2014年10月3日金曜日

林産物実習(秋冬編)~幻のわらび粉作り~


山村づくり講座では、きのこや山菜などの林産物について学ぶ授業があります。今年は10/1に高山市朝日町秋神地域でわらび粉生産を体験して来ました。

わらび粉とは、山菜でおなじみのわらびの根(地下茎)から取れる澱粉のことを言い、昭和30年頃までは岐阜県飛騨地域の主要な産業であり、主に工業用の糊として、和傘や提灯に使われていました。しかし、安価なタピオカ粉が外国からはいってくるようになったり、洪水でわらび粉を作る水車小屋が流されたりして、昭和40年ごろを最後に生産は途絶えていました。

そのわらび粉を復活させようという活動をされている地元のNPO法人「げんきな里ひだあさひ」さんを訪ね、わらび粉生産を体験させていただきました。


まず、地元の小学校跡地に復元された水車小屋の前でげんきな里ひだあさひのSさんにわらび粉生産の歴史及び、本日の作業についての説明をしていただきました。説明が終わると早速わらびの根を掘りに行きます。


まず、地元で以前わらび粉を生産されていたSさんとNPOSさんに掘り方を教えていただき、作業開始。


皆で汗だくになりながらの作業。昔は一人当たり60キロほどのわらび根を掘り、それを背負い山を降りたそうです。


掘り出したわらびの根。今回作業に当たったのは総勢13名で、作業時間は1時間強、取れたわらびの根は45キロでした。昔の人には遠く及びません…


掘り出したわらびの一部は、今はミズナラの林になっている昔のわらび採取場に移植しました。また、わらびを増やすためにここの林の一部は事前に伐採しました。伐採した木の一部はグリーンウッドワークで加工し、後の工程で使う木槌を製作しました。



次にわらびの根を洗います。上の写真がわらび根を洗っている様子で、下が洗い終わったわらび根です。次はいよいよ一番過酷な叩き作業に移ります。




学生も先生も一心不乱に叩きます。相当きつい作業です。
また、グリーンウッドワークで作った木槌ですが、いざ使ってみると「重くて使いにくい」、「柄が長すぎる」などの声が…まだまだ改良の余地がありそうです。


また、平行して水車での潰しも体験させていただきました。こちらではトビという道具を使ってわらび根を混ぜながら水車の杵で潰していくのですが、リズムよくかき混ぜないとトビが杵に挟まれてしまい、苦戦することも…

このあと一晩おき、コシキで漉した後、さらに澱粉を沈殿させ、それを乾燥させてわらび粉が完成するのですが、今回の授業ではここまでの体験となりました。そして…



最後には去年取れたわらび粉を使い、わらび餅を作っていただきました!
材料はわらび粉・砂糖・水のみ。よく混ぜ、火にかけしばらくするとあっという間に粘りが強くなり、まさにつきたてのモチのように。
気になる味と食感は是非現地で10/413日まで行われるわらび粉作りのイベントに参加してお確かめ下さい!私、とうりょうこと前原も毎日参加していますので会場でお待ちしています。


山村づくり講座1年 とうりょうこと前原