岐阜県立森林文化アカデミーの施業プランナー研修は、育成研修、技術維持研修、そして今回
の上級研修の3つがあります。
上級研修は3年間にわたって受講する必要があり、毎年5人限定参加ですので、今年も5人が
新規受講して合計10人が「計画から進捗管理」を中心に学びます。
今回は豊田自動織機で生産管理、工程管理にかかわられ 、その後に岐阜県森林組合連合会
の「林業再生プロジェクト」で安全管理、低コスト化にかかわり、現在は中部フォレストマネージメ
ントで林業事業体のコスト管理、生産管理などを指導されている圓谷公康先生をお招きして、研
修を実施しました。
今日は「林業における生産管理について」です。
企業・事業体の目的は、
○原価主義か?・・・・・生産者側が売値を決めているのか?
○頒価主義か?・・・・・顧客側の立場に立った売値か?
こうした考え方、林業では果たしてどうなのか・・・・?
物の品質はお客が決める。人も企業も事業体も、まったく自分が見えていないから、他人に評価
してもらうことが重要。
企業・事業体の資産とは、人・物・金・時間・情報
しかし、よく見てみれば、
1つ目の資産は、お客様の信頼・安心・満足
2つ目の資産は、従業員のやる気
様々な場面で、上記の軸で物事を見ていくことが重要。
林業ではどうでしょうか?
さて、少し講義が終わったところで、研修参加者各自が自己紹介。事業体の代表取締役の方、
森林組合の参事さん、森林組合の主任さんなど、経歴も実績も様々ですが、全員やる気満々。
企業は①CS(Customer Satisfaction=顧客満足)お客様のニーズの把握の追求。
②優れた人材の確保と安全の確保
③ SCM(supply chain management)による流通の効率化 を考える。
生産品をマーケットに流通させるには
①マーケットイン・・・・・マーケットの声を重視し、ニーズのある製品をつくる。
②プロダクツアウト・・・・作り手の理論を優先させる方法
さて、売れる商品は上記のどちら?
ところで、「管理」とは何か?
ある規定・基準から外れないように制御したり、統制したりして、守らせ、維持すること。
「管理」は数字で表されるべきもの。
林業のQCD(Quarity ・ Cost ・ Delivery)は実施されていますか?
・・・・・うぅ~ん、と頭を抱える現状ではないですか?
QCDSはお客様の要望、ニーズの肝、皆が幸せになる肝。その次にはJIT(Just In Time)。
なぜなら、お客様は神様だからです。
●考えるリスクより、考えないリスクの方が大きい・・・・・・考動
●行動するリスクより、行動しないリスクの方が大きい・・・・考動
●見て、聴いて、嗅いで、噛んで、触れて確かめるリスクより、
聞いただけで確かめるリスクの方が大きい
●変わるリスクより、変わらないリスクの方が大きい
さて、途中からは、圓谷さんが実施に、中部フォレストマネージメントで実施されている「生産管
理」の実際を講義されました。
日報管理をしっかりして、データを蓄積すれば、事業体毎の「生産原価と売上高の比較」、「理論
原価と作業原価の比較」、「物流費と売上額の比較」などが簡単に、見える化できる。
今後の課題は
1.素材生産の効率化・・・原価低減活動
2.現場作業の効率化・・・原価低減活動
3.事務作業の効率化・・・原価低減活動
4.安全に意識付け・・・・・安全作業の徹底
5.環境への配慮・・・・・・・環境への配慮
今回は朝から夕方まで、圓谷先生有り難う御座いました。次回は、高山市の現場です。
上級研修は単なるプランナーではなく、実質的なフォレスターを養成するための研修ですので
頑張りましょう。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。