路網線形計画演習に挑戦 第5回 施業プランナー育成研修
施業プランナー育成研修の第5回目は、作業道の開設計画、線形踏査のポイント、路網線形計
画演習、GPSの基礎知識について、岐阜県森林研究所の普及企画係の池戸技術課長補佐、長屋
技術主査、森林資源部の臼田専門研究員を中心に、下野さんとJIRIが皆さんをサポートです。
最初は、長屋さんによる「作業道の開設計画」についての講義です。
林内路網は、1.林道、2.林業専用道、3.森林作業道 の3つに分けられますが、プランナー
としての研修対象は「森林作業道」です。
森林作業道は幅員が2.5~3.0m、縦断勾配は10度以下(18%以下)で、トラック道やフォワーダ道
です。
計画前に、1.地形図で施業区域を確認
2.森林簿で土地の制限を確認
3.航空写真で森林資源を確認
4.地質図・断層図を確認 岐阜県ではインターネット上で簡単に確認できる
開設を避けるべき危険地帯は
1.急傾斜地(傾斜35度以上)
2.崖錘、堆積土・・・・・堆積土では切土せず、盛土により路体を形成する。
3.崩壊地
4.破砕帯
5.岩盤、転石地帯
6.水脈が地表に近い場所
7.谷川沿い
8.人家や公道に転石などの落下が予測される場所
9.生活用水の水源地上流
そのほかに、山裾の平坦地を開設すると意外な落とし穴が?
そして1/5000の地形図(森林基本図)に切り盛りで道を開設できる場所であるかどうかの判断
をするための色分け図を作成します。
ヘアピンカーブの設定も場所を選びます。
続いて、池戸さんによる「線形踏査のポイント」について講義。
縦断勾配の求め方やルート選定の留意点、タナ地形の見方が分かりますか?
縦断勾配を現地踏査するときには、①勾配杭 と ②センター杭 を打ちますが、これも明確な
違いが分からない人も多いです。ハンドレベルを使って勾配を追う時に重要です。
歩道や獣道の利用、トラック道の波状線形、フォワーダ道の波状線形などなど、これから演習に
入る前のポイントを、判りやすく説明して下さいました。
演習前にもう一つ、切法肩・盛土尻位置判定カード「切り盛りくん」の紹介です。現場で簡単に
どれだけの切土、盛土が発生しそうか、簡単に予測できます。・・・・これはスゴイ!
さて、森林文化アカデミーの演習林33haに、平均縦断勾配10%の森林作業道を入れる演習
です。最初に個人で、次ぎにグループワークで検討です。
グループ内の情報をシェアリングして、更に良い線形計画を相談し、発表に移します。
途中、池戸さんから「車輌系での路網密度は200~250m/haまでですね」というアドバイスも。
最後は臼田さんから、「GPSの基礎知識」について講義を受け、次回の現地踏査での実践練習
です。
今回もみなさまご苦労様でした。次回は暑い中、朝から夕方まで現地踏査です。図面上での計
画と現場がどれほど乖離するのか。それが見物です。次回も頑張りましょう。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。