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塗り方を説明するキャピタルペイントの水谷穣さん(右) |
今回は2月2日にキャピタルペイントの水谷穣さんを講師に招き、水性ウレタン塗料とオイルフィニッシュについて学びました。
塗装の研修は、こうして塗料メーカーの方を講師にお招きして実施することが多いです。その理由は、塗料の技術革新は日進月歩であり、常に新しい情報を提供したいから。安心・安全な塗料を求める木工関係者や保育関係者に喜ばれています。一方、塗料メーカーの方にとっても、ユーザーの声を直接聞ける良い機会になるようです。
さて、今回の塗料は水性ウレタンとオイルフィニッシュ。
ウレタン塗装というのはよく聞きますが、「水性ウレタン」とは何でしょうか。ウレタン樹脂を含む液体で、乾くとウレタンの膜ができるのは同じですが、水性ウレタンは溶剤が「有機溶剤(いわゆるシンナー)」ではなく「水」なのが特徴です。
環境にやさしい塗料が求められる今、水性ウレタンが木材塗装の主流になりつつあります。
水性ウレタンにも、しっかりツヤのある膜をつくるタイプや、中に染み込むので膜をつくらず白木のように見えるものなど、いろいろな種類があります。今回はヒノキの板を用意して、参加者の方たちに試してもらいました。
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しっかり膜をつくるフレッシュアクア(中央)、 白木仕上げのワンダー水性(左) |
そしてオイルフィニッシュ。一般的には、酸素と結合して固まる性質をもつ油を塗ることを言いますが、今回お持ちいただいたのはウレタン樹脂を混合したオイルです。オイルフィニッシュの特徴はオイルが染み込むことによるしっとりとした肌触りと自然な風合い。その反面、厚い膜はできないので耐水性などはあまり強くありません。その欠点を補うため、水や汚れに強いウレタン樹脂を混合してあるのです。いわばオイルとウレタンの良いとこ取りになります。
この塗料は食品衛生法の試験もクリアしているので、木のお皿に塗っていただきました。
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ウレタンを含むオイルフィニッシュのオリオ2 塗布後すぐに研磨するウェットサンディング中 |
塗料には実にさまざまな種類がありますが、オールマイティーなものはありません。「床に傷がつかないよう厚い塗膜で守りたい」「おもちゃをカラフルに塗りたい」「いつまでも木の白さを保ちたい」など、使う人が必要とする性能や仕上がり感に合わせて塗料を選ぶことが大切です。これからもこのような研修を開催して、木を使う多くの人によい塗料との出会いを提供したいと思います。