2014年6月7日土曜日

東海サポ人ネット「美濃サロン」― KODARABITOってなんだ?


農山村で活動する岐阜・愛知・三重の仲間がゆるーくつながる「東海サポ人ネット」では、毎月どこかで顔を合わせて話せる「サロン」を始めています。

 
 
都会から農山村へIターンで入ってきた地域おこし協力隊・集落支援員の人たち、それを迎える市町村職員や地域NPOの人たち、地元出身のUターン青年たち、日頃は地域活動の中で遠慮している意見や人間関係の悩み事も、すこし持ち場を離れて気楽に話し合える場があってもいいよね、といった趣旨でしたが、今回はまさにそんな感じでした。


話題提供は「地域おこし協力隊員」として活動3年目の吉住耕次さん。森林文化アカデミーの近隣の山県市、美濃加茂市、郡上市の有志メンバーと、山村づくり講座の学生・教員も参加して12人と、ちょうど話しやすいサイズでした。


吉住さんが活動する郡上市K地区で2013年から始まった「KODARABITO」という団体では、「ホタルプロジェクト」「小駄良アイランド」「小駄良物産展プロジェクト」などの活動をIターン青年と地元育ちの50-60代が一緒に作っていますが、どれも素敵なデザインセンスが光っています。


「これからの地域はデザイナーが鍵になる」という参加者の感想から、しばしデザイン論で盛り上がり、さらには「行政主導の地域づくりから意識転換するには…」という参加者の悩み吐露から、立場の異なる参加者からさまざまな意見が出たり、話題提供者そっちのけで盛り上がる場面も(^^;)。


現在、郡上市は全国的にも「住んでみたい都市」上位に入る人気のまちだけあって、面白い若者たちがどんどん集まって新しいプロジェクトを始めています。吉住さんも隊員卒業後、郡上市に住み続けて「HUB GUJO」というIターン青年5人の事業体を立ち上げる準備も始めているそうです。地方に新しい風が吹き込み始めているリアルな動きを感じることができました。


記  山村づくり講座教員/東海サポ人ネット幹事 嵯峨創平

2014年6月6日金曜日

ものづくり講座1年生 木工機械を使い始めました。

クリエーター科1年生が専門分野に分かれてから1か月。ものづくり講座は4名のものづくらーが新しく加わりました。彼らはこの1か月、鉋や鑿といった木工の基本となる手工具の仕込みや使い方などを学び、そしてスプーンづくりなどを通して、感性を磨き始めました。

そして、6月に入ってからは、ついに木工機械の使い方を学び始めます。木工には怪我が付き物ですが、もちろん怪我なんてしてもらっては困ります。半ば脅しもありますが、しっかり安全重視でそれぞれの機械の使い方を教えます。


一通り機械の使い方を学んでから、課題制作に入ります。今回は、レターケースをつくることにしました。この授業は木工機械の使い方を学ぶだけでなく、木工の工程を覚えることも目的としています。機械操作で頭の中はいっぱいかもしれませんが、ものをつくる順番を覚え、前工程、後工程をしっかり意識しながら、なぜ今この加工をするのか、なぜこの加工ではこのポイントを重視するのか、そんなことを考えさせながら、進めています。


木工機械の授業が始まって3日が経ちましたが、どことなく意識が変化してきたようにも感じます。木工ではコンマ何ミリの世界を追求します。少しの直角の狂いも許しません。機械の性質を知り、付き合い方を知ることで、効率よく、また精度よく、そして安全に作業ができるんだと思います。


どんなものが出来上がるのか。その過程でどんな成長があるのか。1年生に木工機械を教えるのは本当にハラハラドキドキなのですが、そんな楽しみも持ちつつ、飴と鞭を使い分けながら授業を進めるのでした。

2014年6月5日木曜日

コンパス測量 ~森林調査の基礎とする林地測定~

森林調査の第一歩には『精度』が求められる。


 エンジニア科1年生の「林地を測る技術」、今日は演習林の中で、林小班を周囲測量です。

 林分調査であったり、林地境界であったり、レベルは違うものの測量が必要となりますが、
今回は牛方式ポケットコンパスで精度1/1000を目指して測量です。

 三脚の据え方、コンパスの水準、ポールの示し方、距離測定の方法など、一つ一つをどれ
ほど正確に積み上げるかで、精度が決まります。

 今回は小雨降る中、4つのグループに分けれて、約1.2ha(平均斜度30度ある)を測量しました。

 ところで、学生たちが出した精度は、1/611~1/132、でした。
次回はレーザーコンパスで、1/1000を目指して頑張りましょう。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

ファシリテーション入門;ファシリテーション・グラフィックとKJ法


山村づくり講座の1年生前期では、毎年「ファシリテーション入門」という専門科目を行っています。山村コミュニティに入って活動する準備、あるいは他分野の方々と協働するための基礎スキルとして、基礎的かつ代表的なファシリテーション技法を学びます。



2回目の授業では、午前中に「ファシリテーション・グラフィック」の基礎練習をしました。模造紙(名古屋圏ではB紙と言います^^)の貼り付け方、水性マジックの使い方、基本的な文字・線・アイコンなどの書き方を練習した後は、模擬会議を行っている内容をレコーダー(記録係)が実況中継よろしく書き出していきます。これにより会議参加者は、①自分の発言内容がきちんと書き留められる安心感を得る、②個々のノートテイクから解放されて会議内容に集中できる、③板書をふりかえることで議論の整理や合意がしやすなる、と言われています。さて、初めてやった7人は上手くできたかな?それぞれの個性が出て、楽しい板書になりました!



午後は、企画会議などでお馴染みの「ブレーンストーミング」と「KJ法」の演習を行いました。短時間にたくさんのアイデアを出し合う手法としてのブレストを10分間行った後、今回のテーマ「成功する田舎暮らし」について、出された200枚余りのカードをKJ法のステップで整理していきました。

現在では、発想法や企画術としてたくさんの手法が紹介されていますが、1967年に京大の人類学者・川喜田二郎氏がフィールドデータの整理法として提唱したKJ法は、半世紀たっても使い続けられています。それは、①提出された全てのアイデアを生かす、②徹底した合議による整理とネーミング、③個別に対立・矛盾する要素も抽象化した段階で統合する、という様々なワークショップ手法に通低する原則が貫かれているからでしょう。



約2時間をかけて今年の1年生7人がまとめた「田舎に暮らすために」の成果は!?良くも悪くも現在のみんなの認識を正確に反映したものでした。これを見返して、さらに発展的なテーマでKJワークを繰り返していくことで、合意形成や企画の技術が身に付いていくと思います。みんなどんどん実践して自分のモノにしてくださいね。


記 山村づくり講座 教員 嵯峨創平

2014年6月4日水曜日

分野横断のウッドプロジェクト、今年も動いています!

アカデミーの最大の特色は、林業、木造建築、木工、山村活性、環境教育という分野が一つの学校で学べるというところです。もちろん、学生はその中から自分の専門分野を選択し、学んでいくのですが、共通科目、共通のプロジェクトを通して、他の分野の知識を学んだり、分野横断的なノウハウを学んだりします。それがアカデミーで学ぶ大きなメリットであり、卒業後の武器となるのです。

そして、毎年分野横断プロジェクトとして2年生対象に行われているのが、ウッドプロジェクトと呼ばれる授業です。これは1年間学んできたそれぞれの専門分野の知識、技術を持ち寄って、ある課題に対して みんなで取り組むというもの。

今年のテーマは「ナラ枯れ材(コナラ)の有効活用」

現在少し下火になってきていますが、数年前まで日本各地で広まったナラ枯れ。カシノナガキクイムシという虫がラファエラ菌を媒介するのですが、その菌が蔓延した部分は壊死し、通水ができなくなって枯れる現象です。緑多きこの季節、山の中にぽつんと茶色いままの木があったらナラ枯れで枯れてしまった木かもしれません。

その枯れてしまった木を有効活用するにはどうしたらいいのか、それが今年のお題なのです。まず最初にナラ枯れについての基礎知識は、アカデミーに隣接する森林研究所の方に講義していただきました。でも、そもそもコナラという樹、木材については学生たちはあまり馴染みがありません。コナラはこれまで、薪などの燃料や、シイタケ原木などに利用されてきましたが、石油系の燃料をつかうようになってからは里山にあるコナラは放置され、巨木に成長してしまいました。そうなると、シイタケ原木としても活用できません。木工の世界でも、コナラは狂いやすい、加工するには堅すぎるなどの欠点が目立ち、活用されてきませんでした。そんなコナラたちがナラ枯れの被害にあい、景観を乱し始めています。では、最近の薪ストーブブームに乗っかって、薪にすれば、、、、、といっても経済的に成り立たせるのにも課題が多くあります。どのような活用方法が考えられるのか、それを探るのが今年のウッドプロジェクトなのです。

と前置きが長くなりましたが、今回、コナラという材料を知ろうということで、みんなでコナラを伐倒しに、美濃加茂市の里山林に行きました。



自分とは違う分野の同級生が活躍する姿を見るのは非常に新鮮なんだと思いますが、今回は特に林業を学ぶ学生たちが主役の一日でした。



教員と一緒に、伐倒の方向を考えています。またそれに伴って支障木として切らなければいけない樹も判断していきます。


今回、支障木として伐倒したあわぶき、という樹。その名の通り、泡を吹くほど、水分をどんどん吸い上げ、ぽたぽたと滴りおちるぐらいでした。そして、断面が真っ赤でとてもきれいでした。乾燥してもその赤さは残るのでしょうか?こういった赤さというのは、材料の一つの特徴として生かせるのか?ウッドプロジェクトの主題とは違いますが、アカデミー学生ならこういった里山の雑木といわれる木々たちの有効利用も一緒に考えていかなければいけません。



伐倒木にワイヤーと取り付ける学生。ひょいひょいとラダー(はしご)を取り付けて数メートル上までのぼりワイヤーを取り付けます。


最終的にお目当てのコナラの伐倒です。受け口の方向を確認しながら、きれいに作っていきます。そして、追い口にチェーンソーを入れ伐倒。林業の先生からすれば多々注意すべき個所があったようです。



伐倒した材は、想定される利用方法に沿って玉切りします。そして、ロープで引き揚げ、トラックに積み込んでいきます。林業以外の分野の学生もこういう作業では活躍します。が、かなりの労働ですね。最後はみんなへとへとです。

  

未来の林業を担っていく学生たち。細かいことはまだまだ精進しなければいけないことも多いですが、お互いの強みを生かし、刺激し合いながら歩んでいくウッドプロジェクト。まだまだ無知だった1年前から大きく成長した姿を見せ、この授業を通してさらに強みを磨いていってほしいですし、その強みを持ち寄った時に可能となる新しい知見というのも探ってほしいと願います。


 
 ウッドプロジェクトは年間通して進められます。その過程や成果をまた報告していきたいと思います。

2014年6月3日火曜日

リョウブのレジェーラ(軽椅子)できました 〜里山の小径木を楽しく使う

ものづくり講座教員の久津輪です。
6月6〜8日に名古屋で行われる「木工家がつくる自分のための木の椅子」展に、この椅子を出品します。名付けてリョウブのレジェーラ(軽椅子)。きょう(6月3日)やっと完成しました!
一見すると普通の椅子に見えますが、実は、こんな特徴があります。

1.使用したのは直径わずか12cmのリョウブです。
2.材料の伐採、運搬、加工、仕上げまで、すべて人力で行いました。
3.接着剤を使わず、木の収縮する力を生かして組み上げました。

今回のいちばんのテーマは、里山の細い木を椅子づくりに使えるか?ということでした。
森林文化アカデミーの林業系の教員や地域の方たちから「里山の小径木をもっと有効利用できないか」という声を聞き、日本全国に育ち資源量も豊富なリョウブで椅子ができるか試してみたのです。
椅子にのせているのが、今回使ったリョウブの根元部分です。これだけ細い木から、椅子ができることが分かりました。


デザインは、2つの椅子を参考にしています。
写真左がイタリアの建築家、ジオ・ポンティのデザインした著名な椅子、スーパーレジェーラ(超軽量椅子)。写真右がアメリカの木工仲間、ドリュー・ランズナーさんに作り方を学んだグリーンウッドワークの椅子です。
去年この2脚を並べてみた時、シルエットが似ているなと思ったのです。また、右の椅子は背板が幅広いのでそれなりに大きな木が必要なのですが、左の椅子の背板なら小径木でも作ることができます。そこで、グリーンウッドワークの手法でスーパーレジェーラを作ろうと考え、できたのが今回の作品です。


はじめての試みでしたが、まずまずの出来栄えです。座面を大きくしたこともあり、座り心地はゆったり、軽やか。椅子の重さは約2.5kg、小さな子供でも楽に持てます。

「木工家がつくる自分のための木の椅子」展では、出品作に座ることができます。ぜひリョウブのレジェーラの座り心地を味わってみてください。
また6月8日10時からは、椅子研究の第一人者、武蔵野美術大学の島崎信名誉教授が1脚ずつ出品作にコメントされる予定で、椅子に関心ある方にはとても興味深いお話が聞けると思います。私も恐る恐る、コメントをいただきに行ってきます。

この椅子、更に発展させて、いずれ生涯学習の椅子づくり講座で実施します。楽しい椅子づくりを通じて、里山に人の手が入り、樹木が有効に使われていくといいですね!

2014年6月2日月曜日

園でつかってます! ~木育指導者セミナー3       木育概論と園でつかうスギの箱椅子づくり 募集開始!



昨年度、募集開始後なんと!1カ月で定員に達してしまった研修です。

研修開催日は8月ですが、申し込みは先着順のため お早めに!



右隅奥の子が面を換えて座っているのがわかりますか?
そう、これは身長に合わせて3段階の高さがある優れものスギの箱椅子なのです。
保育士さんと共に教材開発しました。


昨年度の参加者は、岐阜県内はもちろんのこと、茨城県、東京都、大阪府、兵庫県、福井県、鳥取県、宮崎県等遠方から、日本の真ん中美濃市に集まりました。


アカデミー演習林から美濃市内を望む
22・23・24年度林野庁補助事業として、グット・トイ委員会、筑波大学そして、ものづくり講座の卒業生たちとの共同研究により、「幼児のための木育カリキュラム開発」を実施しました。
そのプログラムの中の、年長児を対象とした「まとめのプログラム」を、保育士さんたちが自ら実践するための研修です。

教材開発は、ものづくり講座の授業「商品化と教材化」で行われました。開発者は遠藤智史君(11期生)。この研修は昨年度に引き続き、遠藤君と共に開催します。卒業生と一緒に仕事が出来ることはこの上ない喜びですね。

モスグリーンのポロシャツ仁王立ち講師が遠藤君。
(日本グット・トイ委員会ウッドスタート事業部)



ノコギリ・釘打ち・ボンド等研修します。特にノコギリと釘打ちはコツを掴むこと、身体の延長であることを体感して頂きます。
木工ボンドで接着。

ノコギリは力ではなくコツで切るのです。

そのための身体のバランスを整える正しい?ラジオ体操も伝授します。腰痛や肩こりに困っている保育者の皆さんは多いのではないですか?この機会に皆さん自身の園での暮らし方を3日間の研修期間に見つめ直してみませんか?木育は心と身体を育むことを目的としています。

体操研修アフター 「揃った!」

すでに次のように使われています。

25年1月
1人2脚完成!内1脚は、最後の仕上げを残し、この春入学する年少さん親子にプレゼントしました。入園式までに親子で仕上げる宿題がでました。この宿題にはお父さんたちが大活躍。中には、張り切り過ぎてピッカピカになり過ぎたり・・・でも、こうして父親が、子育てに関わるキッカケになるのです。そうして親になって行くのですね・・・。



25年4月入園後
年少児クラスでは・・・
自分でロッカーから箱椅子を運び、昼食の準備です。スギの箱椅子は軽くて柔らかいため年少さんでも持ち運びができるのです。

そして・・・使ったら傷みます。傷んだら自分でなおすことができるのです。こうして、なおしながら、3年間使い続けることで、愛着と、モノを大切にする心が育まれることを願っています。

植物油でメンテナンス中!




3日間の研修となりますが、板を組む家具作りにつながる基本研修であり、その技術を応用して、棚や道具箱等大方の箱モノは自力で制作が可能となるでしょう。
 この研修に参加された園では、すでに独自に様々な試みを実践されており、頼もしい限りです。

26年1月
トレー教材と組み合わせて箱膳として使ったり・・・
※トレー教材はものづくり講座吉川和人君(12期生)が開発し、園長の注文で箱椅子サイズに修正。みごと、「箱膳」となりました。


岐阜県美濃市の美濃保育園の箱膳=箱椅子+トレー
26年4月
図書コーナーの本入れや椅子になったり・・・


福井県小浜市のチューリップ保育園の図書コーナー

25年8月(前年度の研修)
年長児クラスの先生が多く参加されました。ほとんどの保育者さんが、初めて、或いは中学の技術家庭科以来・・・

ビフォー:「なかなかコツがつかめなくて・・・」

25年9月以降
しかし、すぐにその成果を活かし(活かさざるを得ず・・・)、年長児に指導。大人と同じ道具を使います。危険な道具であるので、子どもなりに真剣(真剣にならざるを得ず・・・)です。

アフター:「ノコギリの刃はね・・・」
釘打ち・ダボ打ちは、何と32カ所(16カ所×2回)もあります。子どもたちは、大人と同じカナヅチ(玄能)を使い、繰返し作業することで、コツやカンをつかんでいきます。釘打ちは、トントンカチカチ・・・
音を聴きながら、手の感触を感じながら作業します。

アフターアフター:この堂々とした道具づかい!


シュタイナーによると、この年齢は意志の教育が大切であるそうです。

 意志とは

「自分らしく生きる力」。

それは、同じことを意識的に繰り返すことによって育まれるそうです。

自分らしく生きる力。今日本人が誰もが欲しい力ではないでしょうか?



この研修は、日本グット・トイ委員会との連携研修です。詳細はコチラ 申し込みはコチラ

日 時:2014年8月20 日(水)~22日(金) 

                    
会 場:岐阜県立森林文化アカデミー(美濃市曽代88番地)内 「森の情報センター」
         ※会場内は複雑ですのでアカデミーHP(http://www.forest.ac.jp)内の
           「アクセス」にある「構内地図」をご覧ください。

     
対 象:保育関係者(定員20名。先着順)

研修費:ひとり32,400円

研修主任:ものづくり講座 松井勅尚