前回、演習林で伐倒した2本のヒノキが製材所の前に運ばれています。
製材した後に、どの木のどの部分であったかがわかるように、スプレーでマーキングします。
次に重量の計測です。予想をしてから実際に計ります。 1番玉は100キロ以上あり、予想以上に重いことを実感しました。
合わせて強度の計測を行いました。打撃音計測によるヤング係数を求めます。
製材機まで材を運ぶクレーン操作も学生が行います。
製材の指導は、森林研究所の富田先生にお願いしました。
冒頭に、製材に関する2つの視点をご説明いただきました。
一つは、日本の伝統的な小規模経営の製材所で、経験値の集約により高い職人技術が培われ、それによって、いかに丸太を無駄無く使い切るかを追求した製材です。
簡単に真似のできない奥深い職人技術の世界があることを知りました。
二つは、近代的な効率重視、大量生産型の製材工場の製材です。ここでは、職人技に頼らなくても自動的に高速で製材ができるようですが、たくさんの端材が生まれるため、その処理が問題になります。通常はバイオマスエネルギーとして工場内で利用されることが増えています。高額な設備が必要となるため、規模拡大や資金力が求められるのです。
この実習では、いかに無駄なく使い切るかという、伝統的な製材をめざし、職人技を発揮していただきました。
製材品の挽きたて寸法を計測します。
強度も計測し、丸太の強度との違いを比較しました。
この木材は2年後の自力建設プロジェクト等建築の授業で使われる予定です。
最後に、計測した数値を集計し、山の立木から製材品になると、それ位目減りするのか、逆に必要な木材は、山の木に換算するとどれくらい伐採が必要なのか、そういったボリューム感覚を養えたのではないでしょうか。
以上、報告 原島幹典