2012年3月2日金曜日

施業プランナー養成基礎研修 終了 その2

岐阜県の森林整備の要となる
「施業プランナー」養成基礎研修の研修実績発表&終了式が開催されましたので、その実績発表会の内容の一部を紹介します。

な、施業プランナーは平成24年度から資格制度となることが決まっております。岐阜県では本年度は基礎研修16日間に18人の参加者が、ステップアップ研修9日間に14人の方が参加されて、旅立たれました。


最初に、施業プランナーで一心同体となるフォレスター候補者たちと基礎研修終了者によります記念撮影です。修了書を持っているのが基礎研修終了者、持っていないのがフォレスター候補者のみなさんです。

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発表は人によって段階がまちまちですが、基本的に施業提案するまでの森林簿データ整理や現地踏査、そして提案するための地域座談会までが第一段階。
次に所有者立ち会いの下の森林境界確定、測量、林分調査までが第二段階。以下は複雑なので簡単にまとめると、施業、作業道があれば線形設定や開設、木材搬出、販売、収益所有者還元が第三段階。
そして最後に重要なのが、PDCA回路を回転させるための日報管理や工程管理の見直し、改善などが第四段階です。

さて、具体的な発表の事例です。まずは図面上に人工林の状況を記します。
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次に路網計画です。所有者に提案する前に、人工林の利用間伐を説明するため路網計画をつくります。
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続いて、間伐などを実施して、「10年後に森林がどれほどの蓄積なるのか?」などを所有者に確認できるような予想表も作成しました。
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この写真は地域座談会の風景です。こうした地道な活動で、森林整備する意欲に火がつけば、飛躍的に森林整備が進みます。
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次に、現地で所有者立ち会いの下、森林境界を確定してゆきます。
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ここで他の地区の事例を見ましょう。
発表しているのは岐阜県森林公社の坂本さんです。

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同じように人工林を年齢(齢級)で塗り分けて、そこに路網線形を記入しています。
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森林組合の人と一緒になって、計画づくりをして、座談会の臨んでいます。
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写真などで仕事の状況を記録し、作業に使った機械など工程を見えるようにすれば、森林所有者も仕事に納得してくれます。
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将来、この森林がどのような成長をして行くのかも、こうした図表現すれば所有者理解が得られやすくなります。
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こうした活動によって
(1)山に関心の無かった森林所有者の意識に変革が見られた。
(2)分収造林契約の契約期間延長手続きに所有者の理解が得やすくなった。
(3)集約化したことで小規模な森林も整備できるようになった。
(4)集約化によって、隣接する民有林に作業道を通すことができた。
(5)作業道管理者や市役所との協議によって、残土処理もスムーズになった。
など、提案型集約化施業は大変な作業ですが、得られるものも大きいものがあります

また、発表者によっては作業道脇に集積した丸太をテープで区分し、ピンクのテープには森林所有者名を、黄色いテープには木材の搬送先をしるして、作業員との連絡合理化を図った事例もありました。
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発表が終わるたびに、参加者から多くの質問が出て、なかなか予定通りに進みませんでしたが、最終講評として森林文化アカデミーの横井先生、杉本先生、森林整備課の池戸技術課長補佐から、暖かいお言葉を頂きました。
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最後には、県庁森林整備課の高井課長さんから、ねぎらいの言葉と今後への期待のお言葉を頂き、5月からの研修を終了したのです。
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みなさま、研修生も普及員さんも本当にご苦労さまでした。
また、この研修に講師として指導して下さった先生方、現地でお世話になりましたみなさま、陰ながらご支援頂きました森林整備課の皆様、そして私が個人的に大変お世話になりました森林整備課技術支援室の下野俊彦さんに、感謝申し上げます。

さて、平成24年度はこの研修も、更なるパワーアップをします。今後ともみなさまのご協力とご参加を期待しています。

ジリこと川尻秀樹の報告でした。