2012年7月23日月曜日

「特殊伐採のためのツリークライミング技術研修」のお知らせ


特殊伐採のためのツリークライミング技術研修のお知らせ

(ツリーワーカーセミナー レベル1)

森林文化アカデミーでは、JAAJapan Arborist Association)と共催で
「特殊伐採のためのツリークライミング技術研修」を開催します。

アーボリスト(樹芸家・空師・杣師、特殊伐採などを行う職業)の仕事の一つで
ある特殊伐採には、安全に木を登るためのツリークライミング技術が必要です。
しかし、日本で実施される特殊伐採は、その仕事の多くが林業関係者に依頼がある
ものの、ツリークライミング技術を用いていないために危険な作業となり、事故発
生率も高くなっています。

本研修では、アーボリストの技術研修の中でも、安全な作業環境を確保するための
基本技術であるツリークライミングに的を絞って行います。

世界のツリークライミングワーク技術習得を目指す皆様へ。
是非あなたもこの機会に技術の習得をしてみませんか?

日時:91日(土)~2日(日)

対象者:職業として木の管理を行う方

研修について詳しくはこちらをご覧ください。
なお、今回は申込先がアカデミーと異なりますので、ご注意ください。

2012年7月20日金曜日

授業の一環で「岐阜県森林研究所 研究・成果発表会」参加

今日は授業の一環で、「岐阜県森林研究所 研究・成果発表会」に、エンジニア科
2年生とクリエーター科学生の一部が参加しました。

 引率は横井先生、久津輪先生、柳澤先生、玉木先生、そしてジリです。

 内容は、講演として
「人工林を広葉樹林にもどす可能性」
  ~ 実用化事業 広葉樹林化プロジェクトの成果から~ (独)森林総合研究所の田中浩さん

 森林研究所の研究成果として
「ヒノキ人工林における下層植生の回復を考える(渡邉仁志)」
「スギの造林を見つめなおす(茂木靖和)」
「作業道における表土ブロック積み工法の法面保護効果(臼田寿生)」でした。

最初の「人工林を広葉樹林にもどす可能性」
  ~ 実用化事業 広葉樹林化プロジェクトの成果から~




 人工林を間伐しても前生稚樹がいなければ広葉樹林化しづらい点や埋土種子
による発芽樹種は短命なパイオニア種が多いことなどを、わかりやすく解説され
ました。
 強度間伐しても、大きな前生稚樹の有無が大きな鍵となり、強度の間伐は稚樹
や実生の生存、成長に大きく影響する。
 また、散布種子による侵入可能性を決める大きな要因として、周囲の広葉樹林
の分布に加え、種特性(散布型、種子生産量、豊凶)が重要とのこと。

 
 

広葉樹林かできるところはどこか?

 通常、一回の強度間伐で更新・定着した広葉樹はその後の成長や定着が望める
とは限らない。
 強度間伐は有効だが、将来的には繰り返し間伐によって、混交単層林に誘導する
考えも必要。


「ヒノキ人工林における下層植生の回復を考える(渡邉仁志)」
 
では、


ヒノキ人工林の面積、蓄積が全国2位の岐阜県ならではの考察です。
 ヒノキ人工林では表土流亡が大きな問題です。林地表面を被覆する植生を
発生させるための間伐はどのような間伐か?

 通常の3割程度の間伐では、表土流亡を抑制するほどの植生回復は望めない。
しかし、5割以上の強度間伐や群状間伐は間接的に表土流亡抑止に貢献する。


「スギの造林を見つめなおす(茂木靖和)」では、

下呂市にある下呂実験林。そこの品種比較や本数管理比較実験林のデータ解析
からの検討です。
 上の写真のように、初期成長の良い品種、初期成長の悪い品種、生長量がほぼ
一定の品種など、品種による成長特性があります。

 本数比較実験林の結果から、当初の植栽本数2000本/ha、3000本/ha、
6000本/haの3つの形状比で比較して、冠雪害を考えると2000本/haの形状比
が良いこと。
 また、植栽1年、2年後の施肥効果を見ると、直径成長に有効に働くことなどの
報告がありました。


 最後に、「作業道における表土ブロック積み工法の法面保護効果(臼田寿生)」
では、

 作業道開設時の表土ブロック利用を熟練者施工、初心者施工、表土なしの
心土施工に分けて、法面保護効果について報告がありました。
 熟練者と初心者では、単に施工後の植被率が同じでも樹木が発生するか
シダ類のみかの違いがあったり、熟練者施工は被度の回復が早い傾向が
見られ、表土ブロック積み工法は盛土の法面保護対策に有効であることが
わかりました。

 さて、学生ですが、こうした発表会を経験することで、自分たちの課題研究
の進め方、理論展開、結果と考察、発表方法を学ぶのです。
 みなさん、明日から夏休みですが、課題研究への取り組み、頑張って下さい。

 以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。



こんなん咲いてました89


ようやく梅雨もあけて、本格的な夏がやってきましたね。森林文化アカデミーも夏休みに突入しましたが、集中講義や夏期の実習・インターンシップなど、学生にとっては休む暇もないのではないでしょうか。有意義に過ごしてもらいたいものです。

今回ご紹介する花は、アカデミー構内の林の中に生えていました。ノヤマトンボというラン科の植物です。蘭と言えば、開店のお祝いに送られる胡蝶蘭のような派手な花や、野外では絶滅に瀕している貴重な植物が多いような印象ですが、実は雑木林など、結構身近なところにも、目立たずひっそりと生えている種類があります。


しかし、遠目に見ると地味ですが、近くに寄ってよく花を見ると、とんでもなく奇妙な形をしています。一昔ブームになったクリ○ネや、見ようによっては妖精が乱舞しているように見えなくもありません。足元にメルヘンの世界ですね。


この花をよくよく見ると、黄色いものが見えます。長さは2mm弱くらい。先に小さな吸盤がついています。ちょうどしぼみかけた風船のようにも見えます。これが花粉塊です。ランの仲間は、基本的に塊になった花粉を昆虫に運んでもらいます。


穴の奥にある蜜を吸うために昆虫が頭を突っ込むと、背中に吸盤がくっついて花粉塊が次の花に運ばれるという仕組みになっているのでしょう。よくできています。ランの中には、特定の昆虫を雇って花粉を運んでもらうために、花の形態をその昆虫の形に合わせているものが多くみられます。決まった虫が訪花してくれるなら、次も同じ花に行って花粉を届けてくれる確率が高くなるからです。

それにしても、ランはなぜ多くの花粉をひとまとめに花粉塊にしてしまうのでしょう?
ばらばらにして多くの虫に多くの花へ運んでもらった方がいいような気がするのですが??

こんなことが気になってしまう方は、ぜひ森林文化アカデミーへ!



林業林産業体験実習

 クリエーター科1年生が,洞戸で下刈り作業を行いました。
共通授業なので,ものづくり講座,木造建築スタジオの講座も一緒です。

現場は,カネキ木材の大野さんの所有林です。

大野さんに現場に来ていただき,大野さんが山仕事を始めたきっかけや,
現在の林業についての想いを聞かせて頂きました。









大野さんの想いを汲み取り,今日は丁寧に下刈り作業をしようと,
気が引き締まります。




この日は雨です。山では,雨宿りする場所がありません。
荷物を置いたり,休憩したりできるよう,みんなでブルーシートを設置しました。


無事設置を終えて, 大野さんに頂いた飲み物でかんぱ~い!
(これから作業ですが…)




さあ,下刈り開始です。
横一列になって下刈りをしていきます。上下作業に気をつけて,一定の間隔で作業しています。




午後は鎌研ぎから行いました。






雨が降ったり止んだりするような天気でしたが,
みんな最後まで作業を続けていました。

いつもは,部屋の中で木工をしたり,設計図を作ったりと,
山で作業することがない講座の人もいましたが,
林業の作業の厳しさを体験できたのではないでしょうか。


ものづくり講座日記更新

先週末に飛騨高山の世界国際文化センターで行われた生涯学習講座
「夏休み親子木育クラフト講座・飛騨杉を使った箱イスづくり」

スタッフとして参加したものづくり講座1年生 吉川さんがブログ書いてくれました。

真剣な顔をして作業に励む子供たちが印象的です!

↓こちらからどうぞ↓
http://monozukuridiary.blog103.fc2.com/blog-entry-191.html

2012年7月19日木曜日

ものづくり講座日記更新

ものづくり講座では、学生たちが主体となって日々の授業や学生生活をつづる
ものづくり講座日記」というブログを独自でやっています。

アカデミーブログでは伝えきれない学生たちならではの視点で
最低週に1回更新をしています。

さて、今回は、1年生のひらっきーさんこと平木さんが、
地域の小学校の「放課後子ども教室」でなにやら楽しいイベントをやってきたそうです。

ぜひブログをみてください^^

こちらからどうぞ

郡上市内のヒノキ林とスギ林を見学


 7月17日にクリエーター科2年の講義で、郡上市大和町にある、様々な施業を
行いつつ、いろいろな試験も行っているという森林を見学しました。
近くに母袋(もたい)スキー場がありることから、雪が積もる地域であることがわかります。

 最初はヒノキの森林を見ました。林齢は約100年生であると先生から解説が
ありました。樹高は平均30メートルですが、胸高直径は平均40センチと細いのが
印象的でした。上を見上げると現状では樹冠どうし間隔があるように見えますが、
ここまで成長する過程での手入れが十分でなかったことが直径が細い主な要因との
ことでした。
 下層の植生についても、シロモジ、アオキなどの耐陰性の強いものはあったのですが、
一定以上の成長が光量不足で一定以上に成長できずにいるのが見受けられました。
また、アオキについてはシカに食べられた痕跡が目立ちました。




 ヒノキ高齢林に続いて、列状間伐を行った現場に入り、先生から投げかけられた
質問に対して各学生が意見を述べました。
 列状間伐はスイングヤーダ等の架線集材をするには効率いい方法と思いますが、
今回見学に入ったヒノキ林ではS字に曲がる保残木もあり、ちょっと疑問に感じる部分も
ありました。



 次に、スギ-スギ複層林の現場に入ったのですが、まずこれはちょっとね・・・という
具合でした。下層木が成長するのに十分な光量がなければ、この施業方法を維持する
ことは非常に困難になってきます。今ある下層のスギを見ても、幹が細いうえに、
樹形もスギに特徴的な尖った形状ではありませんでした。

 《教員からの補足 》 二段林の場合、それは更新技術であって、二段林の形を維持する
ことが目的ではないはずです。したがって、スギを樹下植栽してから20年近くも上木を
伐採せずにいること(すなわち、更新を果たさずにいること)は、その目的からして
ありえないはずです。
 しかし、日本中に、このような状態になった複層林を見ることができます。そもそもの
目的をきちんと考えずに樹下植栽をした、残念な結果です。



 気象害の実情も、説明していただきました。近くにスキー場があることからわかるように、
 この森林がある場所は、冬季はかなりの降雪量があります。したがって、雪害が発生します。
列状間伐を行ったスギ林では、冠雪害による幹折れが発生したそうです。ただし、幹折れと
列状間伐との因果関係は何とも言えないそうで、気象条件や地形的な事も大きく影響する
そうです。

 また、スイングヤーダによる集材にも注意することが多いと、先生から伺いました。
実際に、スイングヤーダを用いた集材をした場所も見学しました。伐倒木をワイヤーにて
引き出すわけですが、それなりに重さのある物がズルズルと引かれて、保残木に当たって、
その幹に傷を残したりすることには注意しなくてはいけません。その傷跡を目にして、
これは非常に注意すべきことだと感じました。

 また、冬期に木の水分が凍結し膨張することで起こる凍裂がある木も見ました。


 林業を継続させていく中で、今は伐って出す時期ではありますが、そのあとには植えて
育てると行程がいずれきます。その中で、過去の経験を生かして行かなければ、日本の
林業の発展は難しいのかなと感じました。

 また、山に関わる人の歩調がある程度そろう必要があるとは思いますが、同時に、
先行する人も必要だと感じました。今回見学したような実験林が、各地にあると思います。
そういった場所で次に備えた実験をしていくことが今後の技術、知識の発展に欠かせないと
思いました。


 林業再生講座2年 石丸  (教員が、若干の補足と修正をしました)