2011年4月14日木曜日

こんなん咲いてました81

新入生を迎え入れた森林文化アカデミーでも、今週から早速1年生の授
業が始まりました。窓の外に目を向けてみると、あたりの林は芽吹きの
シーズン真っ最中です。

この時期の新葉は、まだ緑色が濃くなくて、いわゆる若草色をしていま
す。もう少し春が深まり、初夏を迎えようとする頃には木々の緑も濃く
なり、今のような美しい芽生えは見られなくなります。

みずみずしい若葉は、文字通り水分も多く、色もおいしそうに見えます。
緑色が薄いのは葉緑素がまだ完全に揃っていないため、葉に含まれるカ
ロチノイドなどの色素の色がより鮮明に見えるからのようですね。

この時期に虫に葉を食べられるということは、その年の稼ぎ(光合成)
をすべてふいにするということになるはずですから、柔らかくておい
しそうな新芽には色々な毒が含まれていて、食べられるのを防いでい
るようです。

夏には地味な樹木も、春先には美しい色を見せてくれます。
まずはリョウブ。花は地味で、あまりぱっとしない(失礼!)植物で
すが、春先のこの時期の芽吹きは、きれいな花にも劣らない美しさで
す。

110412CLEs.jpg

この新芽を塩で揉んでから炊き込みご飯にすると、香りが立ってよい
そうです。私はやったことがないのですが・・・。

二番手はエゴノキです。エゴノキもリョウブと同じく、鮮やかな緑と
いうよりは、少し黄色がかかった「もえぎ色」のような緑です。

110412STYs.jpg

よく見てみると、先端にまだ使われていない冬芽が残っています。こ
れを「副芽」と呼びます。予備の芽としての機能があると言われてい
ます。エゴノキは副芽を持つことの多い樹木です。

さらに拡大して見ると、葉柄に茶色いつぶつぶが見えますね。これは
エゴノキの特徴の一つである星状毛です。エゴノキは裸芽ですので、
おそらく芽の表面をびっしり覆っていたものが、葉の展開に伴って広
がっていったのでしょう。葉柄に限らず、葉全体に存在しています。

桜の花もきれいですが、身近な新緑を愛でる「お葉っぱ見」があって
もいいかなと思いました。ナニ? 葉っぱ見ても酔えない!?
ごもっともで・・・。