アーボリスト研修の第二弾、JIRIの報告です。今回は建物周辺でのリギング実践から学びます。
研修内容はベーシック・アーボリスト・トレーニング-2(Basic Arborist Training-2 BAT-2)で、
ジョン ギャスライトさんのアーボリスト®研究所ではBAT-1と2で
・ISAとツリークライミングとは
・枝降ろし時のロープワークと力の理解
・ライトリギングテクニック、リギングシステム
・スピードラインシステム
・樹上でのポールソーの取り扱いテクニック
・仕事の形態や樹形による多彩なリギングテクニック などを学びます。
この講習会で最も重要視されるのは、樹木の安全と作業者の安全です。
最初に道具の説明、使用方法、管理方法、安全のためのワンポイントアドバイス!
初歩的なことを言えば、カラビナは強度保証のあるスチールかカーボンスチール、3アクション
2ロックが常識、これは人の安全確保のため。
参加者が当初から過剰な投資をしなくても、安全なアーボリスト手法があることを、アシスタントの
和田さんが示します。
和田さんのスローライン投擲技術に見入る参加者。的確に目標を捉え、拍手喝采!
トレーナーの森田さんは、樹上の和田さんに剪定する枝とリギングする部位について、指示を出
して研修生に、安全に作業するために何に気を配るのかを伝えます。
そして、樹上で和田さんがどのような処理をしているのかを解説します。
和田さんは樹上で、実施する作業内容を説明し、かつ地上の森田さんや研修生との意思疎通を
図ります。
剪定する枝は太さが直径20cm以上のものばかり、樹上の重量配分とポータラップ操作、家屋の
屋根部分への影響、道路状況を判断して重さ100kg以下になるようなリギングを実施しました。
屋外での見本操作を見学した後に、室内でロープのかけ方、ポータラップ類の操作方法を学び
ます。
荷下ろしには、①ポータラップ、②RC-1000、③Tree Pro RIGGER、④GRCS の4種類を説明。
各々に特徴がありますが、Tree Pro RIGGERは安くて、安全操作が簡単と言うことなし。
リギングでは荷下ろしの操作も重要ですが、樹上でのロープ掛けも重要。
どのようなロープさばきをするのか、様々な状況を想定して、スパイダーレッグやソウ・スリング
リギングロープ、ノットやヒッチなどを説明されました。
大筋の枝の切断は樹上のアーボリストが実施しますが、最後の切断は地上で作業するグラウン
ド・ワーカー(Ground Worker)が行います。
枝を下側に折り曲げるときもあれば、状況によっては上側に折り曲げるときもあります。この時、
人力では力不足になることもあります。
現場では、GRCSなど様々な方法がありますが、今回はフィドル・ブロックの使用方法を学びまし
た。
上野写真のシステムで1/5の力で操作できます。
和田さんが手際よくリギングロープを設定し、剪定していきます。
上の写真は長さ15mほどの枝を二分割して、先端部分をタグラインで誘導しながら、リギングし
ている光景です。
写真の中央に。切断された枝の木口面が見えています。
和田さんの仕事は丁寧で、仕事の美しさはさることながら、作業開始と終了時に必ず声かけ
(コール)しています。更に手ノコは一切断面毎に鞘に収めて、安全確認されます。
これは作業者の安全のために重要なことです。
BAT-2ご参加の11名のみなさん、大変ご苦労さまでした。
あなたもとうとう、アーボリスト&ツリーワーカーの仲間入りですね。これからは安全第一で
作業に取り組んで下さい。
さて、今回のベーシック・アーボリスト・トレーニング-2、昨年の参加者の要望にお応えして、
開催致しましたが、来年も参加希望者がいるでしょうか?
来年も不安が残るJIRIこと、川尻秀樹でした。