2011年11月2日水曜日

林業再生講座  「森林情報 第3回」 講義・実習

林業再生講座 「森林情報」 の第3回目の講義と実習開催

森林GISなどの森林情報に関する講義と実習の3回目を開催しました。
この講座はクリエーター科の「林業再生講座」で提供されるものです。

前回は森林研究所の古川邦明部長さんにGPSやGIS、レザーコンパスによる測量について学びました。
今回は、GISをより深く掘り下げた講義と実習を、森林研究所で古川邦明部長さんに実施して頂きました。

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最初に、小型(ハンディ)GPSの基本 について学びます。
1.GPSの電源は現場で入れるな、山には入る前に入れろ。
2.GPSにはその機種特有の持ち方がある。首から下げて持ち歩くな。
3.GPSデータをとる場合は、数秒立ち止まってとれ。
4.GPSは体から話した方がよい。



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GPSには衛星のデータを利用しているが、正確なときは上空で衛星が正三角形の配列になった時であって、受信している衛星の数が多くても、配置が悪いとデータにズレが発生する。

ソフトによって座標系が異なることがある。それが日本測地系世界測地系かで大きく異なるため、混同しては行けない。
日本では地球の球体に「ベッセル楕円体」を採用しており、2002年からWGS84座標系による世界測地系に順次変更しつつある。
ちなみに多くのカーナビは、日本測地系のままです。


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日本測地系と世界測地系では写真のように400~450mのズレが生じてしまいます。

またGPSには「単独測位」のもの、つまり衛星データのみを利用するものと、「DGPS(デファレンシャルGPS」と呼ばれる海上保安庁から発せられる地上波をビーコンで受信補正するものとがあります。
DGPSは場所が平坦地であれば精度が高く、50cm~数mの誤差となり、一見すると、地上波まで受信するDGPSの方が優れているようにも思えます。しかし私たちが対象とする「山」、つまり山間地はそもそも電波状況が悪く、単なるGPSが測定できるのにDGPSが計測できない場合もあります。

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既存の歩道や作業路をGPSの電源を入れて進み、図面上にそのトレースを入れる。つまりトラッキングすれば、現在の山の道情報が簡単に入手できます。

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それでは屋外で、GPSと地図情報などを入れたPDA、そしてレーザーコンパスを組み合わせて測量しながら、地図データに測量軌跡をデータ取得してみます。
最初にPDAの取り扱いを学びます。これは慣れないと、結構難しい。

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PDAを操作したら、レーザーコンパスで目標物を見通します。測量できるとPDAから完了の合図(チャイム)があります。データを読むと、斜距離、方位角、傾斜角などがデータとして記録されていました。

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左が指導して下さった古川部長。右の野村さんの被っているキャップ(帽子)、一見駄さく見えますが、GPS専用のキャップです。
キャップの頂点にGPSを入れる袋があり、そこからブルートゥースでデータをPDAに送信するのです。

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次は吉川さんの挑戦、慣れないPDA操作に四苦八苦しながらも、取り扱いをマスターしていました。

来週は県庁でのGISデータの利用方法を学びます。

報告 ジリこと川尻秀樹でした。