生涯学習講座ステップ3「つな森サロン」の視察ツアーが実施されました。
今回は、今年度のサロンの目標、薪を燃やして作った熱の循環を最大限活用した暖かいイス「ヒートベンチ」を作るために様々な熱利用の先例を見に行くためのツアーでしたが、様々な熱利用の仕組みを知るだけでなくそれを利用している人々の様々な暮らしぶりや生き方、考え方に触れることのできたそれはそれは
充実した2日間となりました。
土壌の世界から地球と人とのつながりを追求しているパーマカルチャリストの四井さん宅では、パーマカルチャーデザインの基本理念、排泄物を土に返すことの重要性、コンポストを中心に広がる暮らし、薪ボイラーや地熱の活用などについて様々な仕掛けが隠されて
いるご自宅を見学しながら説明していただきました。
地球の上にしっかりと立って家族と暮らしている四井さんの生き方が印象的でした。
お次に訪れたカナディアンファームでは、到着早々、目の前に広がる様々なセルフビルド群に圧倒されました。そしてその中に隠された様々なヒートシステムを次々と紹介してもらいましたがそこには、トライ&エラーで蓄積してきたノウハウがギッシリとつまったものでした。
「視察して他人のを見ちゃったら面白くないでしょ。自分で考えるからいいんだよ。」
全てをひらめきと挑戦、実験と観察と試行から作り上げてきた、建築も溶接も料理もマルチにこなす発明家のようなオーナー、ハセヤンの生き方が印象的でした。
翌朝は、サロンメンバーの友人である塩原さん宅を訪問。ご主人手作りの自家製酵母パンとおいしいコーヒーを食べながらいろいろとお話を聞きました。近所に暮らすチェコ人のイエルカ・ワイン氏のつくるストーブのとなりで朝食を食べながらお話を伺いました。そこに暮らす人のぬくもりや愛情に満ち溢れた心地よい空間を体感することを通して、建物や空間の快適さや温かさは、そこに暮らす人間が創っていることを実感しました。
お次はいよいよヒートベンチそのものを取り入れているおしゃれな古民家カフェ「オハナ」を訪問。
あいにく、私ナバは原因不明の腹痛と下痢に急遽襲われ、外でもんどりかえっておりましたが(笑)、他のメンバーは、おいしいマクロビオティックのレシピのランチを食べ、さっそくヒートベンチの仕組みについてオーナーを質問攻め。温度チェックをしながら煙の流れをコントロールすることで、ヒートベンチ内の温熱の流れをうまく活用している
ことが分かりました。
最後に、ご自宅もセルフで仕上げペチカを活用されている、おおえまさのりさん宅を訪問。これまた室内には素敵な空気とぬくもりが漂っていました。やはりそこに暮らす人の空気なんですね。かつては「いのちのまつり」の中心人物として活躍され、チベット死者の書の訳本やその他多くの本を書かれているおおえさんと、やさしくエネルギッシュな絵を描かれ、今は徳島の浄瑠璃人形づくりもされている奥様と、ペチカのとなりでお話できたことが本当にうれしく思いました。
ヒートベンチを視察しようということからはじまった今回のツアー。
八ヶ岳の麓で、「火」を囲み、地球の上にしっかりと立って暮らしている、
そして愛情あふれる人たちの生き方、暮らし方に触れる旅となりました。
今回ツアーに参加した15名も、とっても素敵なエネルギーをいただいたように思います。
今年度もがんばりましょうね。 楽しみです。
自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
萩原ナバ裕作