2014年2月7日金曜日

高校生からアカデミー、県職員、森林管理署まで内容の濃い発表会

平成25年度岐阜県森林・林業関係合同発表会

 平成25年度の合同発表会、岐阜県関市のわかくさプラザで、農林高校から森林文化アカデミー
県の林業普及員、森林研究所、森林管理署の発表がありました。

 森林文化アカデミーからは林業再生講座中嶋雄一郎さんが、『素材生産における生産管理
実態と見える化導入の試み』を発表。

 最初は岐阜県の普及職員4人、今回は優秀賞に選ばれた恵那農林事務所の藤井敦さんの
『意欲のある小規模事業体の育成支援』を少し紹介。

 


 藤井普及員は職場の普及員仲間と一緒に、自伐林家支援(木の駅プロジェクトや経営コンクー
ル)や小規模事業体支援をしてきた。




 特に、意欲ある小規模事業体から普及員に、森林組合からの脱却を目指して協力依頼があり、
話をよく聞くと、

   ・林業を通した伐採~製材~建築まで串原地区の振興
   ・森林文化の伝承(祭り、食文化)
   ・串原地区の資源をビジネスに     と考える三宅代表の想いに共感して、様々な支援を
                           実施してきた。

 その結果、雇用の拡大(2名→5名)、串原28林班の計画、異業種拡大などに結びついた事例を
紹介。


 森林研究所からは茂木靖和さんが『岐阜県産少花粉ヒノキ品種のさし木技術の開発』を発表。
これまで難しいとされた5cmサイズの挿し穂での増殖に成功。


 岐阜県では無花粉スギとヒノキとして、精英樹のうち大野2号(スギ)、益田2号・小坂1号(ヒノキ)
があり、いかに少ない枝から多くの栄養繁殖個体を増殖させるか?・・・・これを解決した。


 さて、これからが森林文化アカデミーの中嶋さんの発表です。


  ようやく利用間伐、搬出間伐に目を向け始めた森林組合、その森林組合では計画的に木材生
産するための「生産管理」をしていく必要がある。

 そこで、実際に生産管理しているのかどうか、8森林組合3事業体で実態調査をした。


  実際に、多くの事業体が生産管理を把握しようと試みていた。しかし、生産管理の方法が判ら
ず、進められていない。

 そのため、うまく行っている事例による素材生産の見える化システムの試用を提案。
BoxBox社のLogging Management Visualizer簡易版を使ってみた。


 途中の進捗状況によっては赤字情報も見ることができます。


 「見える化」がうまく行っている組織では『一人一人が組織の一員という意識を持っている』
  見える化のメリットは
      (1)目的を常に意識させる
      (2)目標をわかりやすくする
      (3)仕組みを見直す       ことにつながる。


 実際に組織として生産管理できていないのは、果たして「見える化」が求められていないのか?
の疑問から、アンケートを採ってみた。

 アンケートでは、現場技術者も班長もプランナーも事務員も「見える化」の必要性を感じていた。


 
従業員一人一人の意識が盛り上がれば
  ・経営理念への共感
  ・目標達成への意欲・・・・・・生産管理への理解が深まる。→組織として生産管理に取り組める
 

  他にも岐阜農林高校の生徒さんが、ニホンジカによる林業被害対策方法を探る」と題して、岐阜
大学や森林研究所の協力の下、興味深い発表をしてくれました。

 
 
 加茂農林高校は「日本の里山に風穴をあける」と題して、地元住民による持続可能な里山づくり
を発表してくれました。
 
 
 最後に、岐阜森林管理署地域林調整官の影山成生さんが「東白川村新巣共同施行団地での取
り組みについて」を発表されました。
  
さて、今回の合同発表会、様々なレベルの様々な発表がありましたが、森林文化アカデミーの
発表や農林高校の発表内容についても高い評価を頂くことができ、会場に詰めかけた林業関係
者のみなさんも、将来の森林林業活動にかすかな希望の光を見たことでしょう。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。