2015年1月15日木曜日

愛されつつも失われてゆく古民家


    

 

山村づくり講座の「地域プロジェクト実習」では、12年生合同で郡上市白鳥町石徹白地区の古民家の解体・搬出現場の見学と少しだけ作業のお手伝いをしました。
 
富士山、立山と並び日本三名山に数えられる白山。石徹白はその周辺に広がる白山国立公園の南山麓に位置する標高700メートルの高地にある小さな集落です。
 
清涼な水と空気に恵まれ、土地が肥えていて寒暖の差が激しいため、美味しいお米と野菜が取れる石徹白ですが過疎化と高齢化が進んでいます。

こちらはHさんご夫婦の憧れていた古民家。蔵がある大きな家屋で昭和以前より建っているそうです。今回さまざまな事情で取り壊しをすることになりましたが、再利用できる材を持ち主の方から貰い受けることができました。とても立派な造りで、ずっときれいに維持されていたとのことなので、壊すのはとても残念に思いました。
 
 


 

 

今年は例年より早い積雪とのことでしたが、見事な雪景色。
見とれている場合ではありません。この日は50cmほど積もり、雪かきからスタート!



部屋はとても広く、立派な材が使われています。丁寧に造られており、柱や梁は日本建築の優美さを感じます。
 

 
 
 
 


台所の床材を外したら、大きく深い貯蔵庫が出てきました。何を収納していたのでしょう?
 
 




縁板を外す方法を大工さんに教わっています。ずっしりして重みがあります。

 
 
 
 
 


昼食は奥様のお手製の、地元料理を堪能しました。塩付けした鳥肉と白菜の漬物の炒め物と具がいっぱい入った郡上味噌のお味噌汁、かぶらの漬物。
 
皆、あっという間に平らげてしまいました。写真がなくて申し訳ございません。あまりの美味しさに、食べることに夢中で撮るのを忘れてしまいました。()




縁板や床材、扉、家具などいろいろ運び出しました。本当はこの古民家に住みたかったというHさん。材だけでもご夫婦の手で未来へ、何処にどんなふうに生まれ変わるのでしょう。いろんな思いは果てしなく続きます。
 
 
 
 
 
                              山村づくり講座1年  榊原ひとみ

( この授業は2014年12月4日に実施しました。   担当教員   原島幹典 )