2014年7月2日水曜日

ものづくりと仕組みづくりゼミ: 大阪でひろがるものづくり空間②

さて、仕組みゼミの大阪での視察ですが、午前のアルブル木工教室の次は、今年4月に難波にオープンしたDIY FACTORY OSAKAです。


DIY FACTORY OSAKA: http://www.diyfactory.jp/

DIY FACTORY OSAKAは、DIY Tool.comというさまざまな工具、電動工具などをネット販売する株式会社大都のリアルショップ第1号になります。このリアルショップは、単なる道具の販売を実店舗で行うというだけでなく、いくつかの狙いがかみ合って成り立っています。

今回は、店長の白濱さん(通称:マーカス)に解説をお願いいたしました。

まずなぜこの南海電鉄の高架下でリアルショップをオープンさせることになったのか。それは南海電鉄の高架ができたのが昭和13年前。その年に同じく誕生したのが株式会社大都だったということで、共に77歳ということで話が始まったそうです。

DFOの狙いはこのようなことです↓。

自分たちの生活は自分たちでつくる。その生活の道具を自分たちで創り出すことを当たり前の世の中にしたい。 そのためにちょっとハードルを感じている人たちの背中をポンと後押ししてあげること。

そして、今回のリアルショップは、
1.DIYに興味があるけど、道具をそろえるのは大変、場所もない、やり方もわからないという人たちの最初のきっかけの場にすること
2.ホームセンターではなかなか一般消費者に届けられなかったメーカーに商品をアピールする場を提供すること
3.DFOがその両者をつなぎ、ワークショップなども開催しながら、DIYの良さを伝え、ものをつくる楽しさを伝える場をつくること
4.地域のクリエーターやアーティストにワークショップの講師になってもらい、彼らと一般の人たちをつなげること
を狙っています。

 空間としては、
1.ワークスペース
2.メーカーのショースペース
3.大都のオススメグッズの物販スペース
の3部構成になっています。

さっそく金属のプラズマ切断機と溶接機を体験するK先生

ワークスペースでは、多少手狭ながらも、さまざまなワークショップが開催されており、普段なかなかできない溶接があったり、木のマイペンづくり、スツールづくり、ステンドグラス、石鹸作りなど。どんどんそのレパートリーは増えていっています。
またこのスペースは道具類も含め時間貸しもしていて、場所がない設備がないという方にとっては願ってもない場所となります。

Touch the DIY
メーカーショースペースでは、各メーカーがオススメする商品を並べてあります。それはホームセンターではなかなか手に入らないモノだったり、ちょっとオシャレなものだったり。またホームセンターのようにただ商品が並んでいるだけなく、ちょっとしたポップだったり、店員さんに使い方を聞いたりできるので、より自分のものづくりにどう生かせるかがわかりやすくなっています。



ちなみに、このDIY FACTORY OSAKAではものづくり講座ではありませんが森林文化アカデミーの卒業生が活躍しています。 すでにワークショップの講師も務めるようで、森林文化アカデミーで学んだ幅広い木の知識が生かされているようです。(カローラさん、がんばってね)


総じて、
アルブル木工教室のような教室やDIY FACTORY OSAKAのような場所が増えるということは、自分らしい暮らしを自分で作っていける素地が整い、より広がっていくということです。より多くの人がこれまでできなかったさまざまなものづくりをできるようになっていきます。

一方でプロとして木工を目指す若者も増えています。日本中のあちこちで「いいもの」をつくる職人はたくさんいます。合同展示会などいけば、みんな素晴らしいクオリティのものを並べています。

大量にモノが作られ、大量に消費された時代から、こだわりのもの/いいものを選ぶようになった時代、しかしこれからは一般の人が自分でいいものをつくる時代 。そして、材料のことも考えなければいけません。資源は限られています。

そういう時代に、木工を含めものづくりを仕事として目指す人は何を考え、何をどうつくり、どう広めていくのか、よくよく考えていかなければいけないと思うのでした。