートルヨコを流れる
この用水路に「水が流れてる」
ということしか気付いてなかった学生が、
ちょっと立ち止まって見てると「あ、魚がいる!」
もう少し見ていると「あ、カニがいた!貝も!」
さらにさらにじっくり見ていると
「水草が生えてる!あ、あの鳥の声は?」
そして少しずつ近づいていき足を入れて
「あ、つめた~い!」「気持ちいい~」。
身近な用水路ですが、立ち止まって見れば見るほどいろんなものが見えてきます。
そこで、午後はこの身近な用水路を真正面から体感してみよう!
ということで、いつものとおり急遽予定を変更し、なんと「釣り」が課題となりました。
釣りには様々な学びの要素が含まれています。しかも道具が限られるとなおさらです。
学生に渡されたのは、ハリスのみ。
制限時間内に一番「小さな」魚を釣り上げた人の優勝です。
ハリスを渡された学生は、各自釣竿になりそうな枝や餌になりそうなものを探しまわり
知恵と観察力を駆使しての「雑魚釣り」のスタートです。
中には初めて釣りをする学生もいました。
釣り始めて早々にハリスを無くして、周辺の自然物で針やテグスの代用品を作っていた学生もいました。
用水路の周りの自然に溶け込みながら、学生達は真剣に魚の動きを見ながら
餌を探しながら、自然を向き合いながら、工夫をしながらそれぞれの釣りを楽しんでいました。
お互いの会話もなしに、1時間があっという間に過ぎました。
途中、今年はじめてのホトトギスの声も確認。
学生の感想は、、
「こんなに魚のこと観察したのも始めてでした。」
「いろいろと自然の中にあるものを活用して試行錯誤しながらやるのが面白かった。」
「久しぶりに自然の中で無心になれました。」
自然の中にじっくりと居続けること、見続けること、ついつい忘れてしまいがちですが、
実は森や自然に関わる人が一番大切にすべきことなのかもしれませんね。
明日も野外に出かけましょう!
自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
なんちゃってせんせい
萩原ナバ裕作