2012年9月18日火曜日

木漏れ日の塔 建て方(自力建設2012)

 台風の影響で、雨が心配される中、2012年度の自力建設の建て方が始まりました。

 朝一番に加子母から刻んだ材が到着。大工修行から3週間ぶりの再会です。
 複雑な外側のパネルは工場で組んで、塗料も塗っていましたので、トラックの荷台から迫力があります。


 まずは、中心に建つ3本の柱の架構を組み上げます。足元の固定は大事なところでこれが弱いと倒れてしまいます。
 今回もDボルトを使用します。(M16という太いボルト仕様でアカデミーの実験場で何度も強度試験を行った信頼性の高いボルトです。)
 足元を少し持ち上げてボルトをセットしていきます。
  

 一本目が無事建ちましたが、3本で安定するため、仮固定をバンドで行います。一年生の山崎君が活躍。片手で軽々扱います。


 その間に、3本寄り添うように立て上部を特注のプレートで固定します。下からは見えないように設計しています。


芯構造ができると、すでに組み立ててある外皮パネルを吊りあげます。
このパネルが大きい!!


途中で少しぱらっと来ましたが、すでにオスモカラーを塗装済み。
ちゃんと水を弾いて粒になっています。


 外皮パネルも3つで安定する構造。こちらも途中支えながら組み上げます。最後に斜めの頬杖を入れ全体がそれぞれで支えあう独特の構造になりました。


 ちょうど組みあがったころ、雨が降ってきました。木造建築講座の山崎君や大工入門で一緒に加工したエンジニア科の学生も参加して、プロの大工さんと一緒に組み上げました。
まだ、細部の加工が残っていますが、これでひと段落。
 これからアカデミーに来られる方は、この塔を目印に来てください。


 小さいながらも非常に複雑な架構が立ち上がりました。
 建築は大きさに限らず、ほぼ同じ工程をたどります。今回も、計画から掘方、基礎工事、木材の加工、上棟と時間をかけて取り組んできた成果が形になってきました。完成まで、まだまだ作業が残っていますが、今回の上棟でいろいろなことを学んだことでしょう。

 実は、いろいろ失敗もありました。ボルトが来ない?・・・基礎の穴が・・・。
 でも、現場の職人さんの機転や、サポートで無事上棟式を迎えることができそうです。
 今回の経験で、特に裏方の目立たない段取りの大切さが身にしみて理解できたことでしょう。


木造建築講座 辻 充孝