2012年9月4日火曜日

ツリーワーカーレベル1+α 特殊伐採のためのツリークライミング®技術 その2

特殊伐採のためのツリークライミング®技術
    ツリーワーカー®セミナー レベル1)    ~ その2 ~
 岐阜県で初めて開催した「特殊伐採のためのツリークライミング®技術(ツリーワーカー®
セミナー レベル1)」の二日目の報告です。

 中部大学の教授のジョン ギャスライト(John Gathright)博士が日本に運んできたと言って
も過言でないツリークライミング®は、海外では、Arboriculture(以下、アーボリカルチャー)とか
Arborist®(以下、アーボリスト)、Tree Worker®(以下、ツリーワーカー)という分野で仕事に利用
されています。

 全世界統一の技術はISA(International Society of Arboriculture)によって常に改変され、最先
端の安全と効率的な樹上作業を目指す技術者の注目の的です。

 今回は世界スタンダードなISAのツリーワーカー資格試験に準じたツリーワーカー®セミナー
 
レベル1
をヘッドトレーナーである森田弘行さん(FOREST GARDEN フォレストガーデン)に指導
して頂きました後半戦を報告します。



 二日目は樹上の枝などを下ろす「リギング」技術です。最初に森田さんがシステムについて簡単
に説明してくれました。一般的に使用されてきたポータラップの欠点はどこにあるのか?
 そもそも危険木の判定やロープやギア類を使い分け、カラビナ類はカーボンスティール類など、
作業は樹上作業者と地上作業者が協力して実施すること。などなど様々なポイントを説明されま
した。


 さて、これが本日対象とするタイワンフウです。胸高直径70cm以上、樹高約28mの枝下ろしに
挑戦です。

 最初に、対象木の幹下部や根元部分に腐朽部分や根腐れが無いかの確認をすること。樹上に
枯枝や折損枝がついていないか、様々なチェックをすることを説明されました。



 森田さんの右腕である和田さんが、地上で幹本体にポータラップをセットして、次に樹上でリギ
ングブロックやリギングロープをセットして、切断した枝が不用意に落下してくることがないように
切断予定枝をハーフヒッチとクローブヒッチで固定して準備完了です。

 その枝を3カット方式で剪定します。


 和田さんはツリークライミングロープとランヤードで自分の体を確保し、ステップ部分にも短い
ストラップを使って体がぶれないようにしています。
 ちなみに、枝が大きいため2回に分けて切断することし、和田さんは樹上で横向きになって作業
しています。

 また、ポータラップ操作以外に、この枝にはタグラインもセットして、切断した枝が樹上の和田さん
にぶつからないようにしています。

写真中央下に道路にゆっくりおろされた枝がありますが、写真上方に黄色いシャツの和田さんが
写っているのが確認できますか?
 ポータラップのおかげで女性の鈴木さんでも、簡単に枝をゆっくり、安全に下ろすことができま
す。


 次にフィドルブロックを使って、太い枝を上方に持ち上げて切断する実演です。リギングロープのアンカーを変更して、滑車を経由して別の木をポータラップのアンカーとし、そこにフィドルブロック
をセットする方法を森田さんが説明しています。
 これは剪定する枝や太い枝を、上に持ち上げなければ処理できない現場で、少量の力で作業
するシステムです。


 初めての人でもチームワークでポータラップによるリギングロープ操作とタグライン操作して、
簡単に枝下ろしができました。
  ちなみに使用している器具類はいろいろなショップで販売されていますが、見よう見真似で使用できるようなものではありません。くれぐれもご注意ください。


 最後に今回の講師陣と研修受講者です。
後ろ左から 田口、長屋、熊崎、江崎、谷、藤井
前左から 谷口、周戸、ジリ、森田、鈴木、和田、山本、高橋 (敬称略)

 みなさんご苦労様でした。以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。