さんから、試験研究機関としてどのようにGISを駆使されているかを講義頂きました。
地理は情報を持っていますが、これは書籍の目次や索引と同じようなものです。そうしたデータと
ソフトを結びつけることが重要で。GISの機能を発揮させるには、データや機械を操作する人、解析する人が作業フローを含めて考える必要があります。
●ベクトルデータは①位置のみを示す ポイント(山の頂上など)
②距離がある ポリライン(谷や路網)
③面積がある ポリゴン(面、多角形)
このベクトルデータには属性テーブルがある。
●ラスタデータ点で連続的に変化するものをセルで表現し、標高、傾斜、写真など表します。
私たちが普段目にする森林基本図は1/5000で、500m間隔でメッシュが入っています。このため
地図上で概ねの距離感は分かりますが、それが曲がりくねった作業道などになると全く違います。
GISならば簡単に距離が示されます。
GISでは主題図の重ね合わせによって、簡単に瞬時に様々な画像を見ることができますが、
そのためのデータ入力は相当大変です。
注意点は利用するデータの「測地系」・・・日本測地系か世界測地系(JGD2000、WGS84)か。
座標系は何か、平面直角座標系か。日本の19座標系のうち、岐阜は第7座標系を使うこと。
古川さんが実際の現地データを基に解析した結果を学生に見せて説明してくれました。
GISで重要なこと
・実世界をモデル化してデジタル化するところに最も経費が要する。そのデジタルで可視化する
までは何とかできる。
・しかし可視化したものを意思決定して、その次のアクションに結びつけて、実世界に反映できな
いのが(フィードバックできないのが)現状の問題。
上の写真は山の傾斜角を図式化したもの、作業道を作設する場合の構造物の関係で、傾斜角
が32度以上37度未満は黄色、傾斜角が37度以上の急傾斜地は赤色で示してあります。
やはり日本の山は急なのが、図示されて良く理解できます。
受講して学生からは、「農業委員会のように行政自体が農業計画を把握しているように、林業で
も行政と森林所有者が委員会を作って山を地域全体で管理する意識感覚を目覚めさせるような
仕組み作りが必要ではないか」という意見もありました。
次回はレーザーレンジコンパスとGPSを駆使して、カシミールソフトの操作などを実施する予定
です。
今回は森林研究所の古川部長さん、いろいろ有り難う御座いました。
以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。