エンジニア科の森づくり実習の第一回目は、郡上市八幡町小那比ナカソレの郡上市有林での
ヒノキ人工植栽を体験しました。
この作業には、郡上市の林務課、岐阜県庁森林整備課、岐阜県森林研究所の方々が協力して
下さっています。
平成23年度から平均45度の急斜面にヒノキの苗を植えてきたものの、ニホンジカやニホン
カモシカ、ニホンノウサギによる食害や、植栽されたたもののその後の成長が不良な植栽木
をエンジニア科1年生が植え替え作業をしました。
最初に、岐阜県庁林政部森林整備課の寺田技術課長補佐兼係長(写真中央後ろ姿)から、
岐阜県がすすめる「省力造林」のためのコンテナ苗試験についてお話し頂きました。
写真の左下にあるのが、コンテナ苗です。細長いポットが連結したコンテナでヒノキの苗が
育てられたものです。
コンテナから苗を引き出すと、上の写真のように、根が培土を巻くように固まっています。
下にあるのは唐鍬(グワ)です。根の部分の長さは約15cm、このコンテナ苗は出荷前に水分
調整して出荷することで、コンテナから苗が抜きやすくなります。
実習では普通に苗畑で育てた「裸苗」も体験植栽するため、原島先生がこの「裸苗」の植栽方法
について、お手本を示しながら説明されました。
穴の堀方、落葉落枝や腐葉土の取り扱い、根の広げ方、土のかぶせ方、締め固め方など、植栽
に関する様々なことを学びました。
続いて、森林研究所の渡邉さんから、コンテナ苗の植え方、注意点について説明を受けました。
斜面で植え穴を掘るため、結構深く掘らなければいけない点がポイントです。
学生は「裸苗」と「コンテナ苗」の両方を植栽地に持参しますが、コンテナ苗は竹製の腰籠に
入れて現地に運びます。
現地ではha当たり3,000本植えなので、1.8m間隔で苗を植えていきます。
コンテナ苗は裸苗に比較して、根が片方に偏る「鳥脚」にならないよう根を広げることを意識
する必要がないため、その分だけでも作業効率が上がります。
またコンテ苗は裸苗に比較して、根系が乾燥しにくい傾向があり、植栽の初心者でも失敗し
にくい点がポイントです。
さて、今回は目標とした植栽本数には達しませんでしたが、なんともやり甲斐のある植栽に、
エンジニア科全員がへとへとになって帰路についたのです。
次回は4月30日です。以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。