現場の伐採は結構危険です。小さな木でも思い通りに倒れませんし、太い木は裂けたり、伐採後に大きく跳ね返ったりと、予想できない危険があります。
そのため伐採者は、伐倒方向や待避場所はもちろん確認しますが、服装もしっかりしなくてはなりません。
ドイツなどでは伐採の勉強を3年ほどした方が、チェンソーでも切れないブーツを履き、チェンソー切創防止のための衣類を身にまとい、防振手袋をし、セイフティグラスか防面マスク、ヘルメット、そしてイヤーマフ、ホイッスルを装着します。
しかし日本では、多くが木綿の作業服に地下足袋、これにヘルメットをかぶる「程度のところが未だに多い。
今回、前回の60cm級の立木の時には準備が不十分だったので、地下足袋も「ウッドランドスパイク地下足袋 甲ガード付き安全スパイク」に履き替えて、手袋もより振動の少ないゴム製のものを使用。
足のチェンソープロテクターは、見た目には内容に思われますが、色合いがオレンジで恥ずかしいとのことで、今回は新品の「軽量チェンソー ガードG」を作業ズボンの下に装着しています。
もちろん耳栓もしてますよ!
今回の大物、根元直径が90cmを越えます。木の傾きを確認し、伐倒方向を定めるのはもちろんですが、最初に木に挨拶をして、根元付近を美しく整えます。
これはジリの仕事として、根元付近に付着した苔類を削ぎ落とし、周辺の雑草木を刈り払います。
下野君が江崎さんに指導されながら受け口を切断して行きます。チェンソーの大きさが半端なく、ハスクバーナの62CCエンジンに、60cm級のガイドバーがついています。
重さも半端ないのでですが、回転数が良く、目立てが十分されているため、サクサク切り込んで行きます。
受け口の斜め上からの切り込みも簡単です。今回は日本の伝統的な受け口の切り方でつくりました。最近は斜め切りを先にして、水平切りが後の場合が多くなっています。
大径木になると受け口を切っても、開口部が大きく一度にうまく切れません。そこで斜面の下側からも受け口の切り直しを行いました。
追い口を切るのも感度良好。サクサクとチェンソーが食い入っていきます。ただ、重いチェンソーを支える腕が悲鳴を上げ始めてました。
体力不足と余分なところに力が入ってしまうことを実感・・・・! がんばらんとね!
追い口をある程度切ったところで、楔(矢)を打ちます。ツルの効き具合と伐倒方向の関係から、谷側には大きな楔を2枚、山側には小さいものを1枚、大きな2枚は強く打ち込み、小さな1枚は軽く打ち込みます。
楔を打つと「ミシッ、ミシッ」と音はしますが、梢は一向に動きません。
そこで切断面をのぞきもむと、少し切り足らないと思われるところを発見し、追い切りします。
追い切りを終わって、楔を打とうとすると、・・・・・・
・・・・なんと、伐倒方向めがけて、立木が横たわっていきます。思わず、下野君も江崎さんも待避場所へ待避!!
最後は、自分で初めて伐採した大径木にまたがって、記念撮影した下野君でした。