今回は(1)林業普及指導と、(2)森林・林業政策 を学びました。
本日の講師は岐阜県森林研究所普及企画の池戸技術課長補佐と県庁林政課政策企画係の
久松技術課長補佐。
まず池戸さんからは、普及指導事業の概要や国や県での位置づけ、また岐阜県林政部274名中
普及指導員は26名と約一割で。県下10ヶ所の出先機関と県庁、研究所に配置されていることな
ど。
林業普及指導員は(1)スペシャリスト、(2)コーディネーター、(3)サポーター の3つの役割があ
る。
一般人や技術者に対する指導だけでなく、県職員に対する指導も実施する。
単なる講義や講習だけでなく、現場で作業道を作設しながらの実践的な研修も実施する。
こうした研修だけでなく古い技術である林業架線やワイヤーの研修も数多い。
普及員同士での情報交換や普及啓発のための発表会も実施し、また積極的な情報収集のため
県外での講習会や講演会にも積極的に参加する。
平成25年からはフォレスター試験が実施され、普及体制もより現場よりになって、長期的・広域
的視点から地域森林を整備・保全する理想に近づける。
さて、2人目は、久松さんです。
主に、「岐阜県森林づくり基本条例」とそれに基づく第一期基本計画と第二期基本計画を中心
に岐阜県の森林・林業政策についてお話し頂きました。
岐阜県の森林の多面的機能の評価額は 表面浸食防止6,739億円、水質浄化5,665億円、
水資源貯留4,110億円・・・・合計23,209億円。
県民一人当たり110万円、森林1ha当たり約270万円
国産材が利用されない理由は「決して外材が安いから」ではない。
肝心なのは「木材の安定供給と品質」である。
こうした現状を打破すべく、岐阜県はドイツなどの先進事例を参考に、「森林づくり基本条例」
を策定した。
しかし、岐阜県内でも木材を大量発注しようとすると、数量が多いほど高くなる。
一般の商品取引では考えられない現実。
そこで第一期(H19~23年)の基本計画では、岐阜県は3つのプロジェクトを設定
(1)健全で豊かな森林づくりプロジェクト
(2)県産材流通改革プロジェクト
(3)ぎふの木で家づくりプロジェクト
それなりの効果が得られたが、さらに飛躍すべく第二期(H24~28)の基本計画を策定。
森林整備では面的な森林整備のための「森林経営計画」も作成が要となる。
岐阜県では重点的に取り組む森林を二つに大別し
(1)恵みの森林づくりプロジェクト
(2)生きた森林づくりプロジェクト に分けて実施。
加えて、水源林保全プロジェクトにも力を入れ、「清流の国ぎふ」づくりを推し進める
最後に岐阜県の森林づくり基本条例には下の写真のようなことが書かれています。
是非、次世代により良い環境を引き継げるよう頑張っていきたいと思いました。
今回の講師である池戸さん、久松さん、有り難うございました。
以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。