山を見る前に、県森連飛騨共販所におじゃまして、最近の市況と広葉樹材の動向について、話をうかがいました。
左の写真のウダイカンバ(2.1m)は、立米38千円で落札されたとのこと。右の写真のホオノキは、時期と形質が悪く、ちょっと残念な価格しか付かなかったようです。
市場の見学を終えて、向かった先は高山市清見町の広葉樹林。
最初に見たのは、今どきとしては若いコナラ林。本日のお題は、広葉樹林の木材生産機能を評価する(方法を考える)です。このコナラ林でどのような木材生産ができるかを考えました。
まず思い浮かぶのは、シイタケ原木の生産。広葉樹林を見慣れない学生諸君は、その可能性をどのように見積もるのか、なかなか見えてこないようです。
それなら、もっと違う林も見てから改めて考えようということになり、別の林に向かいました。
先ほどより高齢になったコナラ林です。
「これは、シイタケ原木林にはならないよな」、
「コナラだと家具用材とかにも向かないかな」、
「薪の生産が一番かな」 、
「枝は、シイタケ原木にもなるんじゃないか」などなど、意見が出ました。
どの選択がよいかを見つける方法を考えるため、簡単な林分調査をしてみました。
次は、渓流沿いのシナノキ・ホオノキ・ミズキ・カツラなどが混生する林です。
「今はまだ幹が細くて使えないけど、将来は用材生産ができるのでは」ということで、その可能性を探るための調査手法を考えて、こちらでも試しの調査をしてみました。
再び、最初に見たコナラ林。
やはりここは、「シイタケ原木林としての可能性がある」ということになり、それを評価するための調査手法を考え、実際にやってみました。
調査道具を持たずに出かけたので、いずれもラフな調査になりましたが、 そこから何が見えてくるでしょうか。 結果(とりまとめがまだです)が楽しみです。
途中、カモシカも出てきて、「おまえらに俺の住み処(広葉樹林)のことがわかるのかよ」と、挑戦的な目で見つめられました。そう、木材生産も大切だけど、野生動物との共存もきちんと考えていかなければなりません。昨今のニホンジカは困りものだけど。
by 横井秀一