2014年7月9日水曜日

E1林木育種・育苗2014|白鳥見学ほか


今日のエンジニア科一年生は,丸一日,林木育種・育苗の授業でした。1コマ目は前回の苗畑の草とりの続きです。朝とは言え,実に蒸し暑く大変な作業でした。ここ数日,雨が良く降ったので,草の伸びがすごいです。がんばってキレイに除去したものの,すぐ伸びてきそうです。草の伸びも良いのですが,ヒノキの苗もまた一伸びしたように見えます。来週,夏休み前の最後の草とりがありますが,その時にまたご報告できればと思います。

2コマ目(暑かったので,草とりは1時間ほどで終えたので,正確には1コマ目の終わりからですが...)は屋内で育種の基礎を理解するための集団遺伝学の講義です。前回,メンデル遺伝やヘテロ接合度,ハーディ・ワインバーグの法則までやったので,今回は引き続き,集団分化や近親交配,遺伝的浮動,突然変異,移住までを学びました。次回は実際に天然林集団を調べた例について学ぶ予定です。

午後からは県内の白鳥林木育種事業地に見学に行ってきました。育種事業地を管理されている中島さんに説明をしていただき,採穂園や採種園を回りました。写真は雄性不念のスギの説明を受けているところです。同育種事業地には他にも小花粉スギもあり,種を採取・出荷しているとのことでした。

採種園では,着花促進のためのジベレリン処理をしているとのことで,その様子を見学させてもらいました。ヒノキでは4区画に分けて4年毎,スギでは3年毎に処理しているそうです。昨年着花促進をしたスギを見せてもらったところ,たわわに果実を着けていました。その様子が写真から分かるでしょうか。
グリーンハウスではコンテナ苗の説明を聞きました。アカデミーのお隣の森林研究所の研究員の方と一緒に生産方法の効率化についてとりくんでいるとのことでした。

こちらはMスターコンテナです。くるっとのり巻きのようにビニールシートを外すことができるのが特徴です。なんと,アカデミーのすぐ隣の工場でシートを生産しているとのことでした。


最後に,屋内でヒノキ種子をカウントし,発芽率や得苗率をもとにどのくらい苗木が生産できるのかを計算しました。この育種事業地で生産された種子がどのくらいの苗木になるのかが理解できたでしょうか。

普段,アカデミーでは講義や苗畑の作業ばかりですが,育種事業地を訪れることで,どのようにして種苗が生産されているか実感できたかと思います。中島さん,ご案内いただき,ありがとうございました。林木育種・育苗の授業はまだまだ続きます。苗畑の作業もありますので,今後も皆さんがんばりましょう!