2012年1月18日水曜日

クリエーター科林業再生講座 「森林計画」 で 林業事業体の専務さんに聞く

森林文化アカデミー クリエーター科 林業再生講座
「森林計画」の授業の中で

岐阜県の林業事業体の一つである大原林産の小森胤樹専務さんをお招きして、
「森林計画とキャリア計画」と題して、ご講義頂きました。

最初の1コマ目は川尻が大正12年から森林経営計画を立てている「神宮宮域林」の森林管理の考え方と計画の内容について講義。

2コマ目から4コマ目までは、小森さんから「森林計画とキャリア計画」と題して講義をして頂きました。

小森さんは、上着にオーストリアのファナー社の作業服(ドイツのフォレスターなどが着用している上着)をまとい、林業従事者としての誇りをむねに、堂々としかもも楽しく講義して下さいました。

240116Cr%90X%97%D1%8Cv%89%E6%8F%AC%90X-1.JPG
小森さんは大阪出身で、現在岐阜県郡上市八幡町に居を構える、いわゆるIターンの林業家です。
その小森さんが、「どうして10年前に岐阜に来て、今何を考えているのか。」を学ぶことが、クリエーター科の学生さんの将来設計に重要と考え、キャリア計画まで立ち入ったお話しをして頂きました。

240116Cr%90X%97%D1%8Cv%89%E6%8F%AC%90X-2.JPG

小森さん自身は「山のコンサルタント」、「林業のコンサルタント」のような仕事を目標に、現在は民間のフォレスターとして活躍することを描きながら仕事をされています。

地域に根ざして林業をする。それはそこに骨を埋めて、両親まで呼び寄せて定着するだけの覚悟が必要であるという意味の解説から始まり、民間林業事業体と森林組合の違い。行政との違いなど、様々な視点で見た林業についてもお話し頂きました。

また、民間事業体が施業計画を立てたり、長期施業受委託契約を結ぶことの大変さ、補助金の複雑な仕組みなど、実際に計画する上での苦労ポイントを解説して下さいました。
林業とは関係ありませんが、異業種と人たちと積極的に交流されることで、新しい展開が見えたことも紹介され、そうした中での「郡上わりばしプロジェクト」についてもお話し頂きました。

木材を建築材などに出荷せず、「わりばし」に使うことはもったいないような、ムダのようにも思われがちです。
しかし材価の安い黒心材のスギ丸太であれば、わりばし原料材で販売した方が価格が高く、結果として森林所有者に多くのお金を返すことができる。
そうすれば、森林所有者はまた山づくりに投資してくれる。こうして山を循環させることの方が重要なのではないか? とも話されていました。

240116Cr%90X%97%D1%8Cv%89%E6%8F%AC%90X-3.JPG

小森さんも自分自身が林業や日本の山の問題を考える中で、近年注目されている「ドイツ林業、フォレスター」の勉強もしたくなり、本年度は急遽、ドイツへ視察に行かれたそうで、そのお話もして頂きました。


240116Cr%90X%97%D1%8Cv%89%E6%8F%AC%90X-4.JPG

ドイツでの森林土壌の貧弱さ、木材生産に目を向けたフォレスターの森林管理など、数多くの新鮮な刺激を受けられたそうです。

クリエーター科の学生にとっても、凄く新鮮で面白いお話しが聞くことができました。小森さん、有り難うございました。

報告:ジリこと川尻秀樹でした。