2014年6月20日金曜日

京都府立林業大学校 皆川農林水産事務次官特別講義を聴講

京都府立林業大学校は設立以来、皆川農林水産事務次官を講師に招いて特別講義を開催されています。

今年も去る6月14日に京都市内で開催され、森林文化アカデミーにもご案内をいただきましたので、この機を逃すことは無いと、勇躍学生13名と教職員4名に、涌井学長も参加させていただきました。


当日は京都府立林業大学校、森林文化アカデミー、長野県立林業大学校、静岡県立農林大学校、島根県立農業大学校、京都府立農業大学校、京都府立大学、京都大学の皆さん、100人余の参加がありました。

京都府立林業大学校の副校長さんの開会あいさつに続き、長野林大、森林文化アカデミー、京都林大が、各校の紹介を各5~6分行いました。

わが森林文化アカデミーからは、クリエーター科2年林業再生講座の富井君が代表してプレゼンをしてくれました。


さて、皆川次官特別講義です。
今年の演題は「日本林業の将来を君たちに託す!」。熱い演題です。

冒頭、現在絶賛上映中の「WOOD JOB!」についてのお話がありました。皆さんは見ましたか?

矢口史靖監督のこれまでの作品は、若者が多く進出することになる分野をとらえて監督をされているそうです。だから林業を学ぶ皆さんは早くにそこに着目したということで、素晴らしい!というエールで始まりました。


今後迎える人口減少社会の中、人口増は東京圏と名古屋圏だけで、全国的に無居住地が増加。自立できる産業を興さないと地方は滅亡する。一方で森林資源は利用期を迎え、また新たな木材需要も生まれつつある。

ここで林業の成長産業化を図らなければならない。木は使ってナンボの資源で、国内資源をつかう方向に消費・流通側の体制整備を施策誘導している。今こそ資源供給側である山村は、持続的な森林経営、安定供給できるよう努力して、木材産業界のこうした取り組みに応えなければいけない。

これを担う若者の活躍に期待するということで、皆川次官のお話は締めくくられました。


さて、特別講義の後は学生さん達との交流会、意見交換の時間。

最初に各林業大学校の地域交流・貢献活動の実例を引率の先生から紹介されました。
森林文化アカデミーからは杉本先生が、地域行事への参加、地元の幼児を対象にした森のようちえんの実習等の教育と地元貢献を融合した教育活動を紹介。京都林大、長野林大からもそれぞれ紹介がありました。


学生からも各校それぞれ紹介がありましたが、森林文化アカデミーはクリエーター科2年の竹川君が紹介。森のようちえん活動、地域の人から話を聞く聞き書き実習、一軒家の空き家をシェアして下宿生活している仲間の話、OBが地元産ヒノキを材料に郡上踊りに適した下駄づくりをしている話などをしてくれました。


こうした話を受けて、皆川次官からは、農山村で一番欠けているのは若人。農山村の人たちは、その地域や歴史などに自信を無くしている現状がある。そこに林大があることで、地元の人たちと若人の交流が生まれ、自信を回復することができるというお話。

京都林大の只木校長先生からは、地元との付き合いがあっての京都林大で、開学3年目だがよい関係が育ちつつある。入学式の日に地元の人たちが餅つきをして祝ってくれた。新入生も一緒に餅つきさせてもらって、とてもよかったと紹介がありました。

さて、時間が無くなってきたので学生さんから時間への質問は、長野林大から参加の女学生さんお一人。

県によって林業で取り組むべき課題が違うことがわかった。国として私たち若い人に期待するものは何か。という質問。

次官からは、その地域の特色を生かして、地域の中で付加価値を付けて循環させる仕組みづくりをしないと、山村・林業の再生につながらない。この循環の仕組みづくりを考え、その実現にぜひ携わってほしい。という回答をいただきました。


最後に全員で記念撮影。以上3時間に及ぶ特別講義のレポートでした。


なお、この日は午前10時30分から、別室で来年度入学生を募集する学校説明会も同時開催。
森林文化アカデミーも場所をお借りしてPRさせていただきました。


森林文化アカデミーのオープンキャンパスは、来る7月27日(日)、8月23日(土)に、岐阜県美濃市の森林文化アカデミー校舎で開催します。詳しくはホームページでご確認ください。