2012年5月20日日曜日

平成24年度 岐阜県 「施業プランナー育成研修」 第一回開催

 今年も始まりました。岐阜県の「森林管理の要」である”施業プランナー研修”のシリーズ

  今年は 1.施業プランナー育成研修
        2.施業プランナー上級研修
        3.施業プランナー技術維持研修 の3本立てです。

 本日、研修を開始した「「施業プランナー育成研修」 は、5月から2月下旬まで、合計16回の研修通して、森林整備をすすめる技術者の養成、担い手づくりをするものです。

 今年は県下の森林組合、林業事業体、建設業、森林公社から18名の研修生が参加しました。そしてそれを支える林業の普及員(AG)も出席しました。

 開講に際して、森林文化アカデミーの瀬上繁隆副学長から、施業プランナーの重要性についてのお話と施業プランナーに対する期待の言葉を頂きました。

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 ついで、岐阜県庁森林整備課の森林組合・担い手担当である河本技術主査からお言葉をいただき、林業行政の面からも施業プランナーに期待するとのお話がありました。

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 さて、本日最初講義です。
森林文化アカデミー横井教授から、「森林・林業の現状と目標林型」について、講義あがりました。

 講義の目的は 1.知識・情報の習得によって、行動・態度の変容
           2.自らの仕事立ち位置を知る
           3.仕事の方向性を確認する

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 木材需給の動向や森林計画制度のおさらいなど、さまざまな振り返りをするとともに、研修生に同伴出席している普及員の方たちにも参加して頂いて講義を進めました。

 みな、久しぶりの講義に少々緊張気味になっています。腕を組んで考えている研修生もいます。

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 単なる人工林化の時代は終焉した。現在、人工林の資源は充実してきている。収穫可能な人工林の増加。小規模の個人所有が多い。材価の過去の栄光を振り返るな。現在の価格は国際標準価格。林業の機械化が進行。という、現状を認識すること。

 「施業」=「一連の作業の積み重ね」、一回一回の間伐は「作業」である。
   施業プランナーは「将来の姿(目標林型)を示した上で、そこに至る道筋を示し
               そこに至るための作業(今回の間伐)を提案する

 「森林施業の哲学」・・・本田宗一郎が言った「理念・哲学なき行動(技術)は凶器であり、行動(技術)なき理念は無価値である」から考えれば、
      森林施業にも理念・哲学は必須である。


 午後からは施業プランナーと森林経営計画について、下野俊彦技術主査が講義です。
今年から始まる「森林経営計画」それを作成するのが施業プランナーの役割でもあります。では具体的などのようにすべきか?その計画策定、施業実施、分析・改善についての「提案型(集約化)施業」について考えました。
 経営計画の円滑実施には、経営者や森林技術者との連携・協力が必要です。施業プランナーの仕事の実現には、この関係が成り立ってこそです。

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 最後に、先輩、施業プランナーであり、恵南森林組合の戸根伸剛さんに、アドバイスを頂きました。
昨年、研修の中盤でこうした「先輩プランナー」のお話を入れたところ、研修の初日に聞きたいという声が多かったので、今年は初日に実践的な取り組みをされている戸根さんからお話を頂きました。

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 戸根さんは25歳の時に上矢作森林組合に入って、山のことは何も考えず、言われるままに切り捨て間伐をしていたそうです。
 しかし、そこで「この切り捨てて放置する間伐材、もったいよね~」という一言から、独自の考えで新たなる考えを持ち、家族を養いながら山を良くして行くにはどうしたら良いか?
 真剣に考えるようになったそうです。・・・・みなさん、こうした身近な話は、食い入るように聞いていました。

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 さて、第一回目の研修、9:30から始まり、少し時間オーバーの17:00までと、皆さんご苦労様でした。次回は来週の25日です。がんばりましょう。

以上、報告、ジリこと川尻秀樹でした。