2013年7月16日火曜日

米原市東草野で「山村の文化的景観」フィールドワーク


山村づくり講座の1年科目「エコミュージアム概論」、2年科目「文化的景観論」の合同フィールド実習で、滋賀県米原市の重要文化的景観選定候補地「東草野の山村景観」を訪れました。以下、山村づくり講座1年の最賀さんの報告です。
 

滋賀県が米原市東草野4集落を「国の重要文化的景観」への登録を検討しているということで7月9日に東草野におじゃまし、実際にどのような景観であるか見学に行ってきました。なお、現地の案内役は伊吹山文化資料館学芸員のTさんにお願いしました。
 
まず、午前中は同資料館で伊吹山やその周辺の自然や文化について学びました。資料館では地元住民が展示の企画や制作に関わっており、地元の風土や文化、生活の様子などががひしひしと伝わってきました。



午後は東草野を見学しました。まずは東草野の甲津原集落に住んでいるおじいさんからそのお孫さんと一緒に東草野での人々の暮らしを聞き、今では行われなくなった麻織りの話などその土地での生活の様子を聞きました。その時はそのおじいさんがよくお孫さんに道具の使い方を質問しており、おじいさんはお孫さんにこの集落の暮らしや文化を伝えていってもらいたいということが感じられました。





 
その後、東草野を実際に歩いて見学し、茅葺の上からトタンをかぶせた独特の屋根の家や、「カイダレ」、「モチオクリ」など冬場の積雪に対応した家の造り、そして集落のいたるところから湧き出している湧水とそれに続く水路を含めた独特の景観が形成されていました。しかし実際にはこの集落でも空家になっている家が増えており、このままこの風景だけ残しても人が住んでいない文化的景観になるのではないかという心配も抱きました。文化的景観を保存するという取り組みと同時にこの集落での空き家対策も同時に進めることが課題だと感じました。


 
 
 
 
※山村づくり講座では、これからも定期的に東草野地区を訪れて、その変化を追いかけていきたいと考えています。(山村づくり講座 教員 嵯峨創平)