2014年11月20日木曜日

ヒノキの小ぶりなテーブルづくり。その材料はどこから来たの?ということで製材所を見学してきました。

エンジニア科の授業には「木材・木工の基礎」というものがあります。ただ木を切るだけでなく、どういう風に木が使われるのかを知ってもらうため、木工作業を通して、反りや伸縮といった木の性質を体感し、そのように動く木をどのように加工していくのかを学ぶ授業です。


 今年も、ヒノキを使って小さなテーブルづくりにチャレンジしました。機械で材料の準備をある程度したものを加工した昨年までと違い、今年は自分で墨付けをして、自分で手鋸を使って切断しました。そして、成形も鉋を使って削りました。そう、今年は自分の手で加工する工程を増やしたのです。そうすることで自然と木と対話する機会が増えます。四苦八苦しながらも、黙々と作業する学生たち。そのかいあってか、週1回の授業ですが、あっという間に組立て、塗装まできました。早い早い。

と、ちょっと制作が早く進んだこともあり、この材料を提供してくれた製材所の桑原木材工業さんへ見学に行くことにしました。

桑原木材工業さんは岐阜県産のスギ・ヒノキを建材に製材し、工務店などへ納めている企業です。今回は直接社長さんから製材業のお話を聞かせていただきました。

その中で、興味深かったのは、机上の知識と現場の勘の違いです。


たとえば、丸太の材積の求め方は?と尋ねられ、「末口二乗かける長さ」 と学生は答えます。基礎中の基礎です。しかし、「じゃあこの丸太の材積は?」と聞かれると、瞬時に答えは出てきません。頭の中で計算をします。センチとメートルの単位の違い、小数点の計算などまともに計算していくと混乱してしまいます。それでも現場の人間はさっと答えが出ます。単位や小数点とかまったく気にせず計算をしてしまうのです。さらには、じゃあこの丸太の重量は?と続きます。これも現場ならでは換算方法があるのです。



また一本の丸太を見て、「どのサイズの柱材が取れるか?」と聞かれてもさっと答えられません。写真のようにあらかじめ用意した冶具を当てればわかりますが、そういったものを使わなくてもサッと出せる換算方法があるのです。

林業を学んできたエンジニア科2年生でも製材業の現場の知識は新鮮だったようです。



それから、ツインバンドの製材機を見させてもらったり、乾燥材についての話や、時代の移り変わりとともに変わっていく業界の仕組みの話などとても興味深い話を聞かせてもらいました。