2014年10月31日金曜日

なぜを繰り返し、生産システムの問題の本質を発見する

今回はクリエーター科林業再生講座の「生産管理の技術」という授業です。

よく素材生産の目標として、

「高性能林業機械を導入して生産性を上げる」
「一人一日10m3/人日を目指そう」

などが掲げられることが多いですが、
生産システムの目標とは何でしょうか?

果たして生産性を上げることがシステムの目標でしょうか。

いいえ違いますね。

お客様のニーズに合うものを、必要な時に必要なだけ
渡してあげること。よくいう言葉でいうとQ(Quility)C(Cost)D(Delivery)を満たすことが
重要です。



ということで、実際の素材生産現場に行き、
現状の問題点を考えることにしました。


講師は豊田自動織機で「トヨタ生産方式」による改善支援を実施していた
圓谷公康先生です。プランナー研修でも講師をしています。




現場を提供して頂いたのは、
クリエーター科1年生の遠藤さんです。
実家が素材生産業を営んでいます。


皆伐の現場で

チェンソーによる伐倒 ⇒ グラップルによる木寄せ ⇒ プロセッサによる造材
⇒ グラップルによる積込 ⇒ 8tトラックによる中間土場までの運搬

という流れです。


現場での人の動き、機械の動きを見て、「モノと情報の流れ図」を書きます。



「トヨタ生産方式」で大事なのは、「徹底した原価低減」「ジャストインタイム」の2本柱です。
そのために、モノが滞留してリードタイムが長くなっていないか、後工程が詰まっていないか
など問題点を観察します。




現場の後で、会議室で問題点を共有しました。

例えば
「ボトルネックのプロセッサの前に在庫が溜まっている」
何故?
「グラップルが運んでくるから」
何故?
「伐倒手が木を伐るから」
それでは
「プロセッサの作業がしやすいよう、一本ずつプロセッサ作業に合わせて伐ることができないか?」

などなど問題点を深堀していきます。


トヨタ生産方式は何も「かんばん」を導入する、後工程引取りを実施する
という目で見える部分だけではありません。


「なぜなぜ」を繰り返し、本質的な問題を探っていくことが大事です。



次回はさらに深堀を進めていきます。



訂正:
QCDのDがDemand(需要)となっていましたが、Delivery(納期)の間違いです。
必要なタイミングで必要な物を提供することが大事ということです。
指摘して頂いた方ありがとうございました。